納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その4 ホイール装着編)
2018.09.01/Sat/17:22:36
【フルカーボン・ホイール】
せっかくカーボン・ロードバイクを自作するのであれば、そのホイールもカーボン製を奢りたいところです。完成車メーカーから提供されるカーボン・ロードバイクの価格が10万円台に落ちてきたからといって、ホイールまでカーボン製のフルカーボン・ロードバイクの価格が10万円台というのは聞いたことがありません。今回は自作のメリットを生かし、最近極めて低価格で入手可能になってきた中華製のカーボンパーツを使ってフルカーボン・ロードバイクを作ろうとしています。
そこで、ホイール(厳密にはリム)がカーボン素材であるカーボンホイールを購入します。ブランドは、今回購入したフレームブランドと同じ ICAN です。38mm ハイトのカーボンクリンチャーホイールが前後セットで 45,862円、圧巻の低価格です。安かろう悪かろうでは困るのですが評判も悪くありません。

厳重な梱包で到着しました。

付属品はクイックシャフト前後セットとリムテープ。

そしてカーボンリム用ブレーキ・シューが付いていました。

このホイールは11速対応ですが、9~10速のスプロケットを使えるようにする 0.85mm スペーサーもセットされていました。今回はこれは使いません。

梱包を解きました。キズ一つなく、立派な商品です。安物感は全くありません。

QC(品質管理)工程もしっかり整っているようです。

【パーツ重量】
本商品だけでは走行可能ではなく、走行可能にするにはタイヤやチューブなど、各種サブパーツが必要です。今回用意したそれらサブパーツはこちら。タイヤとチューブは Panaracer、リムテープは SHIMANO を選びました。

各種パーツを組み付ける前に「計量」を行います。フロントホイールが 670g。

リアホイールは 837g でした。

商品に付属してきたリムテープは、ナイロンを編み込んだような比較的ソフトタイプ。重量は2本で34.5g。

これに対して、今回利用する SHIMANO のリムテープは 16mm 幅2本で 32.2g でした。

タイヤは Panaracer の RACE A Evo3。比較的軽量の割に耐パンク性能が良く、転がり性能に優れるため、最近は私はこのタイヤを使い続けています。

また、タイヤ幅は最近の主流である 25mm。 25mm のタイヤは 23mm と比べると多少重量が増しますが、 転がり摩擦に優れるため巡行速度維持の面で勝ります。私は今後 23mm のタイヤを使うことはないと思います。

タイヤの重量は一本 241g でした。

クイックシャフトの重量も測ります。前輪用は 48g。

後輪用は 52g でした。

チューブの重量は 77g でした。

【Panaracer バルブエクステンダー】
今回購入したカーボンホイールは 38mm ハイトのリムが付いています。38mm と言っても、カテゴリーとしては「ディープリム」に属するため、通常の長さのバルブ長を持つチューブでは、バルブ先端が十分に突出しない状況になっています。おそらく、38mm リムハイトの場合は、バルブ長 60mm が必要です。
ただし、大抵の場合バルブ長の短いチューブの方が安く売られていたりします。そのため、今回はバルブの長さを足すことができる「バルブ・エクステンダー」を購入しました。Panaracer 製です。

このバルブエクステンダーは、2ピース方式(バルブコアが取り外せるタイプ)のチューブから、取り外したバルブコアを再装着するタイプなので、チューブを選びます。そのため、このバルブエクステンダーが正式対応している Panaracer の2ピースバルブ装着チューブも併せて選んでいます。

エクステンダーの重量は0.9g と軽量。重量積算単位としては1gとしておきます。バルブコアをねじ込む「キー」も付属。使わないときはバルブキャップとしても利用可能です。これも軽量で 0.9g。ただし、今回はこれは重量積算対象にはしません。

【ホイール組み立て】
ホイールの組み立てはあまり詳細には述べません。定番の組み立て方法です。
今回はバルブコアの延長の手順が入りました。写真で紹介します。

(2ピースバルブ)

(バルブコアを抜く)

(エクステンダーを使って、バルブを延長する)

(装着完了)

