自転車向けセパレート型高輝度ライトの性能と機能を検証する
2016.11.27/Sun/01:23:18
【Orader 自転車LEDヘッドライト】
私は自転車用ライトとして CATEYE VOLT300
をメインライトとして利用しています。その基本性能は高く、特にこれといった不満はありません。故障や劣化が起こらない限り、これを下回る性能のライトを追加する理由はないのですが、最近の中華系 LED ライトはその価格と性能の進化が著しく、「使ってみようか」と考えていました。その状況下、光量やランタイムの観点で VOLT300 を上回ると思われる「Orader 自転車LEDヘッドライト」を利用することができたので、その性能、機能を検証することにしました。


(Orader自転車LEDヘッドライト
)
【外観】
梱包は質素そのもの。茶色のボール紙の箱1つです。

中に、本体、付属品一式が詰め込まれていました。

(梱包イメージ。実際にはエアーキャップ等に包まれていました)
一式広げてみました。梱包内容は、

自転車だけでなく、頭部装着用のヘッドライトとしても使える構成です。

本体はがっしりしたアルミ製。ゴムバンドを掛けるフックも台座と一体化したアルミ製なので取付強度と耐久性は高そうです。IPX6クラスの防水構造と謳われています。光源はチップ型LED2眼構成。説明によると CREE XM-L U2 使用とのこと。集光構造はリフレクターのみ。前面パネルは平板ガラスであるため、リフレクターに当たらない直射光に対する集光制御はありません。したがって、本機では、LEDが直接見える角度へは、LEDの直射光が到達することになります。

バッテリーは本体とケーブルで接続するセパレート型。バッテリーはベルクロテープの付いたナイロン製のケースに、ゴムのインナーケースに収納される形式で入っています。形状からして、18650タイプが4本入っている模様。全体で6400mAhの大容量バッテリーです。

【配光・光色】
VOLT300 と比べてみました。光の色味はVOLT300はやや黄色い光であるのに対し、本機の光色はスッキリした白色です。周辺光の拡散度合いは明らかに本機の方が大きいです。

自転車のライトとしてみた場合、この周辺光の広がりは地面の広い範囲を照射してくれるという利便性がある一方、上方拡散光がカットされていないことで、対向車、歩行者に対して迷惑になる可能性が高いと考えられます。
また、中心集光部は、VOLT300に比べると本機の方がゾーンが小さくなっています(つまりくっきりとフォーカスされています)。これは、照射範囲のうち、明るい中心部のゾーンが小さいことを意味します。

リフレクターだけで集光しているためだと思われますが、本機の特性として、集光スポットは小さくて明るく、周辺光は広く拡散するという性格づけがされています。
【明るさ・ランタイム】
本機の明るさは 1600ルーメンとされています。その真偽はさておき、実際に照射テストを行いました。本機は明るさを3段階に調節できます。本体後部のボタンを押すごとに、「ロー」、「ミッド」、「ハイ」」、「消灯」となり、ボタンを3秒間長押しすると、約1秒サイクルの点滅モードになります。
近所の街灯のない砂利道で、その3段階の明るさで、写真を撮影してきました(定点観測)。照射中心を約5m先としたケースです。
<Orader LEDヘッドライト モード:ハイ 前方 5m 中心に照射>

<Orader LEDヘッドライト モード:ミッド 前方 5m 中心に照射>

<Orader LEDヘッドライト モード:ロー 前方 5m 中心に照射>

ちなみに、VOLT300 の「ハイ」モードでの状況がこちら。本機の「ミッド」レベルと同等な明るさです。
<VOLT300 モード:ハイ 前方 5m 中心に照射>

本機の場合、LEDからの直接照射光が周辺に拡散するので、無駄に拡散してしまう光も多いと思われます。最大光量1600ルーメンは、それほど割り引いて考えなくても良い数値なのかもしれません。
光軸中央のフォーカスが絞られ、照度が高くなるため、照射距離を8mにしても十分な明るさが得られました。ただし、この場合はライトの光軸がだいぶ上向きになるため、対向車や歩行者が多い道ではこの光軸での使用は現実的ではありません。
<Orader LEDヘッドライト モード:ハイ 前方 8m 中心に照射>

