カーボンリム用ブレーキシューをアルミリムホイールに使ってみる
2019.10.06/Sun/21:26:25
![]() | アルミリム用ブレーキシューをカーボンリムのホイールに使うのは避けるべきだということは良く言われています。しかし、その逆、「カーボンリム用ブレーキシューはアルミリムホイールには使えるのか」。これについてはあまり明確な意見を見かけません。今回はこの件を検証してみました。 |
【カーボンリム用ブレーキシューの必要性】
キャリパーブレーキはホイールのリムをブレーキシューで挟み込むことで作用するブレーキであり、ロードバイクのブレーキとしてはまだまだ主流です。カーボンリムのホイールは、アルミリムのホイールよりも耐熱性に劣り、摩擦係数も異なるため、専用のブレーキシューを使うべきであると良く言われています。
今後、ロードバイクのブレーキがディスクブレーキに統一されてゆけば、このような議論も「過去の話」となるのでしょうが、キャリパーブレーキはまだまだ多くのロードバイクで現役で使われています。私の最近自作したロードバイクも、キャリパーブレーキで、カーボンリムホイールなので、ブレーキセットに付属する標準品のブレーキシューは使えません。

したがって、カーボンホイールに付属していた「カーボンリム用ブレーキシュー」を当初装着しました。

スキール音がせず、リムの温度を低く保ち、ブレーキングパワーが高いと謳っています。

全くのノーブランド品かと思いましたが、「CHANPION BRAKING POWER GB-336」という型番の記載がありました。

カーボンホイール利用当初は、このブレーキシューを装着して乗っていたのですが、摩擦係数が低いのか、「どうにも止まらず」、Amazon で定評のある LifeLine の青いブレーキシューにすぐに交換しました。

このブレーキシューは交換して正解。大満足です。
(関連ページ: 青色のカーボンリム用ブレーキシュー(LifeLine)を新規購入)
その結果、カーボンホイールに付いてきた、ほとんど未使用のカーボンリム用ブレーキシューが余りました。

【アルミリムにカーボンリム用ブレーキシュー】
その余ったカーボンリム用ブレーキシューは、かれこれ1年間、引き出しの中に眠っていたのですが、アルミリムホイールのもう一台のロードバイクの SHIMANO のブレーキシューが摩耗し、交換が必要なレベルに達しました。

(フロント・ブレーキ・シュー: 多少余裕あり)

(リア・ブレーキー・シュー: ほとんど利用限界)
そこで、兼ねてから試してみたかった実験「アルミリムのホイールにカーボンリム用ブレーキシューを使うとどうなるのか」を決行することにしました。
使っているキャリパーブレーキは、SHIMANO 105 系(BR-5800)。止めねじを緩めれば、ブレーキシューだけが簡単に交換できます。古いブレーキシューを外すと、ミゾは残っているものの、大分限界に近い感じでした。

交換後は、ブレーキシューの厚さが厚くなるので、ブレーキワイヤーの固定位置と、左右の隙間の調整をして完成。それほど手間がかかるものではありません(前後合計で10分程度)。

(交換後: フロント側)

(交換後: リア側)
【装着後感想】
さて、アルミリムのホイールにカーボンリム用ブレーキシューを装着し、乗ってみました。逆の場合と異なり、ハードブレーキングでのリムの損傷は考えずに済みます。したがって、関心事は「効くのか」、「持つのか」の2点に集約されます。
まず、効き具合ですが、初期制動の喰いつき具合は標準ブレーキシューと同等で、良好です。ブレーキが効かなくて困るということはありません。ただし、何回かハードブレーキングを実施したところ、前輪については、限界付近のブレーキ性能は、通常シューの方が高そうだと感じました。
アルミリム用シューの場合は、フロントブレーキでも、限界付近まで握り込むとフロントホイールがロックし、逆ウイリー(ジャックナイフ)の挙動まで達するのですが、今回交換したカーボンリム用ブレーキシューでは、そこまで行かず、フロントホイールは最後まで滑りがちのままのレベルでした。
どうやら、カーボンリム用ブレーキシューの方が、ゴムの硬度が柔らかいようで、ブレーキキャリパーの締め付け圧力が多少逃げてしまうような感じです。特に現在はシューを交換したばかりで、シューの厚みが大きいため、ゴムの変形度合いが大きいことも作用しているのではないかと感じました。
耐久性については、交換したてなので、まだわかりません。せめて数か月使ってみないと何とも言えないと思います。
結論としては、「カーボンリム用ブレーキシューをアルミリムホイールに使っても、大きな問題はない。しかし、積極的なメリットはなさそう」ということになりました。
今回はカーボンリム用ブレーキシューが「余っていた」ので取り付けましたが、アルミリム用にわざわざ高価なカーボンリム用ブレーキシューを購入するのは意味がありませんね。
【追記】
その後、何回か雨天時の利用機会がありました。結論としては制動力に問題はありません。標準的ブレーキーシューと比べ、排水性が良いのか初期制動時のレスポンスが良く感じました。また排水完了後の本制動の食いつきも同等以上でした。雨天時は、このブレーキーシューの方が性能が良好だと思われます。、
【関連ページ】
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その4 ホイール装着編)
青色のカーボンリム用ブレーキシュー(LifeLine)を新規購入
BR-5800 の前輪ブレーキシューの交換
SLR-EV に変わった新型105(BR-5800) 導入編
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
キャリパーブレーキはホイールのリムをブレーキシューで挟み込むことで作用するブレーキであり、ロードバイクのブレーキとしてはまだまだ主流です。カーボンリムのホイールは、アルミリムのホイールよりも耐熱性に劣り、摩擦係数も異なるため、専用のブレーキシューを使うべきであると良く言われています。
今後、ロードバイクのブレーキがディスクブレーキに統一されてゆけば、このような議論も「過去の話」となるのでしょうが、キャリパーブレーキはまだまだ多くのロードバイクで現役で使われています。私の最近自作したロードバイクも、キャリパーブレーキで、カーボンリムホイールなので、ブレーキセットに付属する標準品のブレーキシューは使えません。

