子供用自転車のバンドブレーキをサーボブレーキに取り替え(その2)
2015.07.14/Tue/00:05:41
【バンドブレーキの弱点】
子供用自転車や安価なシティサイクルにはリアブレーキに「バンドブレーキ」が付いています。

このブレーキ、安価な割には制動力が強く、ある種の存在意義があります。ただし、このブレーキは内部のゴムバンドでローターを締め付ける力でブレーキをかける仕組みで、そのゴムバンドが経年変化で劣化すると、「キーッ!」というおなじみの異音が発生しがちになります。

私の子供(小学生)が使っている自転車はサイクルベースあさひが販売する「プレシジョン・ジュニア」です。

この自転車にもバンドブレーキが装着されています。

先日、上(長男)の子供が「フロントブレーキが鳴く」と言ってブレーキを交換したばかりですが、今度は下の子供が「リアブレーキが鳴く」と言ってきました。重なるときは重なります。話を聞くと、特に雨の時に大きな音が鳴って恥ずかしいとのこと。雨で濡れた時に音が鳴るのはバンドブレーキの宿命みたいなもの。安価なブレーキの弱点です。
【サーボブレーキに交換を決定】
そこで、このタイプのブレーキと互換性があり、性能や音鳴りの面で一線を画す「サーボブレーキ」に交換することにしました。

前回交換したサーボブレーキはシルバーでしたが、今回は車体のトーンに合わせ、ブラックのタイプを選定しました。

【交換作業】
まずは、後輪を外します。クイックリリースタイプではありませんが、車軸を留めているナットを外せば簡単に後輪が外れます。

次に、バンドブレーキ本体を留めている車軸ナットを緩めて外すと、バンドブレーキ本体も容易に外すことができます。前回バンドブレーキをサーボブレーキに交換した時と異なり、今回のバンドブレーキはそれほど劣化は進んでいませんでした。

【ローター取り外し】
さて、バンドブレーキ本体と取り外すと、こうなります。

これが、専用工具がないと取り外しが極めて難しい「ブレーキローター」です。このローター、ハブにねじ込み式で固定されていて、後輪でブレーキをかけるごとに強力な力で締めこまれてゆきます。結果、ある程度期間を経たローターは後輪ハブ軸に強力な力で締めこまれ、ちょっとやそっとでは取り外しができません。
分解作業における、いわゆる「ラスボス」のような存在です。見ようによっては、エヴァンゲリオンでの「サキエル」にも似てるし...。


さて、このラスボスを倒すには一筋縄ではいきません。正攻法は「これ」を買うこと。


ただし、数年に1度しか使わない工具に対して、5,000円はちょっと高い...。そこで、私は「これ」を使いました。

以前、フロントブレーキケーブルを取り替えた際に余っていたブレーキケーブルです。その他、ローター外しのための素材一式はこちら。棚を作ろうとして買ったにも関わらず、サイズ違いで日の目を見なかった、アイリスオーヤマのメタルラックシリーズのサイドバー。100円ショップで買った結束バンド(小)、それとブレーキケーブルです。

このブレーキローター、穴と穴の真ん中に車軸が通っているため、単なる丸棒や鉄板では、その車軸をクリアすることができません。その点、このサイドバーは真ん中にちょうど車軸を通すことができます。

そう、このサイドバーとブレーキローターの穴をブレーキワイヤーでくくりつけれる魂胆です。ブレーキワイヤーのしなやかさと強靭さは折り紙つき。このブレーキワイヤーを何回か穴に通せば、この「ラスボス」も陥落するに違いありません。
で、やってみます。まずは車軸のベアリングの玉押しを取り去ります。こうしないとサイドバーをローターに近づけられません。ベアリング部を開けたついでにグリスアップを行っておくと良いですね。

そして、サイドバーと「ラスボス」の穴にブレーキワイヤーを通し(今回は4回巻いた)、結束バンドで仮止め。その後ワイヤーを強く引っ張ってなるべく遊びをなくし、結束バンドを強く引っ張ってワイヤーを固定します。

あとは、力を入れやすいように、車輪を立て、サイドバーをハンドル代わりにして力を入れて緩めます....。緩める方向は、通常通りのネジ(正ねじ)なので、反時計回りです。

当初は、軽めに力をいれましたが、動きません。そこで、そこそこ強く、体重も使いながら「ぐっ」と回すと...。おっ!

ラスボス陥落です!強敵を倒した時のような、得も言われぬ快感が走ります。

後はサーボブレーキ用のローターをねじ込みます。これもブレーキ操作で締めこまれてゆきますので、手で回してゆき、最後止まるところまで回して装着すればOK。

あとは、サーボブレーキ本体を被せます。

その後、ブレーキワイヤ受け、スプリング等と取付、ブレーキワイヤーを通して完成です。

自転車によっては、バンドブレーキの時のアウターケーブル受けの位置が変わるため、ブレーキワイヤー(インナー、アウター)をこれ用に一式新調する必要があるかもしれません。

最後に、試運転し、アジャスターでブレーキ調整を行って完成です。

【感想】
サーボブレーキは、バンドブレーキと装着方法が同じであるため、いわゆる「ポン付け」が可能です。バンドブレーキのグレードアップには最適だと思います。自転車屋で交換してもらうとかなり工賃がかかると思いますが、自分で工夫して行えば、部品代+α程度でできますね。満足です。
【関連ページ】
バンドブレーキをサーボブレーキに取り換え
ディアリオのフロントブレーキ換装
SLR-EV に変わった新型105(BR-5800) 導入編
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
子供用自転車や安価なシティサイクルにはリアブレーキに「バンドブレーキ」が付いています。

