アルコールバーナーや固形燃料用のゴトクを100均グッズで自作
2015.11.29/Sun/18:50:37
【アルコールバーナーと固形燃料】
最近 Evernew のチタン製アルコールバーナーを買いました。

このバーナーは、炎の噴出口(ノズル)が上下2段に付いているため、直接上に鍋などを置いて使うことが可能です。ただ、この場合は上段のノズルがふさがれますので火力が減少します。

一方、よく釜飯などを炊くためにつかう固形燃料。こちらは、その上に直接鍋などは乗せられません。

【ゴトクの必要性】
また、物理的に鍋を乗せられたとしても、熱効率という意味では最適ではありません。このアルコールバーナー、最大でこの位の炎が上がります。

(最大15cm程度まで炎が伸びる)
固形燃料でも10cm程度は炎があがります。炎の温度が高い部分は内炎よりも外炎であるため、燃料効率性の観点では外炎が鍋底に当たるようにしたいところです。
そこで、「ゴトク」が必要になりますが、出来合いのものですと、以下のようなものに人気があります。


(バーゴ チタニウム ヘキサゴンウッドストーブT-415
)


EVERNEW チタンアルコールストーブ用ゴトク EBY253
ただ、重量や完成度に注文を付けなければ、ゴトクを自作している方も多く、私は100円ショップのグッズを利用してゴトクを作ってみました(「自作」というのはおこがましいレベルですが)。
そこで調達したのがダイソーで売っていた「かき揚げリング」。

(ダイソーの「かき揚げリング」。ステンレス製)
このかき揚げリングは「柄」が付いていますので、その柄を金ノコで切り取ります。まずはそれだけで「完成」です。

あとは、このようにアルコールストーブを中に入れればOK。

これだけで、高さ6cmのゴトクが完成です。アルコールストーブ自体の高さは 4.2cm なので、1.8cm のマージンが確保できたことになります。

(撮影状況上目盛りが合ってないように見えるがリングの高さは6cm。)
注意点として、このかき揚げリングゴトクは炎に直接さらされますので全体が非常に高温になります。このゴトクを耐熱性のない面(樹脂や木材等)に置いて利用することは絶対に避けなければなりません。

(ゴトクは赤熱するほど高温になるので注意)
ところで、このかき揚げリング、縁(へり)に凹凸がなく、炎の逃げ場がありません。したがって、このような底面が平らな鍋を置くと...。

このように炎が横から吹き出し、熱効率を下げている印象があります。

上の写真で使っている「山クッカー角型3」位の鍋の底面の大きさがあればまだ良いですが、ゴトクの大きさすれすれであれば、炎が側面にあたり、エネルギーをロスしてしまいます。
【さらなる「かさ上げ」】
そこで、さらに改良を狙い、次の手を打ちます。これです。

(スリーピン)
女性が髪留めとして使う「スリーピン」です。これも100円ショップで買えます。高熱が加わるので、塗装や樹脂装飾がないシンプルなステンレス製のものが良いでしょう。10個入りのものが100円(税別)でした。
これを、かき揚げリングに取り付けます。ちょうど穴がいい感じで開いていますので、このように真ん中のバーを通して固定します。

これを、上下に取り付けることで、上下長7.6cmを確保することができます。バーナーの上面からは3.4cmの距離ができます。

完成です。「自作」とは言いながらも加工は金ノコによる柄の切断のみ。大した作業ではありません。

【実利用と感想】
実際に試してみます。最初からゴトクの中にバーナーを入れておくべきですが、撮影の都合上、ゴトクは後でセットすることにします。アルコールバーナーに燃料を入れ...、

(お試しなので30ml程度入れる)
火を点けます。

20秒程度でノズルに火が回り...。

ここでゴトクをセットします。50秒程度で最大火力になります。

そして150mlの水を入れたステンレス製のカップを置いて、お湯の沸き方を観察します。

ピンを付けると、炎は側面の穴からは噴出せず、底面全体にうまく炎が当たっていることがわかります。

沸騰しました。時間にして約3分。コーヒーを入れるシーンなら、十分短時間ではないでしょうか。

今回は燃料を30ml入れましたが、沸騰後3分程度燃えていました。つまり、150mlのコーヒーを入れるのであれば、アルコールは15ml程度で良いということになります。
アルコールバーナーは本格的調理や炊飯(特にこの EVERNEW 製品)にはあまり向きませんが、音もなく炎を揺らしながら燃えてくれるので趣がありますね。食後のコーヒーを沸かすなどの用途には一押しのギアだと思います。
【関連ページ】
超軽量チタン製アルコールストーブ「EVERNEW EBY254」
ダイソーのステンレスマグカップに収まる超コンパクト湯沸かしセット
-----
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
最近 Evernew のチタン製アルコールバーナーを買いました。

このバーナーは、炎の噴出口(ノズル)が上下2段に付いているため、直接上に鍋などを置いて使うことが可能です。ただ、この場合は上段のノズルがふさがれますので火力が減少します。

一方、よく釜飯などを炊くためにつかう固形燃料。こちらは、その上に直接鍋などは乗せられません。

【ゴトクの必要性】
また、物理的に鍋を乗せられたとしても、熱効率という意味では最適ではありません。このアルコールバーナー、最大でこの位の炎が上がります。

(最大15cm程度まで炎が伸びる)
固形燃料でも10cm程度は炎があがります。炎の温度が高い部分は内炎よりも外炎であるため、燃料効率性の観点では外炎が鍋底に当たるようにしたいところです。
そこで、「ゴトク」が必要になりますが、出来合いのものですと、以下のようなものに人気があります。
(バーゴ チタニウム ヘキサゴンウッドストーブT-415
EVERNEW チタンアルコールストーブ用ゴトク EBY253
ただ、重量や完成度に注文を付けなければ、ゴトクを自作している方も多く、私は100円ショップのグッズを利用してゴトクを作ってみました(「自作」というのはおこがましいレベルですが)。
そこで調達したのがダイソーで売っていた「かき揚げリング」。