したがって、カーボンホイールに付属していた「カーボンリム用ブレーキシュー」を当初装着しました。

スキール音がせず、リムの温度を低く保ち、ブレーキングパワーが高いと謳っています。

全くのノーブランド品かと思いましたが、「CHANPION BRAKING POWER GB-336」という型番の記載がありました。

カーボンホイール利用当初は、このブレーキシューを装着して乗っていたのですが、摩擦係数が低いのか、「どうにも止まらず」、Amazon で定評のある LifeLine の青いブレーキシューにすぐに交換しました。

このブレーキシューは交換して正解。大満足です。
(関連ページ: 青色のカーボンリム用ブレーキシュー(LifeLine)を新規購入)
その結果、カーボンホイールに付いてきた、ほとんど未使用のカーボンリム用ブレーキシューが余りました。

【アルミリムにカーボンリム用ブレーキシュー】
その余ったカーボンリム用ブレーキシューは、かれこれ1年間、引き出しの中に眠っていたのですが、アルミリムホイールのもう一台のロードバイクの SHIMANO のブレーキシューが摩耗し、交換が必要なレベルに達しました。

(フロント・ブレーキ・シュー: 多少余裕あり)

(リア・ブレーキー・シュー: ほとんど利用限界)
そこで、兼ねてから試してみたかった実験「アルミリムのホイールにカーボンリム用ブレーキシューを使うとどうなるのか」を決行することにしました。
使っているキャリパーブレーキは、SHIMANO 105 系(BR-5800)。止めねじを緩めれば、ブレーキシューだけが簡単に交換できます。古いブレーキシューを外すと、ミゾは残っているものの、大分限界に近い感じでした。

交換後は、ブレーキシューの厚さが厚くなるので、ブレーキワイヤーの固定位置と、左右の隙間の調整をして完成。それほど手間がかかるものではありません(前後合計で10分程度)。

(交換後: フロント側)

(交換後: リア側)
【装着後感想】
さて、アルミリムのホイールにカーボンリム用ブレーキシューを装着し、乗ってみました。逆の場合と異なり、ハードブレーキングでのリムの損傷は考えずに済みます。したがって、関心事は「効くのか」、「持つのか」の2点に集約されます。
まず、効き具合ですが、初期制動の喰いつき具合は標準ブレーキシューと同等で、良好です。ブレーキが効かなくて困るということはありません。ただし、何回かハードブレーキングを実施したところ、前輪については、限界付近のブレーキ性能は、通常シューの方が高そうだと感じました。
アルミリム用シューの場合は、フロントブレーキでも、限界付近まで握り込むとフロントホイールがロックし、逆ウイリー(ジャックナイフ)の挙動まで達するのですが、今回交換したカーボンリム用ブレーキシューでは、そこまで行かず、フロントホイールは最後まで滑りがちのままのレベルでした。
どうやら、カーボンリム用ブレーキシューの方が、ゴムの硬度が柔らかいようで、ブレーキキャリパーの締め付け圧力が多少逃げてしまうような感じです。特に現在はシューを交換したばかりで、シューの厚みが大きいため、ゴムの変形度合いが大きいことも作用しているのではないかと感じました。
耐久性については、交換したてなので、まだわかりません。せめて数か月使ってみないと何とも言えないと思います。
結論としては、「カーボンリム用ブレーキシューをアルミリムホイールに使っても、大きな問題はない。しかし、積極的なメリットはなさそう」ということになりました。
今回はカーボンリム用ブレーキシューが「余っていた」ので取り付けましたが、アルミリム用にわざわざ高価なカーボンリム用ブレーキシューを購入するのは意味がありませんね。
【追記】
その後、何回か雨天時の利用機会がありました。結論としては制動力に問題はありません。標準的ブレーキーシューと比べ、排水性が良いのか初期制動時のレスポンスが良く感じました。また排水完了後の本制動の食いつきも同等以上でした。雨天時は、このブレーキーシューの方が性能が良好だと思われます。、
【関連ページ】
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BR-5800 の前輪ブレーキシューの交換
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
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カテゴリ: 自転車・アウトドア
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