(私はタイヤパウダーの代わりにベビーパウダーを利用)

(チューブのリムへの噛み込み、ビードの均等装着確認は入念に)
【組み立て完了と最終重量】
一通りホイールが組み立て完了しました。前輪の重量は1,012g。それにクイックシャフト48gを加えると1,060g。

後輪重量は 1181g。後輪クイックシャフト 52g を加えると 1,233g。

ただ、ここでちょっとした小話をします。上記重量は「空気の重量」も含まれています。空気は1Lで約1.3gあります。1気圧の状態では、その思さは大気の浮力と釣り合って中和されるのですが、私の場合、ロードバイクには前輪7気圧、後輪7.5気圧という高圧で空気を入れるため、6~7.5気圧分の「浮力で中和されない」空気の重さがホイールに加算されます。実測したところ、前輪で約7g、後輪で約10gの分の空気がホイール重量、ひいては自転車重量に加算されることになります。
【ホイール完成】
これで、晴れてホイールが完成しました。

つぎにこれをフレームセットに取り付けます。ホイールを取り付けると、すっかり自転車らしくなりました!

この段階での重量を計測してみましょう。理論値では、2,130g(骨格) + 1,060g(前輪) + 1,233g(後輪) = 4,423g です。

ほぼ理論値です。実測値 4,425g。

この測りは精度が±5g ありますので、重量集計の値は、理論値の 4,423g を使います。
【ホイールバランス調整】
最後にホイールバランス調整を行いました。このようにスタンドにクイックシャフトを通したホイールを入れ、ゆっくり手で回して重い点を調べます。

その最も重い点の反対側にセロテープで1円玉(1g)を釣り合うまで貼り付けてゆきます。釣り合った段階で、その1円玉に見合う重さの重りを貼り付ければOK。私はゴルフクラブチューニング用の鉛プレートを使いました。

このようにリムの中央部に貼り付けるようにします。側面に張り付けると回転による遠心力で飛んで行ってしまいます。

【次回】
さて、次回は駆動系のギア関係(スプロケット、ボトムブラケット、クランク)の装着を行います。
【今回までのパーツ】
バイク本体必須パーツ
メンテ用品(今回新規に購入したもの)
【関連ページ】
ICAN サイクリング公式ホームページ
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その0)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その1 フレーム編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その2 コラムカット編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その3 ハンドル・サドル装着編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その4 ホイール装着編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その5 クランク装着編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その6 完成編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その7 アクセサリー・試乗編)
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
せっかくカーボン・ロードバイクを自作するのであれば、そのホイールもカーボン製を奢りたいところです。完成車メーカーから提供されるカーボン・ロードバイクの価格が10万円台に落ちてきたからといって、ホイールまでカーボン製のフルカーボン・ロードバイクの価格が10万円台というのは聞いたことがありません。今回は自作のメリットを生かし、最近極めて低価格で入手可能になってきた中華製のカーボンパーツを使ってフルカーボン・ロードバイクを作ろうとしています。
そこで、ホイール(厳密にはリム)がカーボン素材であるカーボンホイールを購入します。ブランドは、今回購入したフレームブランドと同じ ICAN です。38mm ハイトのカーボンクリンチャーホイールが前後セットで 45,862円、圧巻の低価格です。安かろう悪かろうでは困るのですが評判も悪くありません。

厳重な梱包で到着しました。

付属品はクイックシャフト前後セットとリムテープ。

そしてカーボンリム用ブレーキ・シューが付いていました。

このホイールは11速対応ですが、9~10速のスプロケットを使えるようにする 0.85mm スペーサーもセットされていました。今回はこれは使いません。

梱包を解きました。キズ一つなく、立派な商品です。安物感は全くありません。

QC(品質管理)工程もしっかり整っているようです。

【パーツ重量】
本商品だけでは走行可能ではなく、走行可能にするにはタイヤやチューブなど、各種サブパーツが必要です。今回用意したそれらサブパーツはこちら。タイヤとチューブは Panaracer、リムテープは SHIMANO を選びました。

