ダボ穴のないロードバイクにリアキャリアを取り付ける
2016.01.17/Sun/21:01:01
![]() | ロードバイクでツーリング用パニアバッグを利用するため、リアキャリアを取り付けることにしました。ロードバイクはリアキャリアを取り付ける前提で設計されていませんが、追加部品を利用することで問題なく装着ができました。 |
【ロードバイクの設計思想について】
ロードバイクは舗装路を軽快に走り抜けることを主眼に設計されているため、走る目的以外の無駄な装備はそぎ落とされています。例えば、ライトや泥除けは付いてきませんし、泥除けに至っては一般的なものは装着できません。リアキャリア(荷台)についても同様で、ロードバイクでは荷台を取り付ける前提でフレームは設計されていません。
【リアキャリアについて】
それでも、ロードバイクでロングツーリングやソロキャンプ用の道具を積みたいという人はいるはずで、かく言う私も自前のロードバイクにキャンプ用の荷物を積載して遠出したいと考えている一人です。リアキャリアにはいろいろあって、簡易版としてこのようにシートポストに装着するだけのリアキャリアは存在します。


(GIZA PRODUCTS LT キャリアー
)
しかし、このようなシートポスト取付型は耐荷重がせいぜい10kg。シートポストから真横に延ばすような構造で、真下への荷重を直接受け止める仕組みにはなっていません。したがって、大きめのパニアバッグをがっちりと取り付けるためのキャリアとしては不安が残ります。
今回はロードバイクに一般的なリアキャリアを取り付けることを目的とします。すでにキャリアは調達していて、「サイクルベースあさひ」で購入したオリジナルアルミリアキャリア「CBA-1」です。

極めてオードドックスな構造です。この種のリアキャリアでは、定番製品としてミノウラの MT-800N があります。


(MINOURAリアキャリア ブラック MT-800N
)
これが素晴らしい商品であることは疑いありません。しかし、この商品はスチールパイプ製であることで重量が約1.2kg。スチール製であるため、堅牢であることに加え、旅先で破損しても容易に溶接補修ができるということで、海外利用や日本一周などを行うサイクリストにとってはこの商品の存在意義は格別なものだと思います。しかし、私の場合海外に持って行ったり、日本一周をするわけではありません。
従いまして、多少なりともの軽量化を念頭に、アルミパイプの「CBA-1」を購入しました。アルミパイプ製で、重量も約575g(取付金具を除く)とあります。実際に測ってみると、公称値より軽く、546gでした。

除外された「取付金具」はということで、独自に測ってみると100gでした。

装着するためには、キャリヤ装着用の「ダボ穴」(ねじ穴)が必要です。この種のキャリアでは、ダボ穴は荷重を受け止めるため車軸に向けて一つ、水平方向の固定をするためにシートステー向けに一つ。計2ヶ所のダボ穴が必要です。
しかし、現在私が持っているロードバイク(MERIDA RIDELITE 880)には、どちらのダボ穴もありません。

このあさひのアルミリアキャリアには、シートステー向けにはブラケットが用意されているので、水平方向の固定はそのシートステー用ブラケットで装着が出来そうです。キャリア下部の車軸方向用のダボ穴に関しては、どうにかしないといけません。
【VIVA クイックエンドアダプター R】
その車軸方向向けダボ穴がないロードバイクにリアキャリアを取り付ける場合の唯一と言える位の解決策がこれ、「VIVA クイックエンドアダプター R」です。早速購入しました。

この「VIVA クイックエンドアダプター R」は、リアのクイックシャフトに挟み込むことで、ダボ穴を追加で確保する商品です。ダボ穴のねじに通常利用される M5 のナットも直付けされています。

クイックシャフトに挟んだ際にずれたりしないよう、車軸部分にプレス加工が施されています。

材質はステンレス製、重量はペアで24gです。

この「VIVA クイックエンドアダプター R」についてですが、ロードバイクのクイックエンド形状は多岐に及ぶため、取り付け方法は一つではありません。幸い、私はこのように、後輪車軸の真上にダボ穴を配置するように取り付けが可能でした。

