折りたたみ自転車のブレーキをデュアルピボットに換装 ALHONGA HJ-714AG
2013.10.20/Sun/16:44:59
【ブレーキ強化の必要性】
現在所有している自転車の1台は、このような小径(16インチ)折りたたみ自転車です。

台湾製(Neobike)の Neocompo という、OLD Dahon と 旧型 Brompton を掛け合わせたような自転車です。

この Neobike 社は台湾でブロンプトンの製造を請け負っていた自転車メーカーだったらしく、旧型ブロンプトンの部品を密かに使って(例えば変速機やハンドル、ハンドルポスト)この自転車を作ったようで、それなりにいい部品を使って作られています。例えば、今時10,000円未満で売られている廉価車であれば、クランク、リム、ハンドルは鉄製ですが、この自転車はふんだんにアルミ部品が使われています。
この自転車を買った当時(1999年)はブロンプトンは 76,000円。2013年版ブロンプトン M3L は157,500円ですので、今の半額未満だったんです。

(エイムック152「折りたたみ自転車の本」枻出版社 1999年7月出版より)
したがって、当時 40,000円程度で買ったこの neobike も、ブランド名が無い分、それなりのコストをかけることができたのではないかと考えています。
ブレーキキャリパーも鉄ではなくアルミ製が使われています。

しかし、このブレーキは今となっては廉価版の「シングルピボット」です。

お世辞にも高性能とは言えません。どんなにブレーキワイヤーの遊びを調整しても、後輪だけでは近所の急坂で停止状態をキープできませんでした。
雨になろうものならブレーキをかけても全然止まりません。リムに油が塗ってあるごとく、ぬるぬると減速してゆくありさまで、幾度危ない目にあったことかわかりません。
オリジナル部品で、壊れることなく機能していたため、交換を今までためらっていましたが、意を決してブレーキキャリパーを交換することにしました。
【ALHONGA HJ-714AG】
そこで、何が装着できるのか調査をします。この自転車はロードバイクではありません。部品はどちらかというと、ママチャリ系の部品で構成されています。ブレーキキャリパーもブレーキ取付部からリムからの距離(アーチサイズ)がそれなりにあり、ドロヨケ部をクリアできるようにアーチが大きいものを選ぶ必要がありました。
アーチサイズを測ると、フロントが 62mm、リアが 73mm という結果でした。これを満たす必要があります。さらに、本来の目的であるブレーキ能力の強化ということを考えると、デュアルピボットキャリパーブレーキである必要があります。
そこで、最後まで残ったのが以下の2つ。Tektro 800A か ALHONGA HJ-714AG でした。


TEKTRO(テクトロ) キャリパーブレーキ 800A フロント


ALHONGA HJ-714AG キャリパーブレーキ ( シティ車用ブレーキ ) アルホンガ デュアルピボットブレーキ HJ-714AG-F
800A のアーチサイズは 61~78mm、HJ-714AG のアーチサイズは 57~75mm。リアに適用した場合、ブレーキシューがリムの適切な位置に配置できるかが多少不安でしたが、HJ-714AG の方がデザインが好みで、付属のブレーキシューも 800A よりも高級感があったため、HJ-714AG を購入することにしました。

さすがに剛性感が高く、がっしりとしています。期待が持てます。

前ブレーキと後ろブレーキでは、構造の違いはありません。

中央のシャフトの長さが違うだけです(後用の方がシャフトが短い)。

【交換作業】
さて交換です。まずは、ブレーキワイヤーを外します。

次に、キャリパーから遠いほうのシャフトナットを外します。この前ブレーキには、反射板(リフレクター)と前用ドロヨケが共締めされています。

あとは、ブレーキを前に抜けば取り外し完了です。

新旧を並べてみると、旧型はペラペラで華奢ですね。また新型は表面加工がきれいです。

重さを測ってみます。旧キャリパーは 157g、それに対して ALHONGA HJ-714AG は 210g でした(53g増)。
まあ、このように並べてみると、新(HJ-714AG)の方が、これだけがっしり作られているのだからしょうがないです。

新しいキャリパーを付けます。

高級感が増して、いい感じです。

つづいて後輪用のブレーキを交換します。

後輪用のブレーキの重量です。同じ構造ならば後輪用ブレーキの方がシャフト長が短い分、軽くなります(数グラム)。旧キャリパーの方は、前ブレーキよりも後ろブレーキの方が重いですが、その理由は後ろブレーキの方がサイズが大きいブレーキを装着していたからです。
リアも装着完了です。

ただし、リアはアーチサイズが本当にぎりぎりです。

ブレーキパッドの位置を先端にして、やっとタイヤへの接触を回避できているような状況。

デュアルピボットブレーキはブレーキの厚みがあり、シングルピボット時よりもブレーキシューの位置がタイヤの中心線よりも若干遠くなってしまったため、もう少しマージンが必要だったようです。今はブレーキシューのゴムの接触部がシューよりも若干内側にあるためタイヤへの接触が回避できていますが、シューが減ってきたらタイヤに接触しそうです。様子を見て、シュー取付部の穴をヤスリで削ったりして、打開策を図りたいと思います。
教訓として、アーチ長に関しては余裕を見た方が良いと思います。実測よりも 5mm 程度は長いアーチ長の仕様の物を買うべきでしょう。
【追記】
その後、チェーンが伸びてしまっていることが分かったので、チェーンを新しくしました。