<Orader LEDヘッドライト モード:ミッド 前方 8m 中心に照射>

<Orader LEDヘッドライト モード:ロー 前方 8m 中心に照射>

ランタイム(照射時間)についても実測してみました。充電時間も含め、まとめると下記のようになります。
<表.各モードでのランタイムと充電時間>
時速20km程度であれば暗闇でもローで十分実用的であることを考えると、ローモードの5時間55分のランタイムは長時間のナイトランをする場合、非常に助かるのではないでしょうか。
【使い勝手】
この製品はセパレート型のため、このようにバッテリーと本体とは離れて設置となります。バッテリーはトップチューブ下にベルクロテープでマウントするのが通常だと思われます。セパレート型はハンドル取付部が軽量コンパクトになるメリットはありますが、バッテリーパックをフレームにマウントし、本体と接続する必要が生じます。

このバッテリーパックはUSBケーブルで充電はできず、専用の充電器(8.4V 1A)で充電する構成です。

充電中・充電完了のインジケーターは、この充電器についています。充電中は、このようにLEDランプが赤色に点灯します。

充電が完了すると、このようにLEDランプが緑色になります。

電気を使い切って、ライトが消えた段階から充電を開始し、フル充電になるまでの時間を実際に計測してみましたが、実測値で9時間22分かかりました。このバッテリーパックは大容量ですが、空の状態からフル充電するためには「寝ている間に充電」という考えが通用しないので注意が必要です。
重量は、一式305g。バッテリーが4本分、またセパレート型であるが故のケーブルやコネクターの重さなどがかさむため、どうしても一体型よりも重さの面では不利になってしまいます。

また、このライト、電池の残量表示も備わっています。本体後部パネルのスイッチ近くに3個のLEDがあります。残量が満タンに近い時は3つとも点灯します。

バッテリー容量が減ってくると点灯するLEDの個数が減って、残量の目安を教えてくれます。

【総評】
自転車用ライトとしては、明るさは最高レベルのグループに属します。「ハイ」モードであれば、暗闇でも時速30~35km/hで安全に走れます。セパレート式で大容量バッテリー付属のため、ランタイムも長く確保されています。その代わり、充電時間は9時間強と長いため、バッテリーを使い切ったら、翌日の利用のためには早めに充電を始めておく必要があります。
リフレクターのみの集光方式であるため、発光素子からの直接光は広範囲に拡散します。そのため、人や車の多い場所での利用には注意が必要です。
交通往来が激しくなく、暗い道路(山間部、非市街地等)のナイトラン向けには非常に心強い存在になると思います。このライトを「一本目」として買い、場所も構わず常時使うのはお勧めしませんが、TPOを踏まえて使い分けることで強力な相棒になる商品だと感じました。
【関連ページ】
自転車用ライトの"新"定番「VOLT300」と定番「SG-355B」を比べてみる
小さいくせに強力な自転車用ライト GENTOS SG-355B 閃
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
私は自転車用ライトとして CATEYE VOLT300
(Orader自転車LEDヘッドライト
注記: レビュー記事作成に当たり本商品のサンプル提供を受けています。それ以外の便宜や記事内容に関する要請は受けていません。
【外観】
梱包は質素そのもの。茶色のボール紙の箱1つです。

中に、本体、付属品一式が詰め込まれていました。

(梱包イメージ。実際にはエアーキャップ等に包まれていました)
一式広げてみました。梱包内容は、
- ライト本体
- 本体固定用ゴムバンド(大・小)
- バッテリーパック
- 充電器
- ヘッドバンド

自転車だけでなく、頭部装着用のヘッドライトとしても使える構成です。

本体はがっしりしたアルミ製。ゴムバンドを掛けるフックも台座と一体化したアルミ製なので取付強度と耐久性は高そうです。IPX6クラスの防水構造と謳われています。光源はチップ型LED2眼構成。説明によると CREE XM-L U2 使用とのこと。集光構造はリフレクターのみ。前面パネルは平板ガラスであるため、リフレクターに当たらない直射光に対する集光制御はありません。したがって、本機では、LEDが直接見える角度へは、LEDの直射光が到達することになります。

バッテリーは本体とケーブルで接続するセパレート型。バッテリーはベルクロテープの付いたナイロン製のケースに、ゴムのインナーケースに収納される形式で入っています。形状からして、18650タイプが4本入っている模様。全体で6400mAhの大容量バッテリーです。

