【週末散歩】 なぜ人間の子供はかわいいのか
2012.06.17/Sun/23:42:55
【淘汰の歴史】
地球上で生物と見なされるものが誕生したのが、約37-38億年前と言われています(参考記事:生物の起源)。それから、生物はそのくらいの長さの間、進化と淘汰を続けてきたわけです。
その長い進化と淘汰の営みのなかで、より優れた種族が行き残り、劣勢な種族は、この途方もない長い時間と比較すると、瞬く間に絶滅していきました。存続の合理的理由・優位点を持たない種族は、長い過酷な歴史の営みの中で必ずや絶滅していきます。
そして現在、地球上ですべての生物の頂点に君臨しているのは、我々人類です。ということは、人類には、他の生物と比べて秀でたものを持っているということになります。
【ヒトの武器】
人類が地球上の生物の頂点に君臨している理由は、「知能」です。人類はクジラやライオンよりも弱く、小さく、チーターよりも遅い種族です。しかし、その並はずれた知能を用いて他の生物を圧倒しています。人間の頭脳は、人間の最強の武器となっているのです。
その武器を人間は最大限利用しているのですが、問題があります。最初から頭でっかちでは生まれにくいと言う問題です。
【人間の成長パターン】
人間の頭部の重さは成人男性で、平均的に6kg前後とされていて、体重を60kg とすると体重の10%です。ボーリングの球位の重さがあることになります。こんなに頭でっかちの動物は他にはいないです。成人男性の平均的な脳の重量は約1,300~1,500gで、このようなレベルまで母体に入っていると、頭が大きすぎて産むことができないという弊害が発生します。
<新生児期>
そこで、人間の赤ちゃんは約10ヶ月、脳の重さが400g程度の段階で生まれてしまいます。生まれてから1年間、人間の赤ちゃんは、人間の最大の武器である「脳」を充実させるのに専念します。他の動物が生まれて間もなく立って歩き出すのに比べ、人間の赤ちゃんは生まれてから10ヶ月位までは、立つことすらできません。ただひたすら脳を発達させるのに時間を費やします。
<幼児期>
脳の容量が一人前になったところで、ようやく人間の子供は体の発育の段階に移ります。この段階では、脳の容量(脳細胞)は大人のレベルですが、学習はこれからの状態です。また、体はまったく未熟で、体力や筋力は大人と比べると著しく劣っています。この時期の子供は、自分の力で生きてゆくことはできず、大人の助けが必要です。
<思春期>
一通りの学習が終わり、判断力、思考力がついた段階で、ようやく人間の子供は体つきが大きくなり、性的にも成熟するようになります。この段階に達するのに人間の子供は実に10年近い年月がかかることになります。
【なぜ人間の子供はかわいいのか】
なぜ人間の子供はかわいいのか。それはひとえに長い長い淘汰の歴史が培った人間の特質に他ならないと思います。
人間の最大の武器はその高度な知性。そのために人間の赤ちゃんは脳優先で生まれ、体はまったく無防備となります。また、脳が完成しても学習が完成までの数年間はライオンと戦っても勝てません。人間が他の動物と比べて最強の存在になる途中の子供の間は大人の人間に保護してもらうというスタイルを確立する必要があります。
そのため、人間の子供はかわいくできているのだと思います。人間の子供は、人間の最強の武器である知性を確立するまでの長い間、親や他の大人から、その保護を最大限受けられるようにかわいくできているのだと思います。
今回のブログの記事を書くに当たり、様々な参考記事を読みましたが、現在地球に存続している生物は、少なくとも何万年もの間、何世代にもわたって生きながらえているわけで、その種族が存続していることにはれっきとした理由があるのだと改めて考えさせられました。
【関連ページ】
生物の起源(生命細胞の起源)
人間の脳よりも大きい脳を持つ恐竜はいるの?