このような配置ができると、キャリアからの下向き荷重がかかっても、このクイックエンドアダプターが回転してしまう症状を抑え込むことができます。このダボ穴にはリアキャリアからの上下の荷重が大きく作用します。そのため、このダボ穴の位置が後輪クイックの車軸と上下方向にずれていると、走行中にだんだんとクイックエンドアダプターが回転してずれてきてしまいます。
その現象を防止するためには、なるべくこのダボ穴を後輪車軸の直上に配置することが大事ですが、幸いにも私の自転車のフレームではそれが可能でした。つまり、このクイックエンドアダプターをこのように固定することが可能でした。

ということで、車軸側ダボ穴は VIVA クイックエンドアダプター R を利用し、シートステー側は付属のクリップを使って一旦装着完了です。


ただし、何とか装着はできましたが、このキャリアに付属のシートステー用クリップはあまりに廉価なもののため、装着一回目で、保護のための樹脂がはがれてしまいました。

こんな状況なので、シートステーのダボ穴解決は、製品付属のアダプターではなく、もっとしっかりした解決策を施す必要があると感じました。
【グランジ キャリアダボ付シートクランプ】
そこで、シートステー側のダボ穴も手当てする必要が生じました。幸いにも、この件の解決策としても有効な商品が販売されています。それが、「グランジ キャリアダボ付シートクランプ」です。

この商品の特長は、シートポストを取り換えることで、シートポストクランプと一体化したリアキャリア用ダボ穴を提供できることです。

私の持っているロードバイクは極めて一般的なアルミフレームバイク。シートチューブの径は一般的な 31.8mmで、この「グランジ キャリアダボ付シートクランプ」がドンピシャで適合しました。

参考として重量変化を確かめておきます。ダボなしのMERIDA純正シートクランプの重量は21.6g。

それに対して、「グランジ キャリアダボ付シートクランプ」の重量は43.5g。21.9gの重量増ですが、がっちりと固定できる位置にダボ穴が増設できる効果と安心感は多少の重量増を補って余りあります。躊躇なく、この製品を使います。

【取り付け完了】
「VIVA クイックエンドアダプター R」、「GRUNGE キャリアダボ付シートクランプ」の追加パーツを利用して、ロードバイクに通常構造のリアキャリアを取り付けることができました。

グランジのシートクランプを導入するのに並行し、取り付け用のねじも変更しました。サイクルベースあさひの「CBA-1」添付の取り付け部品に含まれるねじはプラスねじのものだったため、各種ねじは手持ちの六角レンチ対応のねじに取り換えています。

幸いにも、私のロードバイクのフレームのリアエンドは、VIVAクイックエンドアダプターをこのように装着できる構造だったため、リアキャリアからの荷重を受け止めても、アダプターが回転しないような取付位置を確保することができました。


【感想】
本来の構造のリアキャリアを取り付けることができました。取り付け用のダボの構造も、しっかりした下地を用意できたため、リアキャリアをがっちりと固定することができました。試しにキャリアに重量物を搭載して走ってみましたが、安定感はばっちりです。
あと、ダボ穴を「VIVA クイックエンドアダプター」と「GRUNGEキャリアダボ付シートクランプ」で用意したおかげで、思わぬ利便性も生じました。キャリアの脱着が簡単になったことです。
キャリアを取り外すためには、リアクイックを緩めてクイックエンドアダプターを取り外し、シートクランプをとりはずだけです。逆にキャリア装着はその逆をすればOKです。