【配光・光色】
VOLT300 と比べてみました。光の色味はVOLT300はやや黄色い光であるのに対し、本機の光色はスッキリした白色です。周辺光の拡散度合いは明らかに本機の方が大きいです。

自転車のライトとしてみた場合、この周辺光の広がりは地面の広い範囲を照射してくれるという利便性がある一方、上方拡散光がカットされていないことで、対向車、歩行者に対して迷惑になる可能性が高いと考えられます。
また、中心集光部は、VOLT300に比べると本機の方がゾーンが小さくなっています(つまりくっきりとフォーカスされています)。これは、照射範囲のうち、明るい中心部のゾーンが小さいことを意味します。

リフレクターだけで集光しているためだと思われますが、本機の特性として、集光スポットは小さくて明るく、周辺光は広く拡散するという性格づけがされています。
【明るさ・ランタイム】
本機の明るさは 1600ルーメンとされています。その真偽はさておき、実際に照射テストを行いました。本機は明るさを3段階に調節できます。本体後部のボタンを押すごとに、「ロー」、「ミッド」、「ハイ」」、「消灯」となり、ボタンを3秒間長押しすると、約1秒サイクルの点滅モードになります。
近所の街灯のない砂利道で、その3段階の明るさで、写真を撮影してきました(定点観測)。照射中心を約5m先としたケースです。
<Orader LEDヘッドライト モード:ハイ 前方 5m 中心に照射>

撮影データ | |
---|---|
項目 | データ |
ライト | Orader LEDヘッドライト |
モード | ロー |
光軸 | 前方5m付近中心 |
カメラ | PENTAX Q10 |
撮影モード | マニュアル |
ホワイトバランス | オート |
露出 | ISO 100 8 sec (F/3.5) |
露出補正 | ±0 |
オリジナル format | JPEG 4000x3000 |
画質 | Super Fine |
<Orader LEDヘッドライト モード:ミッド 前方 5m 中心に照射>

撮影データ | |
---|---|
項目 | データ |
ライト | Orader LEDヘッドライト |
モード | ミッド |
光軸 | 前方5m付近中心 |
カメラ | PENTAX Q10 |
撮影モード | マニュアル |
ホワイトバランス | オート |
露出 | ISO 100 8 sec (F/3.5) |
露出補正 | ±0 |
オリジナル format | JPEG 4000x3000 |
画質 | Super Fine |
<Orader LEDヘッドライト モード:ロー 前方 5m 中心に照射>

撮影データ | |
---|---|
項目 | データ |
ライト | Orader LEDヘッドライト |
モード | ロー |
光軸 | 前方5m付近中心 |
カメラ | PENTAX Q10 |
撮影モード | マニュアル |
ホワイトバランス | オート |
露出 | ISO 100 8 sec (F/3.5) |
露出補正 | ±0 |
オリジナル format | JPEG 4000x3000 |
画質 | Super Fine |
ちなみに、VOLT300 の「ハイ」モードでの状況がこちら。本機の「ミッド」レベルと同等な明るさです。
<VOLT300 モード:ハイ 前方 5m 中心に照射>

撮影データ | |
---|---|
項目 | データ |
ライト | CATEYE HL-EL460RC |
モード | ハイ |
光軸 | 前方5m付近中心 |
カメラ | PENTAX Q10 |
撮影モード | マニュアル |
ホワイトバランス | 太陽光 |
露出 | ISO 100 8 sec (F/3.5) |
露出補正 | ±0 |
オリジナル format | JPEG 4000x3000 |
画質 | Super Fine |
本機の場合、LEDからの直接照射光が周辺に拡散するので、無駄に拡散してしまう光も多いと思われます。最大光量1600ルーメンは、それほど割り引いて考えなくても良い数値なのかもしれません。
光軸中央のフォーカスが絞られ、照度が高くなるため、照射距離を8mにしても十分な明るさが得られました。ただし、この場合はライトの光軸がだいぶ上向きになるため、対向車や歩行者が多い道ではこの光軸での使用は現実的ではありません。
<Orader LEDヘッドライト モード:ハイ 前方 8m 中心に照射>

