リーズナブルな常時測定型心拍計 mio ENERGY PRO
2013.02.11/Mon/17:44:57
![]() | トレーニングや普段の生活時の「心拍」を気軽に把握できるように「心拍計」を購入しました。この mio ENERGY PRO は胸ストラップによる常時計測と指タッチによるオンデマンド計測の両方に対応したトレーニングウォッチです。 |
【心拍数について】
心拍数とは1分間に心臓が拍動する回数です。そして、それは運動強度に密接な関係があります。簡単に言うと「激しい運動をしている時ほど、心拍数が高くなる」ということになります。しかし、個人の年齢や能力に応じて心拍数の具体的数値が意味する運動強度は異なります。
個人の運動強度を心拍数と関連付けるためには、その人の安静時心拍数と最大心拍数を割り出す必要があります。安静時心拍数とは、朝自然に目覚めた直後の心拍数が目安で、男性で60~70程度、女性で65~75程度と言われています。
最大心拍数とは、過酷な運動を行ったときなど、その人の心臓が最も速く拍動する場合の心拍数です。正確には、心拍計を装着して可能な限りの速さで 1,500m 走などを行った際に記録される最大心拍数をその値としますが、簡略的には
最大心拍数: 220 - 実年齢
と近似されると言われています(以下の表参照)。
表 年齢と最大心拍数
【MHR による心拍トレーニング】
心拍トレーニングで用いる重要な尺度に「MHR」があります。MHR とは "Maxium Heart Rate" の略であり、その値は下記で計算されます。
MHR(%): (測定心拍数)÷(最大心拍数)× 100
例えば、安静時心拍数が 50 である 20歳の人の理論的 MHR 範囲は、25%~100% となりますが、その中のゾーンに応じて、トレーニング効果が異なります。目標とする効果に応じて、この MHR のゾーンを選択し、そのゾーンにトレーニング時の心拍数を保つというのが心拍トレーニングの肝です。
表 MHRゾーンとトレーニング効果
(参考: addidas miCoach HP)
効率的にトレーニングを行うためには、その目的に沿ったMHRゾーン内に心拍数をキープする必要があります。
【心拍計について】
トレーニング用心拍計については、下記の御三家が有名です。
ポラール(POLAR)
ガーミン(GARMIN)
スント(SUUNTO)
今回取り上げた mio ENERGY PRO の前に、上記ブランドの製品の購入を検討しました。確かに上記の製品は良いのですが、機能、デザイン、価格の3つを満足するものが残念ながらありませんでした。「良いな」と思ったモデルは大抵価格的に2万円超えとなってしまい、ちょっと購入を躊躇してしまいました。
高価な物は機能や素材などで秀でたものがありますが、私が必要とする機能は以下の点でした。
・普段使いにもしたいので、デザイン上、余りにチープではないもの
・心拍の正確な常時計測ができるもの(胸ストラップ利用)
・胸ストラップがなくても必要に応じて随時計測できるもの(希望機能)
そこで、検討を重ねた結果、並行輸入品であれば1万円以下で買える mio ENERGY PRO の購入となったわけです。

(パッケージ表面)

(パッケージ裏面)

(パッケージ底部)

(パッケージ内容)
ポラールやガーミン、スントなどの上位機種は、データをサイトに転送して履歴を含めた総合的管理ができたり、GPS やケイデンスセンサーが付いていたり、高度な機能を持っていますが、今回はこのような高機能は望まず、心拍数の表示という基本機能を念頭に機種選定を行いました。
【mio ENERGY PRO】
それでも、この mio ENERGY PRO は、mio ブランドの心拍計としての最上位機種の位置づけであり、かなりの機能を持っています(抜粋)。
<時計関連機能>
・現在時刻表示(日・曜日・時分秒)
・1/100秒クロノグラフ(25ラップ計測)
・定時チャイム(毎時)
・アラーム(1時点)
・カウントダウンタイマー
・ELバックライト
<心拍計測モード>
・常時計測(胸ストラップ利用)
・随時計測(指タッチ方式)
・MHRターゲットゾーン設定(プリセット、ユーザー独自)
・ターゲットゾーン逸脱時アラーム機能(下・上独立設定)
<計測心拍表示>
・MHR(%)
・ラップ別最大・平均心拍数
・心拍ゾーン滞在時間(ゾーン下、ゾーン内、ゾーン超過)
・消費カロリー
・トレーニング合計時間(クロノグラフ機能と共通)
図 表示各部の説明(マニュアルより)

