SHIMANO RS21 のフリーホイールユニットをグリスアップする
2018.08.05/Sun/22:33:08
【SHIMANO RS21 クリンチャーホイール】
RS21 は約4年前に購入した完組ホイールです。前後で2万円程度という価格帯では断トツのパフォーマンス。エアロスポークで前16本、後20本のスポーク構成は、見た目も精悍で気に入っていました。

購入後ずっと使い続けていますが、どうも最近、ペダルを止めたフリー空転時に「ゴロンゴロン」というフリーが唸るような音が聞こえ始めました。どうやらフリー内のラチェットがうまく動かず、共振しているような雰囲気です。下りの坂道などで内部のラチェットが分解するのは非常に危険だと思われ、このまま使い続けるのはまずいと思いました。

思い起こせば、メンテナンス時にフリーユニットにふんだんにパーツクリーナーを噴射し、油脂分を落として清掃していました。しかし、フリー内部には全く油脂を補給していません。そんなメンテを続けた結果、フリーユニット内部の油脂が、パーツクリーナーで、すべて流れ出てしまい、油脂分ゼロの状態になってしまった可能性が高いと考えました。
そこで、今回はフリー内部のラチェット機構にグリスアップを行うべく、フリーユニット部の着脱をする決意をしました。
【フリーユニットの取り外し】
フリーユニットの取り外しは、購入以来初めてです。まずはカセットスプロケットを外します。

スプロケを外すと、このようにフリーユニットがむき出しになります。この段階で、パーツクリーナーをふんだんに噴射していました。

このフリーユニットを取り外すためには、ハブシャフトを抜く必要があります。ハブコーンレンチとスパナを使って、ハブシャフトの片側(フリーユニットの反対側)のナットを取り外してハブシャフトを抜きます。

ハブシャフトを抜くと、ベアリングボールが見えてきます。このベアリングはリテーナーなどはありませんので、この段階(ハブシャフトを抜いた段階)から脱落や紛失に注意が必要です。

次に、ベアリングボールやボール押さえを取り外してしまいます。ベアリングボールは片側9個。紛失しないようトレーに集約し、合計18個のボールがあることを確認してから次の作業に移ります。

ベアリングボールを外すとフリーユニットが外せます。これを固定しているのは中央のスリーブ。極太の10mmの六角レンチで外します。自転車の整備では、10mmの六角レンチはまず使いません。フリーを外す決意をしたのであれば、10mmの六角レンチがあることを確認しましょう。

このフリーを外すためのレンチの回転方向は通常ねじと同じく反時計回り。タイヤを立てて、レンチに軽く体重を掛ければ緩みました。この緩んだ時の感触を覚えておいて、取付時に生かします。
【フリーユニットのグリスアップ】

フリーユニットの反対側はこのようになっています。ハブに噛み込む逆花びら型の突起。その周囲にシーリングキャップがはめ込まれています。

このシーリングキャップの裏側にラチェット機構が存在しています。恐らく、この中がたび重なるパーツクリーナーの洗礼によりカラカラになっていると思われます。シーリングキャップを外すべく、付け焼刃でこんなものを揃えてみました。

コンパスの針や精密ドライバーでシーリングキャップの裏側からキャップを引き起こし、キャップの取り外しをもくろみましたが、どうもうまくいきません。ここは気合一発かもしれませんが、力を入れ過ぎてシールを破壊してしまうと、フリーユニットの交換になりかねません。そこでシーリングキャップの取り外しはあきらめました。

かと言って、反対側のこの部分を取り外して、フリーユニットの分解はもっとリスクが高そうです。そもそも、この部分を取り外す工具がありません。

そこで、やむなく内部にグリスを「注入する」ことにしました。

細いニードルを持つスプレーグリス缶を使って、グリスを外から注入することにしました。

注入箇所を替えながらスプレーグリスを充填。これを繰り返してまんべんなくグリスを詰め込みます。

あとは余分なグリスを拭き取った後、スリーブを時計回りに体重をかけて締め込み、フリーユニットを後輪ハブに再度装着します。

最後に、スプロケットを取り付けて完成です。作業の甲斐あって、ペダリングしないフリー空転時、ラチェットが暴れるような音と感触は解消しました。

一時は、フリーユニットのパーツ交換かと腹をくくりましたが、何とかメンテナンスで延命できました。これからも大事に使っていきたいと思います。
【関連ページ】
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
RS21 は約4年前に購入した完組ホイールです。前後で2万円程度という価格帯では断トツのパフォーマンス。エアロスポークで前16本、後20本のスポーク構成は、見た目も精悍で気に入っていました。