各種パーツを組み付ける前に「計量」を行います。フロントホイールが 670g。

リアホイールは 837g でした。

商品に付属してきたリムテープは、ナイロンを編み込んだような比較的ソフトタイプ。重量は2本で34.5g。

これに対して、今回利用する SHIMANO のリムテープは 16mm 幅2本で 32.2g でした。

タイヤは Panaracer の RACE A Evo3。比較的軽量の割に耐パンク性能が良く、転がり性能に優れるため、最近は私はこのタイヤを使い続けています。

また、タイヤ幅は最近の主流である 25mm。 25mm のタイヤは 23mm と比べると多少重量が増しますが、 転がり摩擦に優れるため巡行速度維持の面で勝ります。私は今後 23mm のタイヤを使うことはないと思います。

タイヤの重量は一本 241g でした。

クイックシャフトの重量も測ります。前輪用は 48g。

後輪用は 52g でした。

チューブの重量は 77g でした。

【Panaracer バルブエクステンダー】
今回購入したカーボンホイールは 38mm ハイトのリムが付いています。38mm と言っても、カテゴリーとしては「ディープリム」に属するため、通常の長さのバルブ長を持つチューブでは、バルブ先端が十分に突出しない状況になっています。おそらく、38mm リムハイトの場合は、バルブ長 60mm が必要です。
ただし、大抵の場合バルブ長の短いチューブの方が安く売られていたりします。そのため、今回はバルブの長さを足すことができる「バルブ・エクステンダー」を購入しました。Panaracer 製です。

このバルブエクステンダーは、2ピース方式(バルブコアが取り外せるタイプ)のチューブから、取り外したバルブコアを再装着するタイプなので、チューブを選びます。そのため、このバルブエクステンダーが正式対応している Panaracer の2ピースバルブ装着チューブも併せて選んでいます。

エクステンダーの重量は0.9g と軽量。重量積算単位としては1gとしておきます。バルブコアをねじ込む「キー」も付属。使わないときはバルブキャップとしても利用可能です。これも軽量で 0.9g。ただし、今回はこれは重量積算対象にはしません。

【ホイール組み立て】
ホイールの組み立てはあまり詳細には述べません。定番の組み立て方法です。
- リムテープを嵌める
- タイヤの内側にタイヤパウダーを塗る
- リムにタイヤを片側だけ入れる
- チューブに少々空気を入れ輪になるようにする
- チューブにもまんべんなくタイヤパウダーを塗る
- バルブ穴を合わせてバルブからタイヤの内側にチューブをタイヤの中に入れ、なじませる
- タイヤチューブの空気を必要に応じて抜き、なるべく素手で(タイヤレバーを使わずに)残りのタイヤのビード部をリムに押し込む
- チューブがタイヤ内に正常に収まっているか確認する
- タイヤのビード部分が均一に奥までリムに嵌っているか確認する
- 空気を軽く入れる
- タイヤが不均一になっていないか確認する
- 念のためもう一度空気を抜く
- ゆっくりと空気を入れてゆく
- 適正圧力まで空気を入れる
今回はバルブコアの延長の手順が入りました。写真で紹介します。

(2ピースバルブ)

(バルブコアを抜く)

(エクステンダーを使って、バルブを延長する)

(装着完了)

(私はタイヤパウダーの代わりにベビーパウダーを利用)

(チューブのリムへの噛み込み、ビードの均等装着確認は入念に)
【組み立て完了と最終重量】
一通りホイールが組み立て完了しました。前輪の重量は1,012g。それにクイックシャフト48gを加えると1,060g。

後輪重量は 1181g。後輪クイックシャフト 52g を加えると 1,233g。

ただ、ここでちょっとした小話をします。上記重量は「空気の重量」も含まれています。空気は1Lで約1.3gあります。1気圧の状態では、その思さは大気の浮力と釣り合って中和されるのですが、私の場合、ロードバイクには前輪7気圧、後輪7.5気圧という高圧で空気を入れるため、6~7.5気圧分の「浮力で中和されない」空気の重さがホイールに加算されます。実測したところ、前輪で約7g、後輪で約10gの分の空気がホイール重量、ひいては自転車重量に加算されることになります。
【ホイール完成】
これで、晴れてホイールが完成しました。

つぎにこれをフレームセットに取り付けます。ホイールを取り付けると、すっかり自転車らしくなりました!