撮影データ | |
---|---|
項目 | データ |
ライト | Orader LEDヘッドライト |
モード | ハイ |
光軸 | 前方8m付近中心 |
カメラ | PENTAX Q10 |
撮影モード | マニュアル |
ホワイトバランス | オート |
露出 | ISO 100 8 sec (F/3.5) |
露出補正 | ±0 |
オリジナル format | JPEG 4000x3000 |
画質 | Super Fine |
<Orader LEDヘッドライト モード:ミッド 前方 8m 中心に照射>

撮影データ | |
---|---|
項目 | データ |
ライト | Orader LEDヘッドライト |
モード | ミッド |
光軸 | 前方8m付近中心 |
カメラ | PENTAX Q10 |
撮影モード | マニュアル |
ホワイトバランス | オート |
露出 | ISO 100 8 sec (F/3.5) |
露出補正 | ±0 |
オリジナル format | JPEG 4000x3000 |
画質 | Super Fine |
<Orader LEDヘッドライト モード:ロー 前方 8m 中心に照射>

撮影データ | |
---|---|
項目 | データ |
ライト | Orader LEDヘッドライト |
モード | ロー |
光軸 | 前方8m付近中心 |
カメラ | PENTAX Q10 |
撮影モード | マニュアル |
ホワイトバランス | オート |
露出 | ISO 100 8 sec (F/3.5) |
露出補正 | ±0 |
オリジナル format | JPEG 4000x3000 |
画質 | Super Fine |
ランタイム(照射時間)についても実測してみました。充電時間も含め、まとめると下記のようになります。
<表.各モードでのランタイムと充電時間>
モード | ランタイム |
---|---|
ハイ | 1時間48分(108分) |
ミッド | 2時間55分(175分) |
ロー | 5時間51分(351分) |
フル充電時間 | 9時間23分(563分) |
時速20km程度であれば暗闇でもローで十分実用的であることを考えると、ローモードの5時間55分のランタイムは長時間のナイトランをする場合、非常に助かるのではないでしょうか。
【使い勝手】
この製品はセパレート型のため、このようにバッテリーと本体とは離れて設置となります。バッテリーはトップチューブ下にベルクロテープでマウントするのが通常だと思われます。セパレート型はハンドル取付部が軽量コンパクトになるメリットはありますが、バッテリーパックをフレームにマウントし、本体と接続する必要が生じます。

このバッテリーパックはUSBケーブルで充電はできず、専用の充電器(8.4V 1A)で充電する構成です。

充電中・充電完了のインジケーターは、この充電器についています。充電中は、このようにLEDランプが赤色に点灯します。

充電が完了すると、このようにLEDランプが緑色になります。

電気を使い切って、ライトが消えた段階から充電を開始し、フル充電になるまでの時間を実際に計測してみましたが、実測値で9時間22分かかりました。このバッテリーパックは大容量ですが、空の状態からフル充電するためには「寝ている間に充電」という考えが通用しないので注意が必要です。
重量は、一式305g。バッテリーが4本分、またセパレート型であるが故のケーブルやコネクターの重さなどがかさむため、どうしても一体型よりも重さの面では不利になってしまいます。

また、このライト、電池の残量表示も備わっています。本体後部パネルのスイッチ近くに3個のLEDがあります。残量が満タンに近い時は3つとも点灯します。

バッテリー容量が減ってくると点灯するLEDの個数が減って、残量の目安を教えてくれます。

【総評】
自転車用ライトとしては、明るさは最高レベルのグループに属します。「ハイ」モードであれば、暗闇でも時速30~35km/hで安全に走れます。セパレート式で大容量バッテリー付属のため、ランタイムも長く確保されています。その代わり、充電時間は9時間強と長いため、バッテリーを使い切ったら、翌日の利用のためには早めに充電を始めておく必要があります。
リフレクターのみの集光方式であるため、発光素子からの直接光は広範囲に拡散します。そのため、人や車の多い場所での利用には注意が必要です。
交通往来が激しくなく、暗い道路(山間部、非市街地等)のナイトラン向けには非常に心強い存在になると思います。このライトを「一本目」として買い、場所も構わず常時使うのはお勧めしませんが、TPOを踏まえて使い分けることで強力な相棒になる商品だと感じました。
【関連ページ】
自転車用ライトの"新"定番「VOLT300」と定番「SG-355B」を比べてみる
小さいくせに強力な自転車用ライト GENTOS SG-355B 閃
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: 自転車・アウトドア
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