このブレーキ、安価な割には制動力が強く、ある種の存在意義があります。ただし、このブレーキは内部のゴムバンドでローターを締め付ける力でブレーキをかける仕組みで、そのゴムバンドが経年変化で劣化すると、「キーッ!」というおなじみの異音が発生しがちになります。

私の子供(小学生)が使っている自転車はサイクルベースあさひが販売する「プレシジョン・ジュニア」です。

この自転車にもバンドブレーキが装着されています。

先日、上(長男)の子供が「フロントブレーキが鳴く」と言ってブレーキを交換したばかりですが、今度は下の子供が「リアブレーキが鳴く」と言ってきました。重なるときは重なります。話を聞くと、特に雨の時に大きな音が鳴って恥ずかしいとのこと。雨で濡れた時に音が鳴るのはバンドブレーキの宿命みたいなもの。安価なブレーキの弱点です。
【サーボブレーキに交換を決定】
そこで、このタイプのブレーキと互換性があり、性能や音鳴りの面で一線を画す「サーボブレーキ」に交換することにしました。

前回交換したサーボブレーキはシルバーでしたが、今回は車体のトーンに合わせ、ブラックのタイプを選定しました。

【交換作業】
まずは、後輪を外します。クイックリリースタイプではありませんが、車軸を留めているナットを外せば簡単に後輪が外れます。

次に、バンドブレーキ本体を留めている車軸ナットを緩めて外すと、バンドブレーキ本体も容易に外すことができます。前回バンドブレーキをサーボブレーキに交換した時と異なり、今回のバンドブレーキはそれほど劣化は進んでいませんでした。

【ローター取り外し】
さて、バンドブレーキ本体と取り外すと、こうなります。

これが、専用工具がないと取り外しが極めて難しい「ブレーキローター」です。このローター、ハブにねじ込み式で固定されていて、後輪でブレーキをかけるごとに強力な力で締めこまれてゆきます。結果、ある程度期間を経たローターは後輪ハブ軸に強力な力で締めこまれ、ちょっとやそっとでは取り外しができません。
分解作業における、いわゆる「ラスボス」のような存在です。見ようによっては、エヴァンゲリオンでの「サキエル」にも似てるし...。
さて、このラスボスを倒すには一筋縄ではいきません。正攻法は「これ」を買うこと。
ただし、数年に1度しか使わない工具に対して、5,000円はちょっと高い...。そこで、私は「これ」を使いました。

以前、フロントブレーキケーブルを取り替えた際に余っていたブレーキケーブルです。その他、ローター外しのための素材一式はこちら。棚を作ろうとして買ったにも関わらず、サイズ違いで日の目を見なかった、アイリスオーヤマのメタルラックシリーズのサイドバー。100円ショップで買った結束バンド(小)、それとブレーキケーブルです。

このブレーキローター、穴と穴の真ん中に車軸が通っているため、単なる丸棒や鉄板では、その車軸をクリアすることができません。その点、このサイドバーは真ん中にちょうど車軸を通すことができます。

そう、このサイドバーとブレーキローターの穴をブレーキワイヤーでくくりつけれる魂胆です。ブレーキワイヤーのしなやかさと強靭さは折り紙つき。このブレーキワイヤーを何回か穴に通せば、この「ラスボス」も陥落するに違いありません。
で、やってみます。まずは車軸のベアリングの玉押しを取り去ります。こうしないとサイドバーをローターに近づけられません。ベアリング部を開けたついでにグリスアップを行っておくと良いですね。

そして、サイドバーと「ラスボス」の穴にブレーキワイヤーを通し(今回は4回巻いた)、結束バンドで仮止め。その後ワイヤーを強く引っ張ってなるべく遊びをなくし、結束バンドを強く引っ張ってワイヤーを固定します。

あとは、力を入れやすいように、車輪を立て、サイドバーをハンドル代わりにして力を入れて緩めます....。緩める方向は、通常通りのネジ(正ねじ)なので、反時計回りです。

当初は、軽めに力をいれましたが、動きません。そこで、そこそこ強く、体重も使いながら「ぐっ」と回すと...。おっ!

ラスボス陥落です!強敵を倒した時のような、得も言われぬ快感が走ります。

後はサーボブレーキ用のローターをねじ込みます。これもブレーキ操作で締めこまれてゆきますので、手で回してゆき、最後止まるところまで回して装着すればOK。

あとは、サーボブレーキ本体を被せます。

その後、ブレーキワイヤ受け、スプリング等と取付、ブレーキワイヤーを通して完成です。

自転車によっては、バンドブレーキの時のアウターケーブル受けの位置が変わるため、ブレーキワイヤー(インナー、アウター)をこれ用に一式新調する必要があるかもしれません。

最後に、試運転し、アジャスターでブレーキ調整を行って完成です。

【感想】
サーボブレーキは、バンドブレーキと装着方法が同じであるため、いわゆる「ポン付け」が可能です。バンドブレーキのグレードアップには最適だと思います。自転車屋で交換してもらうとかなり工賃がかかると思いますが、自分で工夫して行えば、部品代+α程度でできますね。満足です。
【関連ページ】
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
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カテゴリ: 自転車・アウトドア
タグ:
サーボブレーキ
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