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ロードバイクのドライブトレイン取替(その3 カーボンロードに Ultegra Di2 取付)

2020.05.10/Sun/22:19:58

DSC05967.jpg今回は、105 R7000 ドライブトレインをアルミロードに譲ったカーボンロードに、電動コンポ Ultegra Di2 R8050 を取り付けます。一連の企画のハイライトです。
【前回までのおさらい】

外出自粛のGWを利用し、2台のロードバイクのコンポーネントを底上げしようという企画。前回は、オーバーホールしてスッキリとしたアルミバイクに、最新 105 R7000 コンポーネントを取り付け、実走できるまで仕上げました。運動実施のため、実際に近所を走ってみて、スムーズかつ安定した変速性能に改めて感動しました。普段使いのアルミロードが確実に延命できたと感じました。

P_20200510_113903.jpg

今回は、コンポを譲ったカーボンロードに、新しく SHIMANO の電動コンポ、「Ultegra Di2 R8050」を装着します(下図手順4)。

CompoExchange.png

今回は、写真が多く、それに対する解説は多少薄目というスタイルで構成します。

【Ultegra Di2 コンポーネント】

カーボン・ロードバイクは ICAN という中華カーボン製。購入したのが約2年前なので、Di2 対応のフレームです(エレクトリックケーブルを内装する仕組みが整っている)。「いつか、Di2 を装着するぞ。しかし、自分で組む前提でも15万円か…。高いなあ…」とぶつぶつ言いながら時間を延ばしてきましたが、「高いとは言っても2台分だよな…」などという勝手な理由付けをして、とうとう物欲に負けました。今回購入した品々です。

DSC05961.jpg

箱だけでは何を買ったのか分かりづらいので、モノを外に出しました。Di化するには、基本これだけのパーツが必要です(ケーブルが多い)。スプロケット、クランク、チェーンは電動とは関係なく共通で使うパーツです。チェーンが Dura Ace グレードである以外、購入品はすべて Ultegra グレードです。前回も述べましたが、ブレーキは 105 BR-7000 を継続利用するので交換しません。

DSC05964.jpg

【内装化方針】

ここで前置きしたいと思います。今回 Di2 パーツをカーボンロードに取り付けますが、今回では完成しません。その理由は、内装対応カーボンハンドルが5月末にならないと届かないからです。

今回、各種 Di2 パーツは可能な限り内装化します(ケーブル、ジャンクション、バッテリー)。そのための要のパーツがこれ。ハンドルバーエンド装着型ジャンクションA、「EW-RS910」です。

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このジャンクションAはフレーム内に完全に隠してしまうことができません。充電用ポート、Di2 操作ボタンがあるため、それらが表面に出ている必要があるからです。この新型パーツが出る前は、ジャンクションAはハンドル・ステム下部にくくりつけざるを得ず、美観を損ねていました。美観だけでなく、自転車持ち運びの際の利便性も損ねていました。自転車を縦にして持ち運ぶ場合、片手はフレームやボトルケージ、もう片手はハンドル・ステムを握ることなりますが、ジャンクションAがステム下部にマウントされていると、そこが極めて握りにくくなるからです。

junctionA_position.png

そこで、SHIMANO が出してきたのが「EW-RS910」。取付イメージはこうなります。スマートですね。

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ただし、この方針を完遂するためには、ジャンクションAに接続されるエレクトリックケーブルが、ポートの反対側に接続されるため、ハンドルバーが「ケーブル内装対応」である必要があります。現在のカーボンロードについているハンドルバーは、ケーブルをハンドルバーの外側に這わせるタイプ(下の写真参照)。

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したがって、ケーブル内装用の穴が開いているタイプのカーボンハンドルを Amazon で新規購入したのですが、その到着が5月末頃になるとのこと。それまではハンドル周りの配線を完了できず、ハンドルバーが決まらないとブレーキ・ケーブルもセットできないので、「乗れない」ということなるわけです。

今回、アルミロードを一旦完成させたのも、こちらのカーボンロードが当分仕掛中になるのがわかっていたため。この状況は納得ずくです。しかし、ハンドルバー周りの配線を仮留めにしておけば、それ以外の作業は前倒しで進めておけるため、Di2 を仮配線し、変速機構の動作を確認することができます。今回はそこまでの経過を紹介して行きます。

【内装用 Di2 バッテリー BT-DN110-A】

方針に沿って、Di2 用バッテリーは内装します。Bluetooth と ANT+ 通信を行うため、通信ユニット「EW-WU111」を導入します。その組み合わせでは、内蔵バッテリーの型番は「BT-DN110-A」となります。そのバッテリーはシートポストに内蔵する設計になっているのですが、そのバッテリーの長さが 152mm ということは分かったのですが、事前に調べても、その「直径」がいくらなのかがわかりませんでした。その直径如何では、バッテリーをシートポストに内蔵できないかもしれません。その場合でも、シートチューブに内蔵すれば良いと考え、購入を先行しました。

