身障者用エレベーターの話
2016.03.20/Sun/00:26:26
【バリアフリーについて】
一般的に「バリアフリー」とは健常者ではない人が、障壁なく暮らしができるようにすることと言えます。広義では、障碍者が社会全体で暮らしやすくすること指しますが、日常使われる「バリアフリー」は、身障者の移動や活動が阻害・遮断されないようにすることを指すことが多いと思います。
日本での「バリアフリー」は法律で規定されていて、いわゆる「バリアフリー法」は正式には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」と言い、それに沿って公共的建築物などには身障者向けの配慮がなされています。
【身障者用エレベーターについて】
車いすを使っている人は階段やエスカレーターは使えないため、そのような人にとって、エレベーターは大事な移動手段です。ただし、エレベーターがあれば万事OKかというとそうではありません。車いす利用者は、一人では高い位置にあるボタンを押すことができません。
そのため、エレベーター自体にもバリアフリー対策として特別なエレベーターの仕組みが施されています。
よく見る身障者マーク付きのこのボタン。

このエレベーターを呼ぶためのボタンは、身障者用エレベーターのかごを呼ぶための特別なボタンで、一般の呼び出しボタンとは異なり、身障者用エレベーター入口の近くに独立して設けられています。

呼び出しボタン自体も、車いすから届くように低い位置に別途設けられています。

このボタンを押すと、そのランプは身障者用エレベーターかごが到着するまで消えません。したがって、このボタンを押すことで、車いすの利用者は、時間はかかっても、身障者用エレベーターかごに確実に乗れるようになっているわけです。
【素朴な疑問】
身障者用エレベーターに健常者が乗っても構わないので、時々乗ってはいます。その時にふと感じた疑問がこれです。

何が疑問かわかりましたでしょうか。エレベーターの行き先ボタンで18Fが押されています。しかし、低い位置にある身障者用行き先ボタンの18Fにはランプが灯っていません。このエレベーターがどこに止まるかを示すボタンなのであれば、連動して同時に灯るのが自然だと考えましたが、どうもそうではないようです。これが疑問で、何らかの意味があるに違いないと考えました。
【身障者用行先ボタンの動作】
ある程度調べた結果、答えがわかりました。社団法人「日本エレベーター協会」のFAQ(よくある問い合わせ)のページで以下の情報が紹介されています。
私は調べて初めて知りました。エレベーターのカゴ内の身障者用行き先ボタンを押すと、その行き先ではドアが閉じるまでの時間が延長される仕様になっているということだそうです。そのため、身障者用行き先ボタンの点灯と通常行先ボタンの点灯は連動しないということが疑問に対する答えとなりました。
転じて、健常者が身障者用エレベーターかごに乗った場合は、なるべく身障者用行き先ボタンを押さないほうが良いという示唆が得られました。
【感想】
些細なことでも、何等かの疑問を持ったら、それを忘れずに考えたり、調べたりしようと心がけています。それが分かったとしても、取るに足らないことが多いのですが、疑問の答えを見つけると、その裏にある深い背景がわかったりして、はっとすることがあります。
【追記】
身障者向け行き先ボタンを押すことで、ドアが閉まるまでの時間が変わるのか、実際に自分の住んでいる場所のエレベーターで確かめてみました。エレベーターはこのように1台しかありませんが...。