脳の大きさの比較
「絆」(人間の成長パターン)
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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
地球上で生物と見なされるものが誕生したのが、約37-38億年前と言われています(参考記事:生物の起源)。それから、生物はそのくらいの長さの間、進化と淘汰を続けてきたわけです。
その長い進化と淘汰の営みのなかで、より優れた種族が行き残り、劣勢な種族は、この途方もない長い時間と比較すると、瞬く間に絶滅していきました。存続の合理的理由・優位点を持たない種族は、長い過酷な歴史の営みの中で必ずや絶滅していきます。
そして現在、地球上ですべての生物の頂点に君臨しているのは、我々人類です。ということは、人類には、他の生物と比べて秀でたものを持っているということになります。
【ヒトの武器】
人類が地球上の生物の頂点に君臨している理由は、「知能」です。人類はクジラやライオンよりも弱く、小さく、チーターよりも遅い種族です。しかし、その並はずれた知能を用いて他の生物を圧倒しています。人間の頭脳は、人間の最強の武器となっているのです。
その武器を人間は最大限利用しているのですが、問題があります。最初から頭でっかちでは生まれにくいと言う問題です。
【人間の成長パターン】
人間の頭部の重さは成人男性で、平均的に6kg前後とされていて、体重を60kg とすると体重の10%です。ボーリングの球位の重さがあることになります。こんなに頭でっかちの動物は他にはいないです。成人男性の平均的な脳の重量は約1,300~1,500gで、このようなレベルまで母体に入っていると、頭が大きすぎて産むことができないという弊害が発生します。
<新生児期>
そこで、人間の赤ちゃんは約10ヶ月、脳の重さが400g程度の段階で生まれてしまいます。生まれてから1年間、人間の赤ちゃんは、人間の最大の武器である「脳」を充実させるのに専念します。他の動物が生まれて間もなく立って歩き出すのに比べ、人間の赤ちゃんは生まれてから10ヶ月位までは、立つことすらできません。ただひたすら脳を発達させるのに時間を費やします。
<幼児期>
脳の容量が一人前になったところで、ようやく人間の子供は体の発育の段階に移ります。この段階では、脳の容量(脳細胞)は大人のレベルですが、学習はこれからの状態です。また、体はまったく未熟で、体力や筋力は大人と比べると著しく劣っています。この時期の子供は、自分の力で生きてゆくことはできず、大人の助けが必要です。
<思春期>
一通りの学習が終わり、判断力、思考力がついた段階で、ようやく人間の子供は体つきが大きくなり、性的にも成熟するようになります。この段階に達するのに人間の子供は実に10年近い年月がかかることになります。
【なぜ人間の子供はかわいいのか】
なぜ人間の子供はかわいいのか。それはひとえに長い長い淘汰の歴史が培った人間の特質に他ならないと思います。
人間の最大の武器はその高度な知性。そのために人間の赤ちゃんは脳優先で生まれ、体はまったく無防備となります。また、脳が完成しても学習が完成までの数年間はライオンと戦っても勝てません。人間が他の動物と比べて最強の存在になる途中の子供の間は大人の人間に保護してもらうというスタイルを確立する必要があります。
そのため、人間の子供はかわいくできているのだと思います。人間の子供は、人間の最強の武器である知性を確立するまでの長い間、親や他の大人から、その保護を最大限受けられるようにかわいくできているのだと思います。
今回のブログの記事を書くに当たり、様々な参考記事を読みましたが、現在地球に存続している生物は、少なくとも何万年もの間、何世代にもわたって生きながらえているわけで、その種族が存続していることにはれっきとした理由があるのだと改めて考えさせられました。
【関連ページ】
生物の起源(生命細胞の起源)
人間の脳よりも大きい脳を持つ恐竜はいるの?
脳の大きさの比較
「絆」(人間の成長パターン)
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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
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カテゴリ: 週末散歩
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この記事に対するコメント
こんにちは
子供がかわいいと思えないと確実に人類は滅びますよね。
Re: こんにちは
よし@会話術さまコメントありがとうございました。
そのとおりですよね。
> 子供がかわいいと思えないと
> 確実に人類は滅びますよね。
URL | 館長 #-
2012/06/18 10:17 * 編集 *
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2012/06/18 10:17 * 編集 *
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