この段階での重量を計測してみましょう。理論値では、2,130g(骨格) + 1,060g(前輪) + 1,233g(後輪) = 4,423g です。

ほぼ理論値です。実測値 4,425g。

この測りは精度が±5g ありますので、重量集計の値は、理論値の 4,423g を使います。
【ホイールバランス調整】
最後にホイールバランス調整を行いました。このようにスタンドにクイックシャフトを通したホイールを入れ、ゆっくり手で回して重い点を調べます。

その最も重い点の反対側にセロテープで1円玉(1g)を釣り合うまで貼り付けてゆきます。釣り合った段階で、その1円玉に見合う重さの重りを貼り付ければOK。私はゴルフクラブチューニング用の鉛プレートを使いました。

このようにリムの中央部に貼り付けるようにします。側面に張り付けると回転による遠心力で飛んで行ってしまいます。

【次回】
さて、次回は駆動系のギア関係(スプロケット、ボトムブラケット、クランク)の装着を行います。
【今回までのパーツ】
バイク本体必須パーツ
パーツ名 | 製品名 | 購入価格 | 重量 |
---|---|---|---|
フレームセット(ヘッドパーツ込) | ICAN 2017-AC18 | 52,870円 | 1,451g (コラムカット後) |
カーボンステム | RXL SL ロード自転車カーボンステム | 3,229円 | 137g |
スペーサー | カーボンファイバー製自転車 スペーサー5個セット | 460円 | 24g |
ハンドル | RXL SL カーボン ハンドル | 5,359円 | 184g |
シート | zroot超軽量フルカーボンサドル | 3,000円 | 125g |
シートポスト | RXL SL シートポストRXL1701 | 3,799円 | 195g |
シートクランプ | カーボン シートクランプ 34.9mm龜旅 | 1,560円 | 14g |
前後ホイール(クイックシャフト込) | ICANカーボン38mm深 クリンチャーホイールセット | 45,862円 | 1,607g |
リムテープ(2本) | シマノロード用リムテープ700cx16mm(2本入) | 798円 | 32g |
タイヤチューブ(2本) | Panaracerチューブ R'AIR 700x23~28C] 2ピースバルブ仏式34mm | 3,176円 | 153g |
タイヤ(2本) | Panaracer RACE A EVO3 700×25C ブラック | 9,072円 | 482g |
バルブ・エクステンダー(2本セット) | Panaracerバルブエクステンダー2本セット [20mm] | 1,436円 | 2g |
タイヤ内空気 | 前輪7気圧、後輪7.5気圧 | 0円 | 17g |
バランスウエイト | DAIYAバランス調整鉛(2セット) | 600円 | 17g |
合計 | 131,221円 | 4,440g |
メンテ用品(今回新規に購入したもの)
用品 | 製品名 | 購入価格 |
---|---|---|
メンテスタンド | 【World box】自転車メンテナンススタンド | 6,980円 |
自転車用ガラス系コーティング剤 | AZ BCT-001 アクアシャインコート | 980円 |
クリーニングキット | AZ 自転車オールメンテナンス5点セット | 2,329円 |
マイクロファイバークロス | レック 激落ちマイクロファイバー 10枚入 | 534円 |
吊り下げ計り | Philonext 荷物はかり | 839円 |
コラムカット用金ノコ | Z ハイスパイマン | 1,170円 |
ソーガイド | GIZA PRODUCTSソーガイダー ブルーチェック | 1,814円 |
万力 | エンジニア アンヴィルバイス TV-12 | 1,963円 |
合計 | 16,609円 |
【関連ページ】
ICAN サイクリング公式ホームページ
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その0)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その1 フレーム編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その2 コラムカット編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その3 ハンドル・サドル装着編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その4 ホイール装着編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その5 クランク装着編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その6 完成編)
納得の予算で納得のフルカーボンロードバイクを組み立てる(その7 アクセサリー・試乗編)
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: 自転車・アウトドア
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