エントリータイプの8速ロードバイクを9速にグレードアップ
2017.05.31/Wed/22:05:27
【STIレバー破損】
私のロードバイクのコンポーネントは SHIMANO 2300 系。正統的ロードバイクとしては最も下位グレードのパーツで構成されていると考えてよいと思います。8速です。8速でも12-25Tのスプロケットはそれなり細やかな変速ができて満足していました。
しかし、寄る年波には勝てず、STIレバーに亀裂が生じてしまいました。

STI レバーはブレーキと変速を司る自転車の速度制御(安全性)の「要」です。このパーツに根幹的な不具合が発生したら、直すしかありません。したがって、STIレバーの交換を模索し始めました。
【Tiagra 4400系】
そこで、9速の 4400 系ティアグラを格安で調達できたので…

この際、9速にグレードアップをもくろみました。それに合わせて新品で調達したパーツがこちら。9速にすると、チェーンとスプロケットは互換性がなくなります。リアディレイラーは、上位バージョンだとキャパシティが不足し、峠やツーリング用の32Tのリアスプロケットが装着できなくなります。幸いにも、現行リアディレイラー(SORA RD3500-SS)は、9速対応なので、そのまま使うことにしました。また、Tiagra のクランクセットはスクエア・テーパーではなく、ホローテックであるため、ボトムブラケット(BB)も交換が必要となります。シフトケーブルやバーテープ、ホローテックBB取付用工具などが必要となります。

これが最後の ST-2300系8速の最後の姿。

まずは、STIを取り外します。

次は BB の取り外しです。まずクランクを取り外し…。

次にスクエア・テーパーBBを取り外します。

取り外したスクエア・テーパー型BBユニットは最近取り換えた BB-UN53 です。1ヶ月に満たずに取替となりました。

BB が外れました。今回取り付ける BB はホローテック・タイプ。ボトムブラケット・ケースの側面接点の垂直性が問われる BB です。幸いにも、この MERIDA のフレームは、私の買ったエントリーモデルでもちゃんと BB 側面のフェイシング処理が行われていました。

今回調達した BB はアルテグラ・グレードの SM-BBR60。これをBBケースにねじ込みます。

工具で締め込む前に、自分の手で入るところまでねじ込みます。


しっかり締め込むにはこれ。ホローテック専用工具を使います。初期のホローテックでは、樹脂のBBに直接金属工具が当たるため、BBに傷が付くなどのクレームが発生したとのこと。その声を受けて、最近は BB 径をホローテック純正工具よりも小径化。その分、工具に取り付ける樹脂製アタッチメントを BB に添付するようになりました。

こうすることで、金属部分が直接 BB に当たることがなくなり、 BB に傷が付くことがなくなりました。良い考えですね。

まずは左側の BB を締め込みます。この左側の締め込み方向は「時計回り」です。

次に右側の BB を取り付けます。

右側の BB の締め込み方向は反時計回りです。

BB が付いたので、次はクランクセットです。BB の規格にぴったり合った、24mm 径のクランクシャフトを今取り付けた BB に通します。最近の工業製品の精度は凄まじく、本当にぴったり貫通します。

次は、左側クランクの取り付けです。

このシマノのホローテックⅡ、前方スプロケクランク反対側のシャフトには、取付角度保全のため、一部切り欠きが広くなっている部分があり、不正な角度で取り付けができないように設計されています。

クランク側も、このように抜け止めのピンが配されていて、不用意にクランクが抜けないように配慮されています。

この左側のクランクの取り付けトルクは12-15N。結構な力で締め付ける必要があります。

そのため、通常利用される L字型の六角レンチではなく、ハンドルタイプの 5mm の六角レンチを使って締め込みます。


最後は、この樹脂製のキャップを付ければ BB、クランク周りは完了。

パークツールのボトムブラケット・ツールに付属しているキャップ回しツールで樹脂製キャップを固定します。このパークツールのBBツールがあれば、SHIMANO TL-FC16
は不要です。
さて、次は STIレバーの取り付けです。

今回は、今まで使っていたシフトケーブルをインナーとアウターどちらも SHIMANO PTFE タイプのものに交換しています。

STI レバーの取り付けが完了後は、チェーンを取り付けます。8速のチェーンと9速のチェーンでは互換性がありません。SHIMANO の CN-HG93
を新規調達しています。
これで、バーテープを残してほぼ完成。9速化が完了しました。