【個別表示モード紹介】
各表示モードの写真を紹介します。

(時計表示モード)

(心拍・時刻表示モード)
最長10時間計測可能なクロノグラフを使ってラップ別平均心拍数を表示したものです。

(心拍数ラップ平均表示モード)
カウントダウンタイマーをクロノグラフと独立して利用可能です。写真は5分にセットした例。

(カウントダウンタイマー)
ターゲットとして設定した HRM ゾーンに対して、そのゾーン以下、ゾーン内、ゾーン超過の合計時間を表示することもできます。

(HRM設定ゾーン以下合計滞在時間)

(HRM設定ゾーン内合計滞在時間)

(HRM設定ゾーン超過合計滞在時間)

(消費カロリー)

(燃焼脂肪量)

(心拍数・現在時刻両表示モード)

(ラップ別最大・平均心拍数)

(合計・ラップ別トレーニング時間)
【胸ストラップについて】
胸ストラップについては、センサー本体が樹脂製、ベルト部分は布引きゴムバンド製でした。他社のストラップを良く知らないのであまり比較はできませんが、特に品質上の問題は見受けられませんでした。水洗いした際の耐久性等に関しては現在のところ未知数です。

(センサー部とバンド部は分離可能)
電源スイッチなどはありません。時計を心拍計測モードにすると、何らかのトリガーがセンサーに発信され、自動的に電源が入る仕組みになっているのではないでしょうか。仕様によると、胸ストラップの電池寿命は200時間ということでした。また、センサー部左右のベルト裏側(胸に当たる部分)には滑り止めパッドが貼られていて、センサー部がずり落ちないように配慮されています。

(センサー電源はCR2032x1)
肝心の心拍の捕捉性能ですが、特に問題はありませんでした。ストラップを装着し、時計を心拍表示モードにすると、およそ10秒後に問題なく心拍が表示されます。
【感想・まとめ】
本格的トレーニングが必要なアスリートは、日々の記録をログとして蓄積・分析する必要があるので、この製品では不足かもしれません。しかし「今、心拍はどの程度なのだろう」という疑問に答えるという要求であれば、この mio ENERGY PROはその条件を完全に満たしています。
また、普段使いという面においても、指によるタッチ測定用のステンレスベゼルがデザイン上の良いアクセントとなっており、アスリート用軽量ウォッチにありがちな「ペラペラ感」がありません。
ステンレスベゼルに指でタッチして計測する「オンデマンド」計測ですが、指と腕が電気的に導通する必要があるので、装着直後や指が極度に乾燥しているような場合は測定に時間がかかることがあります。しかし通常はタッチして数秒後に心拍が正確に表示されるので、性能上も問題ないと感じています。いつも胸ストラップをしているわけではないので、通勤途中に駅まで速足で歩いた場合、階段昇降中などのポイントで手軽に心拍を計測できるこの機能は案外便利だと思いました。
実測重量は 48g でした。ポラールの RCX3(46g) と同等です。金属部が多い割には軽く仕上がっています。