このように、リアキャリアを一体モジュール化できたために可能になった利便性ですね。今後は、リアキャリア脱着は約1分です。便利さが増しました。

【関連ページ】
小径車向けのノーブランド・リヤ・トランク・バッグを購入
自転車用ソロテントの新定番になるか?「Soomloom ULTRA LIGHT テント」
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格安防水シートをミニタープとして活用
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
ロードバイクは舗装路を軽快に走り抜けることを主眼に設計されているため、走る目的以外の無駄な装備はそぎ落とされています。例えば、ライトや泥除けは付いてきませんし、泥除けに至っては一般的なものは装着できません。リアキャリア(荷台)についても同様で、ロードバイクでは荷台を取り付ける前提でフレームは設計されていません。
【リアキャリアについて】
それでも、ロードバイクでロングツーリングやソロキャンプ用の道具を積みたいという人はいるはずで、かく言う私も自前のロードバイクにキャンプ用の荷物を積載して遠出したいと考えている一人です。リアキャリアにはいろいろあって、簡易版としてこのようにシートポストに装着するだけのリアキャリアは存在します。
(GIZA PRODUCTS LT キャリアー
しかし、このようなシートポスト取付型は耐荷重がせいぜい10kg。シートポストから真横に延ばすような構造で、真下への荷重を直接受け止める仕組みにはなっていません。したがって、大きめのパニアバッグをがっちりと取り付けるためのキャリアとしては不安が残ります。
今回はロードバイクに一般的なリアキャリアを取り付けることを目的とします。すでにキャリアは調達していて、「サイクルベースあさひ」で購入したオリジナルアルミリアキャリア「CBA-1」です。

極めてオードドックスな構造です。この種のリアキャリアでは、定番製品としてミノウラの MT-800N があります。
(MINOURAリアキャリア ブラック MT-800N
これが素晴らしい商品であることは疑いありません。しかし、この商品はスチールパイプ製であることで重量が約1.2kg。スチール製であるため、堅牢であることに加え、旅先で破損しても容易に溶接補修ができるということで、海外利用や日本一周などを行うサイクリストにとってはこの商品の存在意義は格別なものだと思います。しかし、私の場合海外に持って行ったり、日本一周をするわけではありません。
従いまして、多少なりともの軽量化を念頭に、アルミパイプの「CBA-1」を購入しました。アルミパイプ製で、重量も約575g(取付金具を除く)とあります。実際に測ってみると、公称値より軽く、546gでした。

除外された「取付金具」はということで、独自に測ってみると100gでした。

装着するためには、キャリヤ装着用の「ダボ穴」(ねじ穴)が必要です。この種のキャリアでは、ダボ穴は荷重を受け止めるため車軸に向けて一つ、水平方向の固定をするためにシートステー向けに一つ。計2ヶ所のダボ穴が必要です。
しかし、現在私が持っているロードバイク(MERIDA RIDELITE 880)には、どちらのダボ穴もありません。

このあさひのアルミリアキャリアには、シートステー向けにはブラケットが用意されているので、水平方向の固定はそのシートステー用ブラケットで装着が出来そうです。キャリア下部の車軸方向用のダボ穴に関しては、どうにかしないといけません。
【VIVA クイックエンドアダプター R】
その車軸方向向けダボ穴がないロードバイクにリアキャリアを取り付ける場合の唯一と言える位の解決策がこれ、「VIVA クイックエンドアダプター R」です。早速購入しました。

この「VIVA クイックエンドアダプター R」は、リアのクイックシャフトに挟み込むことで、ダボ穴を追加で確保する商品です。ダボ穴のねじに通常利用される M5 のナットも直付けされています。

クイックシャフトに挟んだ際にずれたりしないよう、車軸部分にプレス加工が施されています。

材質はステンレス製、重量はペアで24gです。

この「VIVA クイックエンドアダプター R」についてですが、ロードバイクのクイックエンド形状は多岐に及ぶため、取り付け方法は一つではありません。幸い、私はこのように、後輪車軸の真上にダボ穴を配置するように取り付けが可能でした。

このような配置ができると、キャリアからの下向き荷重がかかっても、このクイックエンドアダプターが回転してしまう症状を抑え込むことができます。このダボ穴にはリアキャリアからの上下の荷重が大きく作用します。そのため、このダボ穴の位置が後輪クイックの車軸と上下方向にずれていると、走行中にだんだんとクイックエンドアダプターが回転してずれてきてしまいます。
その現象を防止するためには、なるべくこのダボ穴を後輪車軸の直上に配置することが大事ですが、幸いにも私の自転車のフレームではそれが可能でした。つまり、このクイックエンドアダプターをこのように固定することが可能でした。

