電動自転車「ヤマハ PAS」のスタンドを交換する
2018.02.12/Mon/16:24:54
【ヤマハ PAS リチウムS】
10年以上前から私の妻が使っている自転車です。ここ世田谷は坂が多い場所です。ここに引っ越してきた際、私の両親に「電動アシスト自転車でないと苦労する」と言ったところ、引っ越し祝いに買ってくれました。当時9万円以上した高級品です。幸い目立った故障せず、ずっと働いてくれています。

【スタンド不調】
数か月前から、この自転車の「スタンドが上げられない!」という妻からの声が。

「どれどれ」と見てみると、スタンドを挙げる際、その「ロック」が勝手に戻ってしまい、ロックが解除できず、スタンドが上げられないという事態だということがわかりました。

なぜかというと、通常は、ロックを解除すると、そのロックは、ばねが縮む力でアンロック側に安定する位置に定着するのですが、このスタンド・ロックはロックのばねの取り付け位置とロックの支点がなぜか「ほぼ一直線」になっています。このためロックが戻ってしまうことになることがわかりました。では、なぜこうなってしまったのかまでは踏み込みませんでした。恐らく、経年変化でどこかが曲がったりねじれたりしたのでしょう。

【スタンド新規調達】
リスクと労力のかかる鉄鋼作業でスタンドを直すより、新しいスタンドを買うことを選択しました。「昭和インダストリーズ W13SW アシスト機構/自動ロック機構付両立スタンド
」です。26インチ用。妻によると、電動アシスト自転車には普通のスタンドが「付かない」とか、「手間がかかる」という話を、サイクルベースあさひのお兄さんが話していたらしく、多少不安がありましたが、ネット検索すると電動アシスト自転車への取付実績もあるようなので、腹をくくって注文しました。

標準装備品よりもワイドタイプ。安定感がある一方、標準品よりも大ぶりなので重量はあるでしょうね。でもママチャリ電動自転車です。元々が重いので誤差として気にしないことにします。

【旧スタンド取り外し】
まずは、旧スタンドがどのように付いているのか、どうすれば外せるのか観察します(これ大事)。左側は15mmの非対称ナットです。

右側には変速機構の補器が付いています。カバーを外さないと良く分かりませんね。

そこで、カバーを外します。

ビス一本で簡単に外れますが、外した部品は、このようにトレーにまとめておくのが良いですね。部品をなくさないようにという意味もありますが、「部品のはめ残しが無いように」という意味で重要です。

左車軸側のナットを外します。このときに、各パーツが差し込まれていた「順序」を記録します。外側から「ナット」、「ワッシャー」、「リアキャリアステー」、「泥よけステー」の順です。ワッシャーには向きがあり、ギザギザの付いた方が内側でした。

泥よけステーを外すと、内装変速機ならではの「ロックワッシャー」がさらに内側にありました。スタンドはフレームのリアテールエンドに直接触れる最も内側ということでした。


右側の車軸ナットを外す前に、変速ポジションを「1」(もっとも軽いギア)にします。

なぜギアポジションを「1」にするかという理由が下記の写真です。この自転車の変速機は SHIMANO 製の内装3速ギア「NEXUS」です。ローノーマルのため、車軸の中心にあるピンを押し込むに連れてギアポジションが上がって行きます。1にするのは、なるべくピン押し込みのフラップを開き、ピンとフラップとのクリアランスを取るためです。

(ポジション「1」のクリアランス)

(ポジション「2」のクリアランス)

(ポジション「3」のクリアランス)
ここでも、各部品の取り付け順序は記録しておきます。外側から順に「変速機構カバー」、「ナット」、「ワッシャー」、「リアキャリア・ステー」、「泥よけステー」、「変速機構台座」、「スタンド」の順です。

右側はメガネレンチが使えないので、スパナ側を使ってナットを緩めます。

右側の車軸もナットや部品が外れました。

この段階でも、スタンドは車軸や後輪荷重を受け止める構造になっているので、自転車が倒れる心配はありません。しかし、次の作業は「スタンドの取り外し」です。スタンドを取り外すと自立できなくなるので、スタンドを取る前に、このように自転車を壁際に立てかけるなど、転倒防止対策が必要です。

かくして、無事に古いスタンドが外れました。電動自転車だからといって、それほど複雑な作業はありません。変速機構カバーの取り外しと、変速機構ベースの取り外しが加わるだけです。恐れる必要はありません。

【新しいスタンドの取り付け】
新しいスタンドの取り付けは、取り外しの逆の工程です。まずは、スタンドを車軸を挟むように取り付けます。

あとは、どちらの車軸も、元と同様な順序で車軸に部品(ステー)を通し、組み立てを進めます。車軸ナットはある程度の力で締め込みますが、その前に、スタンドの取付角度を確認し、スタンドの「ツメ」がリヤエンドフレームのしかるべき位置に収まっていることを確認します。その意味で、車軸ナットは、最初は手で回すことをお勧めします。

各部品の位置決めが万全ならば、スパナを使って車軸ナットを締め込みます。

最後は、右側の変速機構カバーを取り付けます。

【完成】
完成です。大ぶりなママチャリ電動アシスト自転車なので、このぐらいの大きさのスタンドはバランス上全く問題ありません。スタンドの上げ下ろしもスムーズで問題なし。一件落着しました。ちなみに、作業時間は約30分。自転車の整備としては「軽作業」のランクでしょう。