また公式HPの記述も48.5gとあり、食い違いはありませんでした。(公式製品HP)
ELパネルによるバックライト機能がありますが、このELの明るさは、もう少し明るくても良いと感じました。この製品を自転車のハンドルにくくりつけていて夜間に文字盤を確認する場合、このELの照度では視認性が悪いと感じました。ただ、これは電池寿命とのトレードオフでしょう。明るくして電池寿命が短くなるのは困りますので、これで良しとします。
あと、前面の表示部カバーは「アクリル製」です。平面ではないため、保護シートを貼ることも難しそうです。固いものに当てないよう気を付けて使うか、多少のキズは付くものと割り切って使う必要がありそうです。
これから、使い続けていくと物足りなさや不具合なども出てくるとは思いますが、本格的なトレーニングを行っている身ではないので、私としてはこれで十分満足です。
【関連ページ】
mio Watch 公式HP
mio ENERGY PRO 商品紹介ページ
ポラール(POLAR)公式HP
ガーミン(GARMIN)公式HP
スント(SUUNTO)公式HP
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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
心拍数とは1分間に心臓が拍動する回数です。そして、それは運動強度に密接な関係があります。簡単に言うと「激しい運動をしている時ほど、心拍数が高くなる」ということになります。しかし、個人の年齢や能力に応じて心拍数の具体的数値が意味する運動強度は異なります。
個人の運動強度を心拍数と関連付けるためには、その人の安静時心拍数と最大心拍数を割り出す必要があります。安静時心拍数とは、朝自然に目覚めた直後の心拍数が目安で、男性で60~70程度、女性で65~75程度と言われています。
最大心拍数とは、過酷な運動を行ったときなど、その人の心臓が最も速く拍動する場合の心拍数です。正確には、心拍計を装着して可能な限りの速さで 1,500m 走などを行った際に記録される最大心拍数をその値としますが、簡略的には
最大心拍数: 220 - 実年齢
と近似されると言われています(以下の表参照)。
表 年齢と最大心拍数
年齢 | 最大心拍数 |
---|---|
20 | 200 |
25 | 195 |
30 | 190 |
35 | 185 |
40 | 180 |
45 | 175 |
50 | 170 |
55 | 165 |
60 | 160 |
65 | 155 |
【MHR による心拍トレーニング】
心拍トレーニングで用いる重要な尺度に「MHR」があります。MHR とは "Maxium Heart Rate" の略であり、その値は下記で計算されます。
MHR(%): (測定心拍数)÷(最大心拍数)× 100
例えば、安静時心拍数が 50 である 20歳の人の理論的 MHR 範囲は、25%~100% となりますが、その中のゾーンに応じて、トレーニング効果が異なります。目標とする効果に応じて、この MHR のゾーンを選択し、そのゾーンにトレーニング時の心拍数を保つというのが心拍トレーニングの肝です。
表 MHRゾーンとトレーニング効果
MHRゾーン(%) | トレーニング強度 | 効果 |
---|---|---|
90~95 | ハードトレーニング | 体の限界を引き出す・高める |
85~90 | 高強度 | 体力をより高める |
75~85 | 心地よい運動 | 脂肪燃焼 |
65~75 | ウォームアップ | 有酸素運動に体を慣らす |
効率的にトレーニングを行うためには、その目的に沿ったMHRゾーン内に心拍数をキープする必要があります。
【心拍計について】
トレーニング用心拍計については、下記の御三家が有名です。
ポラール(POLAR)
ガーミン(GARMIN)
スント(SUUNTO)
今回取り上げた mio ENERGY PRO の前に、上記ブランドの製品の購入を検討しました。確かに上記の製品は良いのですが、機能、デザイン、価格の3つを満足するものが残念ながらありませんでした。「良いな」と思ったモデルは大抵価格的に2万円超えとなってしまい、ちょっと購入を躊躇してしまいました。
高価な物は機能や素材などで秀でたものがありますが、私が必要とする機能は以下の点でした。
・普段使いにもしたいので、デザイン上、余りにチープではないもの
・心拍の正確な常時計測ができるもの(胸ストラップ利用)
・胸ストラップがなくても必要に応じて随時計測できるもの(希望機能)
そこで、検討を重ねた結果、並行輸入品であれば1万円以下で買える mio ENERGY PRO の購入となったわけです。

(パッケージ表面)

(パッケージ裏面)

(パッケージ底部)

(パッケージ内容)
ポラールやガーミン、スントなどの上位機種は、データをサイトに転送して履歴を含めた総合的管理ができたり、GPS やケイデンスセンサーが付いていたり、高度な機能を持っていますが、今回はこのような高機能は望まず、心拍数の表示という基本機能を念頭に機種選定を行いました。
【mio ENERGY PRO】
それでも、この mio ENERGY PRO は、mio ブランドの心拍計としての最上位機種の位置づけであり、かなりの機能を持っています(抜粋)。
<時計関連機能>
・現在時刻表示(日・曜日・時分秒)
・1/100秒クロノグラフ(25ラップ計測)
・定時チャイム(毎時)
・アラーム(1時点)
・カウントダウンタイマー
・ELバックライト
<心拍計測モード>
・常時計測(胸ストラップ利用)
・随時計測(指タッチ方式)
・MHRターゲットゾーン設定(プリセット、ユーザー独自)
・ターゲットゾーン逸脱時アラーム機能(下・上独立設定)
<計測心拍表示>
・MHR(%)
・ラップ別最大・平均心拍数
・心拍ゾーン滞在時間(ゾーン下、ゾーン内、ゾーン超過)
・消費カロリー
・トレーニング合計時間(クロノグラフ機能と共通)
図 表示各部の説明(マニュアルより)