実際届くと、内装用 Di2 バッテリーは思いのほか細いということが判明しました(実測直径16.5mm)。

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これなら、細身の外径 27.5φのシートポストにも軽々入ります。

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したがって、先人の知恵を借り、シフトワイヤーをタイラップで固定し、スポンジを巻き付けて直径を調整。

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それをシートポストに挿入するという方式でバッテリーを内装しました。

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【BBまわり】

Di2 ケーブルをフレーム内装にするためには、BB を一旦取り外す必要があります。このカーボンロードの BB は、ねじ込み式の BSA タイプ。

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BB を取り外す機会は、そう多くありませんが、このように取り外しが必要な場面では、つくづく「圧入式でなくて良かった」と思います。ちなみに、右側の BB は「逆ねじ」なので、時計回りが「ねじが緩む方向」です。

DSC05971.jpg

一旦ねじが緩めば、錆びついて固着していない限り、指先でするすると回して外すことができます。同様に左側も外します。左側は正ねじなので、反時計回りで緩みます。

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BB が外れました。

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ここで大事なのは、BB部の台座(金属パイプ)に「穴が開いている」ことです。これは Di2 のエレクトリックケーブルを配線するのに大事なことで、ここが穴のない単なる管である場合は内装をあきらめなければなりません。

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この穴の開いた部分、柔らかいビニール被服のエレクトリックケーブルが通るので、穴のエッジが被覆を傷つけないよう、念のための対策を行います。「養生テープ」です。

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こんな感じで、BB部の穴のエッジをカバーするように、養生テープを貼っておきます。

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下部のエッジもテープを貼りましたが、ケーブルはBB の上部に渡すので、ここのテープ貼付は無駄でしたね(笑)。

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【チェーンについて】

チェーンについては Dura Ace グレードの 11速対応チェーン、CN-HG901-11 を新規購入。比較的少ない出費で Dura グレードの恩恵を受けられます。

その際、チェーンの長さを適切に決め、チェーンを切って、フレームを通して接続しなおす必要があります。今回購入したリア・ディレイラーは、SSタイプの RD-R8050 SS ではなく、ラージ・キャパシティの RD-R8050 GS です。GS にした理由は、私はレースに出ることはなく、山岳ツーリングを楽しみたいと考えているからです。SS のリア側対応最大スプロケットは30T、GS であれば 34T が対応可能です。GS の方がわずかに重く、若干テンション・アームが長いですが、それほどかっこ悪くなく、変速レスポンスも SS にそん色ないという意見がネットでは多いため、GS を選択しました。

今回購入したスプロケットは、「乙女ギア」とも呼ばれる 14-28T。レースに出ない私にとって、このギヤは「神ギア」と呼べるほど素晴らしいものです。このスプロケットについては、別に紹介する回を設けたいと思います。

今回 34T のスプロケットは購入してはいないものの、チェーンの長さは、将来 34T のスプロケットを購入しても装着できる長さにしておきたいところです。そこで、スプロケットの歯数とチェーンのコマ数の長さの関係について、ちょっとした実験をしてみました。

以下の図は、28T 以上のリア・スプロケットを使う際の、SHIMANO の推奨するチェーンの長さのガイドラインです。

20141018-01.png

クランクのアウターギアとスプロケットの最も大きいギアにチェーンを掛けて、一周させます。

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そこで、私が保有している 28T, 32T のスプロケットを装着し、チェーンがちょうど一まわりするコマ位置にマジックマーカーで印を付けてみました。まずは 28T の場合を「赤」でマーク。

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次に、スプロケットを 32T に取り換えて同じことを行います。歯数が 4 増えているので、チェーンがさらに4コマ分必要でしょうか?いいえ、違います。

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余分に必要なチェーンのコマ数は2コマだけです。なぜなら、スプロケットにチェーンが巻き付いている範囲は、スプロケット1周ではなく、「半周」だからです。

それを考えると、まだ持っていない 34T のスプロケットを装着する際に必要なチェーン長が考察できます。34T を想定したチェーン長は、32T の場合より「ひとコマ」長くなります。

SHIMANO のガイドラインでは、ぴったり+2コマが必要です。チェーンは「オス」、「メス」があるので、奇数個分のチェーンを増減ができません。一回りさせたときに、1コマ分の余裕があったので、最終的なチェーンの長さは、34T のスプロケットを装着した際にちょうど一まわりと2コマになるように、以下の位置決めでチェーンを切ることにしました。

