小田急線立体交差事業
2009.09.22/Tue/23:29:47
【小田急線立体交差事業】
小田急線は、線路の高架化やトンネル化などの方式で立体交差化を進めています。立体交差化は踏切がなくなったり高架下の部分に駐輪場や保育所、その他施設を整備できたりして有益なことが多いです。ただし良いことばかりではありません。コストがかかります。小田急線は立体交差化と複々線化を合わせて進めていますので、線路を4本並べることができない区間は用地調整のコストがまずかかります。また、立体交差の2つの選択肢である高架化と地下化についての選択の問題もあります。一般に高架化と地下化では高架化の法がコストが安いですが、高架化は沿線住民の理解が得られないところや景観上問題が生じるところには適用するのが困難な場合があります。そのような場合にはコスト上昇を覚悟して地下化を選択することになります。
今まで小田急線が立体交差化を図ってきた区間は多くありますが、高架化を基本とし、地下化にせざるを得ない区間や地下化の方がメリットが高い区間は地下化としています。地下化の代表的区間は成城学園前前後と、今回紹介する東北沢~世田谷代田間です。線路を地下に埋めることは高架化よりもコストがかかりますが、その分線路上の土地を丸々利用できることになり、成城学園前や下北沢など路線価格が高く商業価値が高い区間では線路や駅自体の地下埋設という手法が採られているようです。
小田急は10年以上前から立体交差事業を進めていて、下北沢駅を地下に埋設する東北沢~世田谷代田間の工事は、そのフィナーレとも言える大規模なものです。
小田急線の立体交差事業(東北沢~世田谷代田間等)についての公式ページはこちら。
【下北沢駅の情報ステーション】
下北沢駅の改札を出てすぐ左(南口方面)に「シモチカナビ」という小田急線地下化工事情報ステーションがあります。立体交差事業の情報発信をしているアンテナスポットです。

中は展示物(掲示板、模型、その他展示)と大画面スクリーンのあるこじんまりとしたスペースで、受付のお姉さんが一人いて、必要な場合は解説してもらえます。
この下北沢が含まれる区間は、なるべく地上部分への影響を少なくして工事を行いたいと言うニーズから「シールド工法」が採られています。シールドマシンというモグラのような機械が地中を掘り進み、トンネルを作ってゆく工法です。シールド工法は、シールドマシンだけではなく、トンネルの一部となる「セグメント」と呼ばれる部材の組み付け・搬送を行う設備、シールドマシンが削り取った土砂を水に混ぜて搬出する泥水パイプラインなどが一体化した、一種の工場のような施設です。

これが、ここで使われているシールドマシンの模型です。

この工事が完成すると下北沢駅は地下駅となります。これが展示されていたジオラマの下北沢部分の写真です。現在の下北沢は非常に密度が高い地域で、まとまった土地が極めて取りづらい地域です。そこにこの工事の結果、駅の真上に広大な土地が出現することになります。恐らく小田急が駅ビルを建てるのでしょうが、その駅ビルの利用価値は甚大だと思います。

シールドマシンは1台で上りと下りの両方のトンネルを作ります(片道 645m)。 2008年6月28日から上り線路のトンネルを掘り進み、2009年2月18日に折り返し地点まで到達しました(240日)。そこでシールドマシンを一旦分解して回転させ、下りを掘り始めたのが 2009年4月20日。2009年9月15日現在(148日)、559m を掘ったところということです(1日あたり約3.8m)。このペースで行くと、10月7日頃、シールドマシンによるトンネル堀りの工程が終了する計算となります。