あたらしいチェーンに交換し、チェーンの長さが全体で約2cm位短くなったので後輪の車軸の位置が約1cm前に移動しました。その結果、ブレーキ取付部から後輪の位置が近くなり、後ろのブレーキのアーチ長の不足が解消しました。

(後部ブレーキ右側)

(後部ブレーキ左側)
これで、安心してこのブレーキを使い続けることができるようになりました。
【感想】
まず外観。それほど面積を占めるものではないですが、ピカピカの塊が付いているのがピンポイントで効いています。



あと、ブレーキ性能ですが、「止まります!」。今までと比べると感動的な位。さすがに後輪のみのブレーキでホイールロックまでは行きませんが、前後同時ブレーキでは後輪がロックするレベルまでのストッピングパワーが得られました。
これで、安全性が数段強化されました。積年の課題が改善されて大満足です。
あとは、もう少し「カチッ」としたブレーキフィールが欲しいかな。ブレーキワイヤーを伸びにくいものにするのが良いのか、ブレーキレバーを変えるべきなのか悩みます。今付いているブレーキレバーは、購入当初から付属している樹脂製のレバーです(Vanguardという刻印あり)。

これを、SHIMANO の BL-R550 に替えると、相当フィーリングがカチッとするという評判なので、いつか実行してみたいです。


SHIMANO(シマノ) フラットバーシリーズ ブレーキレバー ブラック BL-R550-L
【関連ページ】
ブレーキレバーを樹脂製からアルミ製(BL-R550)に付け替え
ALHONGA 公式HP
HJ-714AG 製品情報
ブロンプトン正規代理店 ミズタニ自転車 Brompton Lineup HP
-----
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
現在所有している自転車の1台は、このような小径(16インチ)折りたたみ自転車です。

台湾製(Neobike)の Neocompo という、OLD Dahon と 旧型 Brompton を掛け合わせたような自転車です。

この Neobike 社は台湾でブロンプトンの製造を請け負っていた自転車メーカーだったらしく、旧型ブロンプトンの部品を密かに使って(例えば変速機やハンドル、ハンドルポスト)この自転車を作ったようで、それなりにいい部品を使って作られています。例えば、今時10,000円未満で売られている廉価車であれば、クランク、リム、ハンドルは鉄製ですが、この自転車はふんだんにアルミ部品が使われています。
この自転車を買った当時(1999年)はブロンプトンは 76,000円。2013年版ブロンプトン M3L は157,500円ですので、今の半額未満だったんです。

(エイムック152「折りたたみ自転車の本」枻出版社 1999年7月出版より)
したがって、当時 40,000円程度で買ったこの neobike も、ブランド名が無い分、それなりのコストをかけることができたのではないかと考えています。
ブレーキキャリパーも鉄ではなくアルミ製が使われています。

しかし、このブレーキは今となっては廉価版の「シングルピボット」です。

お世辞にも高性能とは言えません。どんなにブレーキワイヤーの遊びを調整しても、後輪だけでは近所の急坂で停止状態をキープできませんでした。
雨になろうものならブレーキをかけても全然止まりません。リムに油が塗ってあるごとく、ぬるぬると減速してゆくありさまで、幾度危ない目にあったことかわかりません。
オリジナル部品で、壊れることなく機能していたため、交換を今までためらっていましたが、意を決してブレーキキャリパーを交換することにしました。
【ALHONGA HJ-714AG】
そこで、何が装着できるのか調査をします。この自転車はロードバイクではありません。部品はどちらかというと、ママチャリ系の部品で構成されています。ブレーキキャリパーもブレーキ取付部からリムからの距離(アーチサイズ)がそれなりにあり、ドロヨケ部をクリアできるようにアーチが大きいものを選ぶ必要がありました。
アーチサイズを測ると、フロントが 62mm、リアが 73mm という結果でした。これを満たす必要があります。さらに、本来の目的であるブレーキ能力の強化ということを考えると、デュアルピボットキャリパーブレーキである必要があります。
そこで、最後まで残ったのが以下の2つ。Tektro 800A か ALHONGA HJ-714AG でした。
TEKTRO(テクトロ) キャリパーブレーキ 800A フロント
ALHONGA HJ-714AG キャリパーブレーキ ( シティ車用ブレーキ ) アルホンガ デュアルピボットブレーキ HJ-714AG-F
800A のアーチサイズは 61~78mm、HJ-714AG のアーチサイズは 57~75mm。リアに適用した場合、ブレーキシューがリムの適切な位置に配置できるかが多少不安でしたが、HJ-714AG の方がデザインが好みで、付属のブレーキシューも 800A よりも高級感があったため、HJ-714AG を購入することにしました。