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【ケーブル配線】

Di2 にした場合のフレーム内のケーブルの引き回しは、下記のようになります。

Di2InternalCabling.png

今回、シフトワイヤーがなくなり、ハンドル部から BB部へ向かうエレクトリックケーブル一本になるので、ダウンチューブ内のシフトワイヤー挿入部の片方(リア・ディレイラー用シフトワイヤー穴)が必要なくなります。この ICAN のカーボン・ロードのフレームには、Di2 配線に配慮したケーブル孔のフタやグロメットが付属していますので、これらをつかって、穴をエレクトリックケーブル用に仕立てていきます。

まず、右側のリア・ディレイラー・シフトワイヤー用のホールを処理。

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2mm の六角ボルトを外し…

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金具を取り外します。

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あとは、このフタをはめ込み…

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ボルトを締めてフタを閉めればOK。

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左側も同様に処理します。左側には Di2 ケーブルが通りますので、グロメットが入ります。

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仕上がりを見るために一旦グロメットを入れましたが。ケーブルを挿入するので、それまではグロメットは取っておくことになります。

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あとは、Di2 のエレクトリックケーブルを必要な部分に通していきます。まずは、右側チェーンステー内を通す、リア・ディレイラー向けケーブル。

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ケーブルがBBまで通ったら、グロメットで留めます。

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次は、ハンドルから BB へダウンチューブを通るケーブル。

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次は、シートチューブを通すバッテリー用ケーブル。

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最後に、フロント・ディレイラー用ケーブル。これは短いので簡単です。

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将来、一部のケーブルを交換することに備え、こうやってラベルを付けておくと良いかもしれません。

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都合、4本のケーブルがBB部分に集約されることになります。それを集約するのがこれ。「ジャンクションB」です。

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これによって、ハンドル部から送り込まれた一本のケーブルが、BB部分で三方に分岐することになります。

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このジャンクションB は、単なる分岐用パーツなのでフレーム内に押し込んでしまって構いません。しかし、これが走行時の振動でフレーム内で暴れ、カタカタ音がするという問題が発生するらしく、フレームに押し込む前に先人の知恵を借り、このようにスポンジでカバーしました。

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ジャンクションBをうまくダウンチューブ内に押し込むことができれば、BB内部のケーブルは下のようになっているはずです。この段階で、フレームのケーブル内装作業は完了。BB を装着し、クランクを取り付けることができます。いわば、フレーム側の配線は完了です。

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【コンポ取付とケーブル接続】

あとは、クランクやディレイラー、STIレバーを取付け、ケーブルを各パーツに接続します。接続はSTIレバー付属の専用工具を使います。

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ハンドル部は、全くの仮配線です。気を付けるべきは、フロント・ディレイラーの取り付けです。フロントディレイラーの「サポート・ボルト」の処理はうっかりしがちなので気を付けましょう。最近の SHIMANO のフロントディレイラーは、取り付け部分のボルトに加え、「サポート・ボルト」という2mmアーレンキーのイモネジがフロントディレイラー座金の横のシートチューブに突き当り、取付剛性を増すように設計されています。そのボルトが直接フレームに当たらないように、アルミ製の「バックアップ・プレート」と言われる小さなアルミ板を貼り付けておく必要があります。

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こちらはリア・ディレイラーのケーブル接続状況。

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こちらは、フロント・ディレイラーのケーブル接続。ケーブルの引き回しルートに少々迷いましたが、このように、シートチューブ前方から出たケーブルを…

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フロント・ディレイラー支持部の下から回して FD に接続するのが良さそうです。

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ここで、STI レバーのケーブル接続で気づいたことがあります。通常、エレクトリックケーブルは、指で持って押し込むことは避け、専用のプラグ差し込み工具を使います。ところが、STIのケーブル接続部は接続部分が密集して狭く、この工具が使えないように一見、見えます。

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しかし、この STI のケーブルポートは、「引き起こす」ことができます。こうすれば、工具を使って的確にケーブルを接続することができます。

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接続できたら、ポートを押し込めばOK。

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ハンドル部は、一旦テープで仮留め。月末にケーブル内蔵型ハンドルバーが到着するのに備えます。

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ハンドル内にケーブルを通すイメージを、この時点で固めておきます。

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【動作確認】

ハンドル部は仮留めですが、すべての変速パーツが設置・配線されているので、この段階で、Di2 の変速を実際に試してみることができます。ジャンクションAに専用充電器を PC 経由でつなぎ、PC に専用アプリ「E-TUBE Project」をインストールすることで、各コンポーネントのファームウェアアップデートやコンポーネントの各種設定をすることができます。

Di2Update.png

ディーラーマニュアルを参照して各種調整を行い、実際に変速操作を試してみることができました。ブレーキが結線できていないので、この段階では、実走はできませんが、Di2 の変速のすばらしさを目の当たりにすることができました。

5月末にハンドルが届き、このロードバイクが完成し、走れるようになった段階で、また記事に起こしたいと思います。



【関連ページ】
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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