【関連ページ】
ローラーブレーキへの専用グリスの補給
バンドブレーキをサーボブレーキに取り換え
ディアリオのフロントブレーキ換装
子供用自転車のバンドブレーキをサーボブレーキに取り替え
-----
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
10年以上前から私の妻が使っている自転車です。ここ世田谷は坂が多い場所です。ここに引っ越してきた際、私の両親に「電動アシスト自転車でないと苦労する」と言ったところ、引っ越し祝いに買ってくれました。当時9万円以上した高級品です。幸い目立った故障せず、ずっと働いてくれています。

【スタンド不調】
数か月前から、この自転車の「スタンドが上げられない!」という妻からの声が。

「どれどれ」と見てみると、スタンドを挙げる際、その「ロック」が勝手に戻ってしまい、ロックが解除できず、スタンドが上げられないという事態だということがわかりました。

なぜかというと、通常は、ロックを解除すると、そのロックは、ばねが縮む力でアンロック側に安定する位置に定着するのですが、このスタンド・ロックはロックのばねの取り付け位置とロックの支点がなぜか「ほぼ一直線」になっています。このためロックが戻ってしまうことになることがわかりました。では、なぜこうなってしまったのかまでは踏み込みませんでした。恐らく、経年変化でどこかが曲がったりねじれたりしたのでしょう。

【スタンド新規調達】
リスクと労力のかかる鉄鋼作業でスタンドを直すより、新しいスタンドを買うことを選択しました。「昭和インダストリーズ W13SW アシスト機構/自動ロック機構付両立スタンド

標準装備品よりもワイドタイプ。安定感がある一方、標準品よりも大ぶりなので重量はあるでしょうね。でもママチャリ電動自転車です。元々が重いので誤差として気にしないことにします。

【旧スタンド取り外し】
まずは、旧スタンドがどのように付いているのか、どうすれば外せるのか観察します(これ大事)。左側は15mmの非対称ナットです。

右側には変速機構の補器が付いています。カバーを外さないと良く分かりませんね。

そこで、カバーを外します。

ビス一本で簡単に外れますが、外した部品は、このようにトレーにまとめておくのが良いですね。部品をなくさないようにという意味もありますが、「部品のはめ残しが無いように」という意味で重要です。

左車軸側のナットを外します。このときに、各パーツが差し込まれていた「順序」を記録します。外側から「ナット」、「ワッシャー」、「リアキャリアステー」、「泥よけステー」の順です。ワッシャーには向きがあり、ギザギザの付いた方が内側でした。

泥よけステーを外すと、内装変速機ならではの「ロックワッシャー」がさらに内側にありました。スタンドはフレームのリアテールエンドに直接触れる最も内側ということでした。


右側の車軸ナットを外す前に、変速ポジションを「1」(もっとも軽いギア)にします。

なぜギアポジションを「1」にするかという理由が下記の写真です。この自転車の変速機は SHIMANO 製の内装3速ギア「NEXUS」です。ローノーマルのため、車軸の中心にあるピンを押し込むに連れてギアポジションが上がって行きます。1にするのは、なるべくピン押し込みのフラップを開き、ピンとフラップとのクリアランスを取るためです。

(ポジション「1」のクリアランス)

(ポジション「2」のクリアランス)

(ポジション「3」のクリアランス)
ここでも、各部品の取り付け順序は記録しておきます。外側から順に「変速機構カバー」、「ナット」、「ワッシャー」、「リアキャリア・ステー」、「泥よけステー」、「変速機構台座」、「スタンド」の順です。

右側はメガネレンチが使えないので、スパナ側を使ってナットを緩めます。

右側の車軸もナットや部品が外れました。

この段階でも、スタンドは車軸や後輪荷重を受け止める構造になっているので、自転車が倒れる心配はありません。しかし、次の作業は「スタンドの取り外し」です。スタンドを取り外すと自立できなくなるので、スタンドを取る前に、このように自転車を壁際に立てかけるなど、転倒防止対策が必要です。

かくして、無事に古いスタンドが外れました。電動自転車だからといって、それほど複雑な作業はありません。変速機構カバーの取り外しと、変速機構ベースの取り外しが加わるだけです。恐れる必要はありません。

【新しいスタンドの取り付け】
新しいスタンドの取り付けは、取り外しの逆の工程です。まずは、スタンドを車軸を挟むように取り付けます。

あとは、どちらの車軸も、元と同様な順序で車軸に部品(ステー)を通し、組み立てを進めます。車軸ナットはある程度の力で締め込みますが、その前に、スタンドの取付角度を確認し、スタンドの「ツメ」がリヤエンドフレームのしかるべき位置に収まっていることを確認します。その意味で、車軸ナットは、最初は手で回すことをお勧めします。

各部品の位置決めが万全ならば、スパナを使って車軸ナットを締め込みます。

最後は、右側の変速機構カバーを取り付けます。

【完成】
完成です。大ぶりなママチャリ電動アシスト自転車なので、このぐらいの大きさのスタンドはバランス上全く問題ありません。スタンドの上げ下ろしもスムーズで問題なし。一件落着しました。ちなみに、作業時間は約30分。自転車の整備としては「軽作業」のランクでしょう。

【関連ページ】
ローラーブレーキへの専用グリスの補給
バンドブレーキをサーボブレーキに取り換え
ディアリオのフロントブレーキ換装
子供用自転車のバンドブレーキをサーボブレーキに取り替え
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: 自転車・アウトドア
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