最後にバーテープを巻きます。今回使ったのは極めて一般的なコルクタイプのもの。

ようやく9速化完成。なんだかんだで完成まで3日かかりました。

【感想】
2300系から 4400系に変えて感じた主な点は下記2点です。
まず、今までのスクエア・テーパー型と比べ、ホローテックの BB は、「剛性の格が違う」と感じました。BBの有効長いっぱいを使い、フロントクランク軸も24mmに口径増大され、精密に組み上げられたホローテックⅡBBは、今まで使っていたスクエア・テーパー型BBとは、なめらかさと安定感、剛性感がまったくちがいました。
フロントシフトは素晴らしくフィーリングがよくなり、リアディレイラーと同じレベルでスパッと決まるようになりました(特にシフトアップ時の性能向上が顕著)。今回はフロントクランク側を、Tiagra にしたと共に、フロントディレイラーを Ultegra グレードに交換しています。私の私見では、フロントディレイラーよりもフロントクランクを交換したことがフィーリング向上に寄与しているのではないかと考えています。たとえ Tiagra グレードでも、フロントシフトのためのフロントクランクの PIN の配置や設計は、今まで使っていた FSA TEMPO よりも変速性能が高いのではないかと考えています。
アルミフレーム、エントリータイプの MERIDA RIDE LITE 880を購入し、様々なパーツを取り換えてここまで使ってきました。それなりに期待に応えてくれたのは、アルミフレームながらも、本格ロードバイクを送り出している同社の設計思想に基づいた、しっかりしたフレーム構造があったからだと考えています。一通りパーツを変えてきましたが、これ以上のモディファイは、何となくこのフレームに対しては「やりすぎ」になると考えます。これ以上のグレードアップをするのであれば、その時はフレームから変える必要があるのではないかと…。逆にいうと、このフレームでは今回の9速化で一旦打ち止めで、当面これで乗り続けるかな、と考えています。
【関連ページ】
「峠スペシャル」。11-32Tスプロケットを追加調達
【週末散歩】ヤビツ峠をリア32Tで再び走破。帰りに紅葉を堪能。
知る人ぞ知る都内の隠れ激坂。岡本三丁目の「富士見坂」
-----
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
私のロードバイクのコンポーネントは SHIMANO 2300 系。正統的ロードバイクとしては最も下位グレードのパーツで構成されていると考えてよいと思います。8速です。8速でも12-25Tのスプロケットはそれなり細やかな変速ができて満足していました。
しかし、寄る年波には勝てず、STIレバーに亀裂が生じてしまいました。

STI レバーはブレーキと変速を司る自転車の速度制御(安全性)の「要」です。このパーツに根幹的な不具合が発生したら、直すしかありません。したがって、STIレバーの交換を模索し始めました。
【Tiagra 4400系】
そこで、9速の 4400 系ティアグラを格安で調達できたので…

この際、9速にグレードアップをもくろみました。それに合わせて新品で調達したパーツがこちら。9速にすると、チェーンとスプロケットは互換性がなくなります。リアディレイラーは、上位バージョンだとキャパシティが不足し、峠やツーリング用の32Tのリアスプロケットが装着できなくなります。幸いにも、現行リアディレイラー(SORA RD3500-SS)は、9速対応なので、そのまま使うことにしました。また、Tiagra のクランクセットはスクエア・テーパーではなく、ホローテックであるため、ボトムブラケット(BB)も交換が必要となります。シフトケーブルやバーテープ、ホローテックBB取付用工具などが必要となります。

これが最後の ST-2300系8速の最後の姿。

まずは、STIを取り外します。

次は BB の取り外しです。まずクランクを取り外し…。

次にスクエア・テーパーBBを取り外します。

取り外したスクエア・テーパー型BBユニットは最近取り換えた BB-UN53 です。1ヶ月に満たずに取替となりました。

BB が外れました。今回取り付ける BB はホローテック・タイプ。ボトムブラケット・ケースの側面接点の垂直性が問われる BB です。幸いにも、この MERIDA のフレームは、私の買ったエントリーモデルでもちゃんと BB 側面のフェイシング処理が行われていました。