これは工事事務所が提供した今後3ヶ月の工事進行予定。せっかく写真を撮らせてもらったので参考として掲示します。

利用している鉄道路線が近代化するのは、やはりうれしいものですね。計画開始からは数十年の月日が経ているので期待も膨らみます。完成は 2013年だそうですが、待ち遠しいです。
【関連記事】
小田急線立体交差(その2)
-----
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。
小田急線は、線路の高架化やトンネル化などの方式で立体交差化を進めています。立体交差化は踏切がなくなったり高架下の部分に駐輪場や保育所、その他施設を整備できたりして有益なことが多いです。ただし良いことばかりではありません。コストがかかります。小田急線は立体交差化と複々線化を合わせて進めていますので、線路を4本並べることができない区間は用地調整のコストがまずかかります。また、立体交差の2つの選択肢である高架化と地下化についての選択の問題もあります。一般に高架化と地下化では高架化の法がコストが安いですが、高架化は沿線住民の理解が得られないところや景観上問題が生じるところには適用するのが困難な場合があります。そのような場合にはコスト上昇を覚悟して地下化を選択することになります。
今まで小田急線が立体交差化を図ってきた区間は多くありますが、高架化を基本とし、地下化にせざるを得ない区間や地下化の方がメリットが高い区間は地下化としています。地下化の代表的区間は成城学園前前後と、今回紹介する東北沢~世田谷代田間です。線路を地下に埋めることは高架化よりもコストがかかりますが、その分線路上の土地を丸々利用できることになり、成城学園前や下北沢など路線価格が高く商業価値が高い区間では線路や駅自体の地下埋設という手法が採られているようです。
小田急は10年以上前から立体交差事業を進めていて、下北沢駅を地下に埋設する東北沢~世田谷代田間の工事は、そのフィナーレとも言える大規模なものです。
小田急線の立体交差事業(東北沢~世田谷代田間等)についての公式ページはこちら。
【下北沢駅の情報ステーション】
下北沢駅の改札を出てすぐ左(南口方面)に「シモチカナビ」という小田急線地下化工事情報ステーションがあります。立体交差事業の情報発信をしているアンテナスポットです。

中は展示物(掲示板、模型、その他展示)と大画面スクリーンのあるこじんまりとしたスペースで、受付のお姉さんが一人いて、必要な場合は解説してもらえます。
この下北沢が含まれる区間は、なるべく地上部分への影響を少なくして工事を行いたいと言うニーズから「シールド工法」が採られています。シールドマシンというモグラのような機械が地中を掘り進み、トンネルを作ってゆく工法です。シールド工法は、シールドマシンだけではなく、トンネルの一部となる「セグメント」と呼ばれる部材の組み付け・搬送を行う設備、シールドマシンが削り取った土砂を水に混ぜて搬出する泥水パイプラインなどが一体化した、一種の工場のような施設です。

これが、ここで使われているシールドマシンの模型です。

この工事が完成すると下北沢駅は地下駅となります。これが展示されていたジオラマの下北沢部分の写真です。現在の下北沢は非常に密度が高い地域で、まとまった土地が極めて取りづらい地域です。そこにこの工事の結果、駅の真上に広大な土地が出現することになります。恐らく小田急が駅ビルを建てるのでしょうが、その駅ビルの利用価値は甚大だと思います。

シールドマシンは1台で上りと下りの両方のトンネルを作ります(片道 645m)。 2008年6月28日から上り線路のトンネルを掘り進み、2009年2月18日に折り返し地点まで到達しました(240日)。そこでシールドマシンを一旦分解して回転させ、下りを掘り始めたのが 2009年4月20日。2009年9月15日現在(148日)、559m を掘ったところということです(1日あたり約3.8m)。このペースで行くと、10月7日頃、シールドマシンによるトンネル堀りの工程が終了する計算となります。

これは工事事務所が提供した今後3ヶ月の工事進行予定。せっかく写真を撮らせてもらったので参考として掲示します。

利用している鉄道路線が近代化するのは、やはりうれしいものですね。計画開始からは数十年の月日が経ているので期待も膨らみます。完成は 2013年だそうですが、待ち遠しいです。
【関連記事】
小田急線立体交差(その2)
-----
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。
カテゴリ: その他
go page top
« 「麦とホップ」コンビニキャンペーン、当たりました
ポルシェ911ターボ vs 日産GT-R »
この記事に対するコメント
go page top
トラックバック
承認制としています。無関係なものは承認されない場合があります。
トラックバックURL
→https://ace.reviewmagic.jp/tb.php/76-b2333811
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→https://ace.reviewmagic.jp/tb.php/76-b2333811
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| h o m e |