このように内部には通常ボタンと身障者用行き先ボタンの2種類があります。

通常の行き先ボタンを押した場合、行き先階に到着し、ドアが開いてから再びドアが閉まり始めるまで5秒。それに対して、身障者用行き先ボタンを押した場合は、ドアが開いてから閉まり始めるまで10秒でした。つまり、身障者用行き先ボタンを押すと、確かに到着してからドアが閉まるまでの時間が通常行き先ボタンの場合よりも長いことが確認できました。
【関連ページ】
六本木ヒルズのエレベーター
今まで乗った中で最も広い泉ガーデンのエレベーター
【週末散歩】 錦糸町から見た東京スカイツリー(その2)
-----
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
一般的に「バリアフリー」とは健常者ではない人が、障壁なく暮らしができるようにすることと言えます。広義では、障碍者が社会全体で暮らしやすくすること指しますが、日常使われる「バリアフリー」は、身障者の移動や活動が阻害・遮断されないようにすることを指すことが多いと思います。
日本での「バリアフリー」は法律で規定されていて、いわゆる「バリアフリー法」は正式には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」と言い、それに沿って公共的建築物などには身障者向けの配慮がなされています。
【身障者用エレベーターについて】
車いすを使っている人は階段やエスカレーターは使えないため、そのような人にとって、エレベーターは大事な移動手段です。ただし、エレベーターがあれば万事OKかというとそうではありません。車いす利用者は、一人では高い位置にあるボタンを押すことができません。
そのため、エレベーター自体にもバリアフリー対策として特別なエレベーターの仕組みが施されています。
よく見る身障者マーク付きのこのボタン。

このエレベーターを呼ぶためのボタンは、身障者用エレベーターのかごを呼ぶための特別なボタンで、一般の呼び出しボタンとは異なり、身障者用エレベーター入口の近くに独立して設けられています。

呼び出しボタン自体も、車いすから届くように低い位置に別途設けられています。

このボタンを押すと、そのランプは身障者用エレベーターかごが到着するまで消えません。したがって、このボタンを押すことで、車いすの利用者は、時間はかかっても、身障者用エレベーターかごに確実に乗れるようになっているわけです。
【素朴な疑問】
身障者用エレベーターに健常者が乗っても構わないので、時々乗ってはいます。その時にふと感じた疑問がこれです。

何が疑問かわかりましたでしょうか。エレベーターの行き先ボタンで18Fが押されています。しかし、低い位置にある身障者用行き先ボタンの18Fにはランプが灯っていません。このエレベーターがどこに止まるかを示すボタンなのであれば、連動して同時に灯るのが自然だと考えましたが、どうもそうではないようです。これが疑問で、何らかの意味があるに違いないと考えました。
【身障者用行先ボタンの動作】
ある程度調べた結果、答えがわかりました。社団法人「日本エレベーター協会」のFAQ(よくある問い合わせ)のページで以下の情報が紹介されています。
Q: 車いす専用ボタンと、一般用ボタンでは、何が違うのですか?
A: 車いす用ボタンの場合は扉の開放時間が長く設定されています。
私は調べて初めて知りました。エレベーターのカゴ内の身障者用行き先ボタンを押すと、その行き先ではドアが閉じるまでの時間が延長される仕様になっているということだそうです。そのため、身障者用行き先ボタンの点灯と通常行先ボタンの点灯は連動しないということが疑問に対する答えとなりました。
転じて、健常者が身障者用エレベーターかごに乗った場合は、なるべく身障者用行き先ボタンを押さないほうが良いという示唆が得られました。
【感想】
些細なことでも、何等かの疑問を持ったら、それを忘れずに考えたり、調べたりしようと心がけています。それが分かったとしても、取るに足らないことが多いのですが、疑問の答えを見つけると、その裏にある深い背景がわかったりして、はっとすることがあります。
【追記】
身障者向け行き先ボタンを押すことで、ドアが閉まるまでの時間が変わるのか、実際に自分の住んでいる場所のエレベーターで確かめてみました。エレベーターはこのように1台しかありませんが...。

このように内部には通常ボタンと身障者用行き先ボタンの2種類があります。

通常の行き先ボタンを押した場合、行き先階に到着し、ドアが開いてから再びドアが閉まり始めるまで5秒。それに対して、身障者用行き先ボタンを押した場合は、ドアが開いてから閉まり始めるまで10秒でした。つまり、身障者用行き先ボタンを押すと、確かに到着してからドアが閉まるまでの時間が通常行き先ボタンの場合よりも長いことが確認できました。
【関連ページ】
六本木ヒルズのエレベーター
今まで乗った中で最も広い泉ガーデンのエレベーター
【週末散歩】 錦糸町から見た東京スカイツリー(その2)
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: テクノロジー
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