【個別表示モード紹介】
各表示モードの写真を紹介します。

(時計表示モード)

(心拍・時刻表示モード)
最長10時間計測可能なクロノグラフを使ってラップ別平均心拍数を表示したものです。

(心拍数ラップ平均表示モード)
カウントダウンタイマーをクロノグラフと独立して利用可能です。写真は5分にセットした例。

(カウントダウンタイマー)
ターゲットとして設定した HRM ゾーンに対して、そのゾーン以下、ゾーン内、ゾーン超過の合計時間を表示することもできます。

(HRM設定ゾーン以下合計滞在時間)

(HRM設定ゾーン内合計滞在時間)

(HRM設定ゾーン超過合計滞在時間)

(消費カロリー)

(燃焼脂肪量)

(心拍数・現在時刻両表示モード)

(ラップ別最大・平均心拍数)

(合計・ラップ別トレーニング時間)
【胸ストラップについて】
胸ストラップについては、センサー本体が樹脂製、ベルト部分は布引きゴムバンド製でした。他社のストラップを良く知らないのであまり比較はできませんが、特に品質上の問題は見受けられませんでした。水洗いした際の耐久性等に関しては現在のところ未知数です。

(センサー部とバンド部は分離可能)
電源スイッチなどはありません。時計を心拍計測モードにすると、何らかのトリガーがセンサーに発信され、自動的に電源が入る仕組みになっているのではないでしょうか。仕様によると、胸ストラップの電池寿命は200時間ということでした。また、センサー部左右のベルト裏側(胸に当たる部分)には滑り止めパッドが貼られていて、センサー部がずり落ちないように配慮されています。

(センサー電源はCR2032x1)
肝心の心拍の捕捉性能ですが、特に問題はありませんでした。ストラップを装着し、時計を心拍表示モードにすると、およそ10秒後に問題なく心拍が表示されます。
【感想・まとめ】
本格的トレーニングが必要なアスリートは、日々の記録をログとして蓄積・分析する必要があるので、この製品では不足かもしれません。しかし「今、心拍はどの程度なのだろう」という疑問に答えるという要求であれば、この mio ENERGY PROはその条件を完全に満たしています。
また、普段使いという面においても、指によるタッチ測定用のステンレスベゼルがデザイン上の良いアクセントとなっており、アスリート用軽量ウォッチにありがちな「ペラペラ感」がありません。
ステンレスベゼルに指でタッチして計測する「オンデマンド」計測ですが、指と腕が電気的に導通する必要があるので、装着直後や指が極度に乾燥しているような場合は測定に時間がかかることがあります。しかし通常はタッチして数秒後に心拍が正確に表示されるので、性能上も問題ないと感じています。いつも胸ストラップをしているわけではないので、通勤途中に駅まで速足で歩いた場合、階段昇降中などのポイントで手軽に心拍を計測できるこの機能は案外便利だと思いました。
実測重量は 48g でした。ポラールの RCX3(46g) と同等です。金属部が多い割には軽く仕上がっています。

また公式HPの記述も48.5gとあり、食い違いはありませんでした。(公式製品HP)
ELパネルによるバックライト機能がありますが、このELの明るさは、もう少し明るくても良いと感じました。この製品を自転車のハンドルにくくりつけていて夜間に文字盤を確認する場合、このELの照度では視認性が悪いと感じました。ただ、これは電池寿命とのトレードオフでしょう。明るくして電池寿命が短くなるのは困りますので、これで良しとします。
あと、前面の表示部カバーは「アクリル製」です。平面ではないため、保護シートを貼ることも難しそうです。固いものに当てないよう気を付けて使うか、多少のキズは付くものと割り切って使う必要がありそうです。
これから、使い続けていくと物足りなさや不具合なども出てくるとは思いますが、本格的なトレーニングを行っている身ではないので、私としてはこれで十分満足です。
【関連ページ】
mio Watch 公式HP
mio ENERGY PRO 商品紹介ページ
ポラール(POLAR)公式HP
ガーミン(GARMIN)公式HP
スント(SUUNTO)公式HP
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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
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