ロードバイクのスクエア・テーパー型BBを交換(SHIMANO BB-UN53)
2017.04.15/Sat/23:38:44
【BB劣化】
このロードバイクを買ってから4年弱。私の場合、この自転車で年間6,000km程度走ります。大体20,000km強走ってきたことになります。最近感じていたのが「漕ぐとクランクが時々カクカクする」という現象です。どうもBB軸がしっかり保持されていない感触。そこで、BBを交換することにしました。
【交換作業】
交換作業は、大まかにいうと次のステップです。
【チェーンとクランクの取り外し】
まず、チェーンを外します。

私が利用している8速対応チェーン「KMC Z7
」は、ミッシング・リンクが付いているので、チェーンの着脱には「チェーン切り」が不要です。

次にクランクを外します。このロードバイクのクランクはエントリータイプで良く使われる「スクエア・テーパー」タイプのもの。そのクランクの取り外しには特殊工具が必要です。「シマノ TL-FC10
」に代表される「コッタレス抜き」と呼ばれる工具が必要です。あと大きめのモンキーレンチが2つ必要。

まず、スクエア・テーパー・シャフトとクランクを固定しているフィキシング・ボルトを取り外します。適合する六角レンチは8mm、割と大きめのサイズです。

コッタレス抜きは、まず内部のボルトを反時計回りに回し切り、シャフト押しをなるべく引っ込めておきます。

それから、本体をクランクのねじ穴にねじ込みます。この時に注意すべきは、「手で確実に奥まで」ねじ込むことです。斜めになっていたりしてねじ山が合わないと、ねじ込みが浅い状態で強い引き抜き力がクランクにかかるため、クランクが抜けずにねじ山が損傷してしまう恐れがあります。ねじ山がちゃんと合えば、指で回すことでするすると奥まで入っていくので、手で奥までねじ込むようにします。

あとは、シャフト押し側のねじを止まるまで手で回してゆき、止まったら、2本のモンキーレンチを使ってさらに押し込み方向に回します。

右側クランクが取れました。

次は左側です。同様な作業手順で外します。



【BB取り外し】
次にBBを取り外します。このロードバイクにはエントリータイプのバイクに良く使われるスクエア・テーパー型BBが装着されています。このタイプのBBを取り外すには、この工具が必要です。

型番は「TL-UN74-S」、しかし良く分かるようにパッケージには「カートリッジタイプBBアダプター戻し工具」と書いてあります。

小さな工具ですが、これがないとカードリッジタイプのBBを取り外すことができません。必須工具です。

使い方は、モンキーレンチと一緒に使います。六角ボルト部の大きさは34mmなので、このように大きめのモンキーレンチが必要です。

このように、この工具をBB取付プレートに置くまで差し込んで使います。取り外しには順番があります。まず左側(チェーンが装着されてない側)から外します。左右でねじ方向が違いますが、左側は正ねじ(反時計回りで緩む)です。

左を外したら、次は右側です。

こちらは逆ねじ(時計回りで緩む)なので注意します。

BBを取り外しました。RPM(FSA)の BB-7420 です。取り外し後、BBシャフトを指で回してみましたが、やはり「スカスカ」でした。ベアリングが摩耗したか、玉当たりが緩んだかわかりませんが、明らかにシャフトがぶれてしまっています。交換して正解でした。

【BB取付】
BB を取り外したのち、フレームのBB取付部を清掃し、新しいBBを取り付けます。取り付けるBBは、SHIMANO のカートリッジBBとしては廉価クラスの BB-UN53 です。取付前にねじ部にグリスを塗っておきます。

あとは、まず右側(逆ねじ)を取付けます。

右側はBB本体側で、プレートは金属タイプですね。

それに対し、左側はこの BB UN-53 の場合は取付プレートは樹脂タイプです。加わる力の大きさを考えると、左側は樹脂でも耐えられるのですね。

【クランク取付】
次にクランクを取り付けます。固着を防ぐため、取付穴には少量のグリスを塗っておきます。

クランクをはめ込んだら、フィクシング・ボルトを使って締め込みます。ガタつきやゆるみを防ぐため、この締め込みは相当な力を入れます。体重を掛けるくらいのトルクが望ましい位です。

【チェーン取付&完成】
最後にチェーンを取り付けて完成です。

【感想】
今まで、坂道や高トルク推進時に感じていた、クランクシャフトの「カクカク感」は見事に解消しました。多少手間はかかりましたが、なめらかなペダリングが戻り、作業した甲斐がありました。