(ダイソーの「かき揚げリング」。ステンレス製)
このかき揚げリングは「柄」が付いていますので、その柄を金ノコで切り取ります。まずはそれだけで「完成」です。

あとは、このようにアルコールストーブを中に入れればOK。

これだけで、高さ6cmのゴトクが完成です。アルコールストーブ自体の高さは 4.2cm なので、1.8cm のマージンが確保できたことになります。

(撮影状況上目盛りが合ってないように見えるがリングの高さは6cm。)
注意点として、このかき揚げリングゴトクは炎に直接さらされますので全体が非常に高温になります。このゴトクを耐熱性のない面(樹脂や木材等)に置いて利用することは絶対に避けなければなりません。

(ゴトクは赤熱するほど高温になるので注意)
ところで、このかき揚げリング、縁(へり)に凹凸がなく、炎の逃げ場がありません。したがって、このような底面が平らな鍋を置くと...。

このように炎が横から吹き出し、熱効率を下げている印象があります。

上の写真で使っている「山クッカー角型3」位の鍋の底面の大きさがあればまだ良いですが、ゴトクの大きさすれすれであれば、炎が側面にあたり、エネルギーをロスしてしまいます。
【さらなる「かさ上げ」】
そこで、さらに改良を狙い、次の手を打ちます。これです。

(スリーピン)
女性が髪留めとして使う「スリーピン」です。これも100円ショップで買えます。高熱が加わるので、塗装や樹脂装飾がないシンプルなステンレス製のものが良いでしょう。10個入りのものが100円(税別)でした。
これを、かき揚げリングに取り付けます。ちょうど穴がいい感じで開いていますので、このように真ん中のバーを通して固定します。

これを、上下に取り付けることで、上下長7.6cmを確保することができます。バーナーの上面からは3.4cmの距離ができます。

完成です。「自作」とは言いながらも加工は金ノコによる柄の切断のみ。大した作業ではありません。

【実利用と感想】
実際に試してみます。最初からゴトクの中にバーナーを入れておくべきですが、撮影の都合上、ゴトクは後でセットすることにします。アルコールバーナーに燃料を入れ...、

(お試しなので30ml程度入れる)
火を点けます。

20秒程度でノズルに火が回り...。

ここでゴトクをセットします。50秒程度で最大火力になります。

そして150mlの水を入れたステンレス製のカップを置いて、お湯の沸き方を観察します。

ピンを付けると、炎は側面の穴からは噴出せず、底面全体にうまく炎が当たっていることがわかります。

沸騰しました。時間にして約3分。コーヒーを入れるシーンなら、十分短時間ではないでしょうか。

今回は燃料を30ml入れましたが、沸騰後3分程度燃えていました。つまり、150mlのコーヒーを入れるのであれば、アルコールは15ml程度で良いということになります。
アルコールバーナーは本格的調理や炊飯(特にこの EVERNEW 製品)にはあまり向きませんが、音もなく炎を揺らしながら燃えてくれるので趣がありますね。食後のコーヒーを沸かすなどの用途には一押しのギアだと思います。
【関連ページ】
超軽量チタン製アルコールストーブ「EVERNEW EBY254」
ダイソーのステンレスマグカップに収まる超コンパクト湯沸かしセット
-----
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: 自転車・アウトドア
タグ:
アルコールストーブ
go page top
« サドル下部に格安ソーラーテールライトを装着
格安防水シートをミニタープとして活用 »
この記事に対するコメント
はじめまして、へりたげと申します。
コンパクトクッカースタンドで検索していたらこちらにたどり着きました。
私も「かき揚げリング」を使ってゴトクを作ってみたのですが、空気の通りが悪く断念していました。「スリーピン」の発想、素晴らしいですね。早速試してみたいと思います。
ちなみに当方は柄の部分の溶接をドリルで外して一度分解をしました。径を小さくしたかったので弓のこで余分な分を切断し、リベットで固定してみました。
それでは失礼いたします。
コンパクトクッカースタンドで検索していたらこちらにたどり着きました。
私も「かき揚げリング」を使ってゴトクを作ってみたのですが、空気の通りが悪く断念していました。「スリーピン」の発想、素晴らしいですね。早速試してみたいと思います。
ちなみに当方は柄の部分の溶接をドリルで外して一度分解をしました。径を小さくしたかったので弓のこで余分な分を切断し、リベットで固定してみました。
それでは失礼いたします。
URL | へりたげ #-
2016/08/24 20:31 * 編集 *
2016/08/24 20:31 * 編集 *
Re: タイトルなし
へりたげさまコメントありがとうございました。一度分解してリベット固定ですか...。私よりずっと本格的ですね。出来合いを買わなくても、別物を色々と工夫・工作する。これがまた楽しかったりしますよね。
URL | 館長 #-
2016/08/24 21:01 * 編集 *
go page top
2016/08/24 21:01 * 編集 *
トラックバック
承認制としています。無関係なものは承認されない場合があります。
トラックバックURL
→https://ace.reviewmagic.jp/tb.php/612-a0b88bae
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→https://ace.reviewmagic.jp/tb.php/612-a0b88bae
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| h o m e |