さすがに剛性感が高く、がっしりとしています。期待が持てます。

前ブレーキと後ろブレーキでは、構造の違いはありません。

中央のシャフトの長さが違うだけです(後用の方がシャフトが短い)。

【交換作業】
さて交換です。まずは、ブレーキワイヤーを外します。

次に、キャリパーから遠いほうのシャフトナットを外します。この前ブレーキには、反射板(リフレクター)と前用ドロヨケが共締めされています。

あとは、ブレーキを前に抜けば取り外し完了です。

新旧を並べてみると、旧型はペラペラで華奢ですね。また新型は表面加工がきれいです。

重さを測ってみます。旧キャリパーは 157g、それに対して ALHONGA HJ-714AG は 210g でした(53g増)。
![]() | ![]() |
旧キャリパー(LEECH)は157g | HJ-714AG(フロント)は210g |
まあ、このように並べてみると、新(HJ-714AG)の方が、これだけがっしり作られているのだからしょうがないです。

新しいキャリパーを付けます。

高級感が増して、いい感じです。

つづいて後輪用のブレーキを交換します。

後輪用のブレーキの重量です。同じ構造ならば後輪用ブレーキの方がシャフト長が短い分、軽くなります(数グラム)。旧キャリパーの方は、前ブレーキよりも後ろブレーキの方が重いですが、その理由は後ろブレーキの方がサイズが大きいブレーキを装着していたからです。
![]() | ![]() |
旧キャリパー(リア)は162g | HJ-714AG(リア)は206g |
リアも装着完了です。

ただし、リアはアーチサイズが本当にぎりぎりです。

ブレーキパッドの位置を先端にして、やっとタイヤへの接触を回避できているような状況。

デュアルピボットブレーキはブレーキの厚みがあり、シングルピボット時よりもブレーキシューの位置がタイヤの中心線よりも若干遠くなってしまったため、もう少しマージンが必要だったようです。今はブレーキシューのゴムの接触部がシューよりも若干内側にあるためタイヤへの接触が回避できていますが、シューが減ってきたらタイヤに接触しそうです。様子を見て、シュー取付部の穴をヤスリで削ったりして、打開策を図りたいと思います。
教訓として、アーチ長に関しては余裕を見た方が良いと思います。実測よりも 5mm 程度は長いアーチ長の仕様の物を買うべきでしょう。
【追記】
その後、チェーンが伸びてしまっていることが分かったので、チェーンを新しくしました。

あたらしいチェーンに交換し、チェーンの長さが全体で約2cm位短くなったので後輪の車軸の位置が約1cm前に移動しました。その結果、ブレーキ取付部から後輪の位置が近くなり、後ろのブレーキのアーチ長の不足が解消しました。

(後部ブレーキ右側)

(後部ブレーキ左側)
これで、安心してこのブレーキを使い続けることができるようになりました。
【感想】
まず外観。それほど面積を占めるものではないですが、ピカピカの塊が付いているのがピンポイントで効いています。



あと、ブレーキ性能ですが、「止まります!」。今までと比べると感動的な位。さすがに後輪のみのブレーキでホイールロックまでは行きませんが、前後同時ブレーキでは後輪がロックするレベルまでのストッピングパワーが得られました。
これで、安全性が数段強化されました。積年の課題が改善されて大満足です。
あとは、もう少し「カチッ」としたブレーキフィールが欲しいかな。ブレーキワイヤーを伸びにくいものにするのが良いのか、ブレーキレバーを変えるべきなのか悩みます。今付いているブレーキレバーは、購入当初から付属している樹脂製のレバーです(Vanguardという刻印あり)。

これを、SHIMANO の BL-R550 に替えると、相当フィーリングがカチッとするという評判なので、いつか実行してみたいです。
SHIMANO(シマノ) フラットバーシリーズ ブレーキレバー ブラック BL-R550-L
【関連ページ】
ブレーキレバーを樹脂製からアルミ製(BL-R550)に付け替え
ALHONGA 公式HP
HJ-714AG 製品情報
ブロンプトン正規代理店 ミズタニ自転車 Brompton Lineup HP
-----
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
- 関連記事
-
- ブレーキレバーを樹脂製からアルミ製(BL-R550)に付け替え
- チェーンの経年変化による伸びと交換
- 普段使い用ロードバイクにハーフトゥクリップを装着 VP-700
- 折りたたみ自転車のブレーキをデュアルピボットに換装 ALHONGA HJ-714AG
- 後方確認に便利なロードバイク用バックミラー Busch & Muler 901/2
- スターメー・アーチャー AW-3 のオーバーホール
- フレームを傷つけないで装着できるスタンド Bikeguy QR Stand
カテゴリ: 自転車・アウトドア
go page top
« 普段使い用ロードバイクにハーフトゥクリップを装着 VP-700
後方確認に便利なロードバイク用バックミラー Busch & Muler 901/2 »
この記事に対するコメント
go page top
トラックバック
承認制としています。無関係なものは承認されない場合があります。
トラックバックURL
→https://ace.reviewmagic.jp/tb.php/481-8c5bf0a2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→https://ace.reviewmagic.jp/tb.php/481-8c5bf0a2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| h o m e |