スターメー・アーチャー AW-3 のオーバーホール
2013.10.06/Sun/11:40:28
【Sturmey Archer AW-3 内装変速装置】
現在所有中の折りたたみ自転車に装着されている変速機は、旧型ブロンプトンに採用されている変速機と同じ、スターメー・アーチャー AW-3 3速内装変速装置です。

実は、この変速機、1998年9月にイギリスで製造されています。かれこれ15年経っていることになります。

多少のメンテナンスをしてあげていますが、いままで部品が壊れたことはありません。非常に堅牢な作りです。
【ひさびさのメンテナンス】
変速ワイヤーに引っ掛かりや重さを感じてきたので、メンテナンスを行いました。大抵は「カラ割り」(変速装置本体を取り出すこと)をせずに、スプロケット側フランジを開けて、内部をパーツクリーナーで洗浄し、再注油するだけで終えていたのですが、今回は全部品をオーバーホールしました。
本体を取り出すと、このようになっています。

(前回オーバーホールしたときの写真。今回は車軸はハブシェルに残した)

(前回オーバーホールしたときの写真。今回は車軸はハブシェルに残した)
部品の固定のためだけの E ワッシャーなどはなく、ハブシェルやハブナットの固定によって部品が結合されます。本体を取り出した後は、部品がすべて簡単にばらばらになります。洗練された工業製品設計の極みです。

(各部品をばらして洗浄したあと)
今回は車軸の横方向の位置をずらしたくなかったので、車軸をアウターハブに残してばらしました。


上記のアウターハブと車軸、それにベアリングやハブナットを除き、以下がばらした変速機のパーツ全体です。

約50のパーツで構成されます。このレベルであれば、何とか自分でメンテすることもでき、機械いじりとしては適度なレベルです。
この変速機をオーバーホールしていてほれぼれするのは、各部品の品質と強度バランスです。例えば、堅牢性が要求されるギアリングやプラネットケージは、自動車のギアなどに使われるレベルの炭素鋼で作られています。

(ギアリングとプラネットケージ)

(ギアリングとプラネットケージ)

(プラネットケージ、ボールリング、ドライバー)
力が加わるラチェットとラチェットピンも良い素材と適度な寸法で強度を担保している一方、力のかからない Pawl Spring(ラチェット用スプリング)については徹底的に細い素材を利用しています。

今まで2万キロ位この自転車に乗っているとして、自転車のタイヤの外周が122cmということを考えると、タイヤはおよそ、1640万回転したことになります。この Pawl Spring に関してもアウターシェル内のラチェット受けの数が1周20個ということ、ペダルを漕いでいる場合はラチェットが作動しないので、その割合を50%とすると、1640万×10 = 1億6,400万回、このスプリングは作動していることを意味します。
それを考えると、この Paul Spring、細いながらも途方もない耐久性を持っていることが分かります。
このスプリング、相当小さく、踏んだりしたら簡単に折れてしまいます。AW-3 を分解する場合は、紛失したり破損したりしないよう、細心の注意が必要です。上記耐久性を考えると、同等な品質なものをピアノ線で自作するなんて不可能ですから。

【関連ページ】
スターメーアーチャー AW-3 のコアパーツの交換
スターメー・アーチャー AWタイプ 内装3段変速機のメンテナンス
折りたたみ自転車前輪ハブのメンテナンス
ペダルのベアリングのメンテナンス
自転車ヘッド部のメンテナンス
AW ハブギアのメンテナンスマニュアル(PDF)
Sturmey Archer 社公式ホームページ
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
現在所有中の折りたたみ自転車に装着されている変速機は、旧型ブロンプトンに採用されている変速機と同じ、スターメー・アーチャー AW-3 3速内装変速装置です。

実は、この変速機、1998年9月にイギリスで製造されています。かれこれ15年経っていることになります。

多少のメンテナンスをしてあげていますが、いままで部品が壊れたことはありません。非常に堅牢な作りです。
【ひさびさのメンテナンス】
変速ワイヤーに引っ掛かりや重さを感じてきたので、メンテナンスを行いました。大抵は「カラ割り」(変速装置本体を取り出すこと)をせずに、スプロケット側フランジを開けて、内部をパーツクリーナーで洗浄し、再注油するだけで終えていたのですが、今回は全部品をオーバーホールしました。
本体を取り出すと、このようになっています。

(前回オーバーホールしたときの写真。今回は車軸はハブシェルに残した)

(前回オーバーホールしたときの写真。今回は車軸はハブシェルに残した)
部品の固定のためだけの E ワッシャーなどはなく、ハブシェルやハブナットの固定によって部品が結合されます。本体を取り出した後は、部品がすべて簡単にばらばらになります。洗練された工業製品設計の極みです。

(各部品をばらして洗浄したあと)
今回は車軸の横方向の位置をずらしたくなかったので、車軸をアウターハブに残してばらしました。


上記のアウターハブと車軸、それにベアリングやハブナットを除き、以下がばらした変速機のパーツ全体です。

約50のパーツで構成されます。このレベルであれば、何とか自分でメンテすることもでき、機械いじりとしては適度なレベルです。
この変速機をオーバーホールしていてほれぼれするのは、各部品の品質と強度バランスです。例えば、堅牢性が要求されるギアリングやプラネットケージは、自動車のギアなどに使われるレベルの炭素鋼で作られています。

(ギアリングとプラネットケージ)

(ギアリングとプラネットケージ)

(プラネットケージ、ボールリング、ドライバー)
力が加わるラチェットとラチェットピンも良い素材と適度な寸法で強度を担保している一方、力のかからない Pawl Spring(ラチェット用スプリング)については徹底的に細い素材を利用しています。

今まで2万キロ位この自転車に乗っているとして、自転車のタイヤの外周が122cmということを考えると、タイヤはおよそ、1640万回転したことになります。この Pawl Spring に関してもアウターシェル内のラチェット受けの数が1周20個ということ、ペダルを漕いでいる場合はラチェットが作動しないので、その割合を50%とすると、1640万×10 = 1億6,400万回、このスプリングは作動していることを意味します。
それを考えると、この Paul Spring、細いながらも途方もない耐久性を持っていることが分かります。
このスプリング、相当小さく、踏んだりしたら簡単に折れてしまいます。AW-3 を分解する場合は、紛失したり破損したりしないよう、細心の注意が必要です。上記耐久性を考えると、同等な品質なものをピアノ線で自作するなんて不可能ですから。

【関連ページ】
スターメーアーチャー AW-3 のコアパーツの交換
スターメー・アーチャー AWタイプ 内装3段変速機のメンテナンス
折りたたみ自転車前輪ハブのメンテナンス
ペダルのベアリングのメンテナンス
自転車ヘッド部のメンテナンス
AW ハブギアのメンテナンスマニュアル(PDF)
Sturmey Archer 社公式ホームページ
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: 自転車・アウトドア
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