【関連ページ】
ボトムブラケットのメンテナンス
BBベアリングの交換とベアリング球の精度
子供用自転車のクランクのサイズアップ
折りたたみ自転車前輪ハブのメンテナンス
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
このロードバイクを買ってから4年弱。私の場合、この自転車で年間6,000km程度走ります。大体20,000km強走ってきたことになります。最近感じていたのが「漕ぐとクランクが時々カクカクする」という現象です。どうもBB軸がしっかり保持されていない感触。そこで、BBを交換することにしました。
【交換作業】
交換作業は、大まかにいうと次のステップです。
- チェーンを外す
- クランクを外す
- BBを交換する
- クランクを取り付ける
- チェーンを取り付ける
【チェーンとクランクの取り外し】
まず、チェーンを外します。

私が利用している8速対応チェーン「KMC Z7

次にクランクを外します。このロードバイクのクランクはエントリータイプで良く使われる「スクエア・テーパー」タイプのもの。そのクランクの取り外しには特殊工具が必要です。「シマノ TL-FC10

まず、スクエア・テーパー・シャフトとクランクを固定しているフィキシング・ボルトを取り外します。適合する六角レンチは8mm、割と大きめのサイズです。

コッタレス抜きは、まず内部のボルトを反時計回りに回し切り、シャフト押しをなるべく引っ込めておきます。

それから、本体をクランクのねじ穴にねじ込みます。この時に注意すべきは、「手で確実に奥まで」ねじ込むことです。斜めになっていたりしてねじ山が合わないと、ねじ込みが浅い状態で強い引き抜き力がクランクにかかるため、クランクが抜けずにねじ山が損傷してしまう恐れがあります。ねじ山がちゃんと合えば、指で回すことでするすると奥まで入っていくので、手で奥までねじ込むようにします。

あとは、シャフト押し側のねじを止まるまで手で回してゆき、止まったら、2本のモンキーレンチを使ってさらに押し込み方向に回します。

右側クランクが取れました。

次は左側です。同様な作業手順で外します。



【BB取り外し】
次にBBを取り外します。このロードバイクにはエントリータイプのバイクに良く使われるスクエア・テーパー型BBが装着されています。このタイプのBBを取り外すには、この工具が必要です。

型番は「TL-UN74-S」、しかし良く分かるようにパッケージには「カートリッジタイプBBアダプター戻し工具」と書いてあります。

小さな工具ですが、これがないとカードリッジタイプのBBを取り外すことができません。必須工具です。

使い方は、モンキーレンチと一緒に使います。六角ボルト部の大きさは34mmなので、このように大きめのモンキーレンチが必要です。

このように、この工具をBB取付プレートに置くまで差し込んで使います。取り外しには順番があります。まず左側(チェーンが装着されてない側)から外します。左右でねじ方向が違いますが、左側は正ねじ(反時計回りで緩む)です。

左を外したら、次は右側です。

こちらは逆ねじ(時計回りで緩む)なので注意します。

BBを取り外しました。RPM(FSA)の BB-7420 です。取り外し後、BBシャフトを指で回してみましたが、やはり「スカスカ」でした。ベアリングが摩耗したか、玉当たりが緩んだかわかりませんが、明らかにシャフトがぶれてしまっています。交換して正解でした。

【BB取付】
BB を取り外したのち、フレームのBB取付部を清掃し、新しいBBを取り付けます。取り付けるBBは、SHIMANO のカートリッジBBとしては廉価クラスの BB-UN53 です。取付前にねじ部にグリスを塗っておきます。

あとは、まず右側(逆ねじ)を取付けます。

右側はBB本体側で、プレートは金属タイプですね。

それに対し、左側はこの BB UN-53 の場合は取付プレートは樹脂タイプです。加わる力の大きさを考えると、左側は樹脂でも耐えられるのですね。

【クランク取付】
次にクランクを取り付けます。固着を防ぐため、取付穴には少量のグリスを塗っておきます。

クランクをはめ込んだら、フィクシング・ボルトを使って締め込みます。ガタつきやゆるみを防ぐため、この締め込みは相当な力を入れます。体重を掛けるくらいのトルクが望ましい位です。

【チェーン取付&完成】
最後にチェーンを取り付けて完成です。

【感想】
今まで、坂道や高トルク推進時に感じていた、クランクシャフトの「カクカク感」は見事に解消しました。多少手間はかかりましたが、なめらかなペダリングが戻り、作業した甲斐がありました。

【関連ページ】
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
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カテゴリ: 自転車・アウトドア
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