今回調達した BB はアルテグラ・グレードの SM-BBR60。これをBBケースにねじ込みます。

工具で締め込む前に、自分の手で入るところまでねじ込みます。


しっかり締め込むにはこれ。ホローテック専用工具を使います。初期のホローテックでは、樹脂のBBに直接金属工具が当たるため、BBに傷が付くなどのクレームが発生したとのこと。その声を受けて、最近は BB 径をホローテック純正工具よりも小径化。その分、工具に取り付ける樹脂製アタッチメントを BB に添付するようになりました。

こうすることで、金属部分が直接 BB に当たることがなくなり、 BB に傷が付くことがなくなりました。良い考えですね。

まずは左側の BB を締め込みます。この左側の締め込み方向は「時計回り」です。

次に右側の BB を取り付けます。

右側の BB の締め込み方向は反時計回りです。

BB が付いたので、次はクランクセットです。BB の規格にぴったり合った、24mm 径のクランクシャフトを今取り付けた BB に通します。最近の工業製品の精度は凄まじく、本当にぴったり貫通します。

次は、左側クランクの取り付けです。

このシマノのホローテックⅡ、前方スプロケクランク反対側のシャフトには、取付角度保全のため、一部切り欠きが広くなっている部分があり、不正な角度で取り付けができないように設計されています。

クランク側も、このように抜け止めのピンが配されていて、不用意にクランクが抜けないように配慮されています。

この左側のクランクの取り付けトルクは12-15N。結構な力で締め付ける必要があります。

そのため、通常利用される L字型の六角レンチではなく、ハンドルタイプの 5mm の六角レンチを使って締め込みます。


最後は、この樹脂製のキャップを付ければ BB、クランク周りは完了。

パークツールのボトムブラケット・ツールに付属しているキャップ回しツールで樹脂製キャップを固定します。このパークツールのBBツールがあれば、SHIMANO TL-FC16
さて、次は STIレバーの取り付けです。

今回は、今まで使っていたシフトケーブルをインナーとアウターどちらも SHIMANO PTFE タイプのものに交換しています。

STI レバーの取り付けが完了後は、チェーンを取り付けます。8速のチェーンと9速のチェーンでは互換性がありません。SHIMANO の CN-HG93
これで、バーテープを残してほぼ完成。9速化が完了しました。

最後にバーテープを巻きます。今回使ったのは極めて一般的なコルクタイプのもの。

ようやく9速化完成。なんだかんだで完成まで3日かかりました。

【感想】
2300系から 4400系に変えて感じた主な点は下記2点です。
- クランクの回転が滑らか
- フロント側シフトがすぱすぱ入る
まず、今までのスクエア・テーパー型と比べ、ホローテックの BB は、「剛性の格が違う」と感じました。BBの有効長いっぱいを使い、フロントクランク軸も24mmに口径増大され、精密に組み上げられたホローテックⅡBBは、今まで使っていたスクエア・テーパー型BBとは、なめらかさと安定感、剛性感がまったくちがいました。
フロントシフトは素晴らしくフィーリングがよくなり、リアディレイラーと同じレベルでスパッと決まるようになりました(特にシフトアップ時の性能向上が顕著)。今回はフロントクランク側を、Tiagra にしたと共に、フロントディレイラーを Ultegra グレードに交換しています。私の私見では、フロントディレイラーよりもフロントクランクを交換したことがフィーリング向上に寄与しているのではないかと考えています。たとえ Tiagra グレードでも、フロントシフトのためのフロントクランクの PIN の配置や設計は、今まで使っていた FSA TEMPO よりも変速性能が高いのではないかと考えています。
アルミフレーム、エントリータイプの MERIDA RIDE LITE 880を購入し、様々なパーツを取り換えてここまで使ってきました。それなりに期待に応えてくれたのは、アルミフレームながらも、本格ロードバイクを送り出している同社の設計思想に基づいた、しっかりしたフレーム構造があったからだと考えています。一通りパーツを変えてきましたが、これ以上のモディファイは、何となくこのフレームに対しては「やりすぎ」になると考えます。これ以上のグレードアップをするのであれば、その時はフレームから変える必要があるのではないかと…。逆にいうと、このフレームでは今回の9速化で一旦打ち止めで、当面これで乗り続けるかな、と考えています。
【関連ページ】
「峠スペシャル」。11-32Tスプロケットを追加調達
【週末散歩】ヤビツ峠をリア32Tで再び走破。帰りに紅葉を堪能。
知る人ぞ知る都内の隠れ激坂。岡本三丁目の「富士見坂」
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: 自転車・アウトドア
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