ということで、車軸側ダボ穴は VIVA クイックエンドアダプター R を利用し、シートステー側は付属のクリップを使って一旦装着完了です。


ただし、何とか装着はできましたが、このキャリアに付属のシートステー用クリップはあまりに廉価なもののため、装着一回目で、保護のための樹脂がはがれてしまいました。

こんな状況なので、シートステーのダボ穴解決は、製品付属のアダプターではなく、もっとしっかりした解決策を施す必要があると感じました。
【グランジ キャリアダボ付シートクランプ】
そこで、シートステー側のダボ穴も手当てする必要が生じました。幸いにも、この件の解決策としても有効な商品が販売されています。それが、「グランジ キャリアダボ付シートクランプ」です。

この商品の特長は、シートポストを取り換えることで、シートポストクランプと一体化したリアキャリア用ダボ穴を提供できることです。

私の持っているロードバイクは極めて一般的なアルミフレームバイク。シートチューブの径は一般的な 31.8mmで、この「グランジ キャリアダボ付シートクランプ」がドンピシャで適合しました。

参考として重量変化を確かめておきます。ダボなしのMERIDA純正シートクランプの重量は21.6g。

それに対して、「グランジ キャリアダボ付シートクランプ」の重量は43.5g。21.9gの重量増ですが、がっちりと固定できる位置にダボ穴が増設できる効果と安心感は多少の重量増を補って余りあります。躊躇なく、この製品を使います。

【取り付け完了】
「VIVA クイックエンドアダプター R」、「GRUNGE キャリアダボ付シートクランプ」の追加パーツを利用して、ロードバイクに通常構造のリアキャリアを取り付けることができました。

グランジのシートクランプを導入するのに並行し、取り付け用のねじも変更しました。サイクルベースあさひの「CBA-1」添付の取り付け部品に含まれるねじはプラスねじのものだったため、各種ねじは手持ちの六角レンチ対応のねじに取り換えています。

幸いにも、私のロードバイクのフレームのリアエンドは、VIVAクイックエンドアダプターをこのように装着できる構造だったため、リアキャリアからの荷重を受け止めても、アダプターが回転しないような取付位置を確保することができました。


【感想】
本来の構造のリアキャリアを取り付けることができました。取り付け用のダボの構造も、しっかりした下地を用意できたため、リアキャリアをがっちりと固定することができました。試しにキャリアに重量物を搭載して走ってみましたが、安定感はばっちりです。
あと、ダボ穴を「VIVA クイックエンドアダプター」と「GRUNGEキャリアダボ付シートクランプ」で用意したおかげで、思わぬ利便性も生じました。キャリアの脱着が簡単になったことです。
キャリアを取り外すためには、リアクイックを緩めてクイックエンドアダプターを取り外し、シートクランプをとりはずだけです。逆にキャリア装着はその逆をすればOKです。

このように、リアキャリアを一体モジュール化できたために可能になった利便性ですね。今後は、リアキャリア脱着は約1分です。便利さが増しました。

【関連ページ】
小径車向けのノーブランド・リヤ・トランク・バッグを購入
自転車用ソロテントの新定番になるか?「Soomloom ULTRA LIGHT テント」
「ラーツー」定番クッカー「ユニフレーム 山クッカー角型 3」
格安防水シートをミニタープとして活用
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: 自転車・アウトドア
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この記事に対するコメント
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| #
2016/10/29 14:35 * 編集 *
2016/10/29 14:35 * 編集 *
Re: 荷台のサイズ
コメントありがとうございました。早速測ってみました。中央の平たい部分の幅は7.5cmでした。参考までに、パイプ外側までの荷台全体の幅は13.0cm、パイプの直径は8mmでした。
URL | 館長 #-
2016/10/29 15:57 * 編集 *
2016/10/29 15:57 * 編集 *
リアキャリアアダプターのサイズ
ためになる記事でした。リアキャリアアダプターの穴の中心から取付穴の中心の長さを知りたいです...
Re: リアキャリアアダプターのサイズ
ゆっちさま:コメントありがとうございました。
早速ノギスで測ったところ、ジャスト32mmでした。
> ためになる記事でした。
> リアキャリアアダプターの穴の中心から取付穴の中心の長さを知りたいです...
URL | 館長 #-
2018/10/05 18:42 * 編集 *
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2018/10/05 18:42 * 編集 *
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