購入後ずっと使い続けていますが、どうも最近、ペダルを止めたフリー空転時に「ゴロンゴロン」というフリーが唸るような音が聞こえ始めました。どうやらフリー内のラチェットがうまく動かず、共振しているような雰囲気です。下りの坂道などで内部のラチェットが分解するのは非常に危険だと思われ、このまま使い続けるのはまずいと思いました。

思い起こせば、メンテナンス時にフリーユニットにふんだんにパーツクリーナーを噴射し、油脂分を落として清掃していました。しかし、フリー内部には全く油脂を補給していません。そんなメンテを続けた結果、フリーユニット内部の油脂が、パーツクリーナーで、すべて流れ出てしまい、油脂分ゼロの状態になってしまった可能性が高いと考えました。
そこで、今回はフリー内部のラチェット機構にグリスアップを行うべく、フリーユニット部の着脱をする決意をしました。
【フリーユニットの取り外し】
フリーユニットの取り外しは、購入以来初めてです。まずはカセットスプロケットを外します。

スプロケを外すと、このようにフリーユニットがむき出しになります。この段階で、パーツクリーナーをふんだんに噴射していました。

このフリーユニットを取り外すためには、ハブシャフトを抜く必要があります。ハブコーンレンチとスパナを使って、ハブシャフトの片側(フリーユニットの反対側)のナットを取り外してハブシャフトを抜きます。

ハブシャフトを抜くと、ベアリングボールが見えてきます。このベアリングはリテーナーなどはありませんので、この段階(ハブシャフトを抜いた段階)から脱落や紛失に注意が必要です。

次に、ベアリングボールやボール押さえを取り外してしまいます。ベアリングボールは片側9個。紛失しないようトレーに集約し、合計18個のボールがあることを確認してから次の作業に移ります。

ベアリングボールを外すとフリーユニットが外せます。これを固定しているのは中央のスリーブ。極太の10mmの六角レンチで外します。自転車の整備では、10mmの六角レンチはまず使いません。フリーを外す決意をしたのであれば、10mmの六角レンチがあることを確認しましょう。

このフリーを外すためのレンチの回転方向は通常ねじと同じく反時計回り。タイヤを立てて、レンチに軽く体重を掛ければ緩みました。この緩んだ時の感触を覚えておいて、取付時に生かします。
【フリーユニットのグリスアップ】

フリーユニットの反対側はこのようになっています。ハブに噛み込む逆花びら型の突起。その周囲にシーリングキャップがはめ込まれています。

このシーリングキャップの裏側にラチェット機構が存在しています。恐らく、この中がたび重なるパーツクリーナーの洗礼によりカラカラになっていると思われます。シーリングキャップを外すべく、付け焼刃でこんなものを揃えてみました。

コンパスの針や精密ドライバーでシーリングキャップの裏側からキャップを引き起こし、キャップの取り外しをもくろみましたが、どうもうまくいきません。ここは気合一発かもしれませんが、力を入れ過ぎてシールを破壊してしまうと、フリーユニットの交換になりかねません。そこでシーリングキャップの取り外しはあきらめました。

かと言って、反対側のこの部分を取り外して、フリーユニットの分解はもっとリスクが高そうです。そもそも、この部分を取り外す工具がありません。

そこで、やむなく内部にグリスを「注入する」ことにしました。

細いニードルを持つスプレーグリス缶を使って、グリスを外から注入することにしました。

注入箇所を替えながらスプレーグリスを充填。これを繰り返してまんべんなくグリスを詰め込みます。

あとは余分なグリスを拭き取った後、スリーブを時計回りに体重をかけて締め込み、フリーユニットを後輪ハブに再度装着します。

最後に、スプロケットを取り付けて完成です。作業の甲斐あって、ペダリングしないフリー空転時、ラチェットが暴れるような音と感触は解消しました。

一時は、フリーユニットのパーツ交換かと腹をくくりましたが、何とかメンテナンスで延命できました。これからも大事に使っていきたいと思います。
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: 自転車・アウトドア
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