コンデジらしくないコンデジ SIGMA DP2X
2012.02.19/Sun/21:38:21
【DP2X】
DP2X は色表現の優秀さに圧倒的に定評のある「Foveon X3」イメージセンサーを搭載したシグマのコンパクトデジタルです。

レンズの交換できないコンパクト・デジタル・カメラでは、通常ズームレンズが搭載されています。ところが、この DP2X には固定焦点のレンズが搭載されています(24.2mm F2.8: フルサイズ換算で約41mm)。この DP2X はスナップ写真を撮るのを目的としているのではなく、写真好きの人たちを満足させるために、画質優先で企画されたカメラなのです。そのため、レンズ構成も6群7枚とちょっと贅沢な構成になっています。

曲線を多用した最近のデジカメとは異なり、このカメラは「男の道具」という雰囲気を全体で醸し出しています。


標準ではビューファインダーはありません(上部ホットシューにつける光学式ビューファインダーは別売り)。フレーミングは背面の2.5型の液晶モニターを用いて行うことになります。

このカメラの性格を決定づけているのが搭載されているイメージセンサーです。20.7×13.8mm という APS-C 型に匹敵する大型イメージセンサーを搭載しています。通常のコンデジのイメージセンサーの大きさは 1/2.3型(6.2 x 4.6mm)なので、通常のコンデジの約3倍(面積比では9倍)の大きなイメージセンサーを搭載していることになります。そのため、この DP2X ではコンデジ風の形状をしていても、フォーカスの「前後のボケ」が発生します。したがって、しっかり撮らないと「ピンボケ」になったりします。コンデジ風の外観でも、使いこなすのが難しい。これが「コンデジらしからぬコンデジ」の大きな所以です。

(DP2X F2.8開放で撮影した例)
また、このイメージセンサーは「Foveon X3」と呼ばれ、画素一つ一つで光の3原色を捉えることができるユニークな素子です。原理的に偽色が発生しないため、ローパスフィルターが不要で、解像力、色再現性のどちらの面でも、通常のイメージセンサーよりも有利だと言われています。

(Foveon X3 の原理図: SIGMA HPより)
【画質について】
このように、光と影、そして色を捉えることが非常に得意なカメラです。

通常のコンデジの CANON IXY Digital 800IS との比較を行ってみましょう。
まずはこちら、花キャベツの屋外写真です。(写真をクリックすると拡大写真が見られます)
このくらいの距離での撮影では、特に解像度の差は出てきません。色見はホワイトバランスの関係か、DP2X の方が赤みがかかっています。また 800IS の方が色が鮮やかで、DP2X の方がおとなしめです。フォーカス前後のボケ味については違いが顕著です。800IS では写真全体にフォーカスがあっていますが、DP2X の方は被写体前後がしっかりぼけています。プランターの前の石の表面や、左側の花キャベツの後ろの背景の土の表面を見れば違いがよくわかります。
次は道路。直線道路の遠方描写の写真です。
この写真、ぱっと見は、あまり優劣は見られません。DP2X の方が若干コントラストが高く、露出がアンダー気味かと思う位です。しかし、この写真の中央部の遠くの電柱の部分を切り出してみると以下のようになります。
道路右側に連なる電信柱の遠方の描写に注目してください。DP2X の方が細部がしっかりと描かれていて、「情報量」が明らかに違うことがわかります。この差の理由に関しては私個人の考えでは、「光学系の精巧さ」の違いだと考えています。DP2X では、大きなイメージセンサーと、そのイメージセンサーとのマッチングを考慮した専用設計の固定焦点レンズが組み合わせされています。このコンビネーションによって、光学系の精度が非常に高く保たれ、品位の高い映像が得られたのではないかと考えています。遠方の「信号」の部分を見ても、違いが良く分かります。
この SIGMA DP2X、形はコンデジですが、中身はしっかりした写真を撮りたい人向けの本格派カメラだと言えそうです。
【関連ページ】
SIGMA DP2x ファームウェア・アップデート
-----
最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
DP2X は色表現の優秀さに圧倒的に定評のある「Foveon X3」イメージセンサーを搭載したシグマのコンパクトデジタルです。

レンズの交換できないコンパクト・デジタル・カメラでは、通常ズームレンズが搭載されています。ところが、この DP2X には固定焦点のレンズが搭載されています(24.2mm F2.8: フルサイズ換算で約41mm)。この DP2X はスナップ写真を撮るのを目的としているのではなく、写真好きの人たちを満足させるために、画質優先で企画されたカメラなのです。そのため、レンズ構成も6群7枚とちょっと贅沢な構成になっています。

曲線を多用した最近のデジカメとは異なり、このカメラは「男の道具」という雰囲気を全体で醸し出しています。


標準ではビューファインダーはありません(上部ホットシューにつける光学式ビューファインダーは別売り)。フレーミングは背面の2.5型の液晶モニターを用いて行うことになります。

このカメラの性格を決定づけているのが搭載されているイメージセンサーです。20.7×13.8mm という APS-C 型に匹敵する大型イメージセンサーを搭載しています。通常のコンデジのイメージセンサーの大きさは 1/2.3型(6.2 x 4.6mm)なので、通常のコンデジの約3倍(面積比では9倍)の大きなイメージセンサーを搭載していることになります。そのため、この DP2X ではコンデジ風の形状をしていても、フォーカスの「前後のボケ」が発生します。したがって、しっかり撮らないと「ピンボケ」になったりします。コンデジ風の外観でも、使いこなすのが難しい。これが「コンデジらしからぬコンデジ」の大きな所以です。

(DP2X F2.8開放で撮影した例)
また、このイメージセンサーは「Foveon X3」と呼ばれ、画素一つ一つで光の3原色を捉えることができるユニークな素子です。原理的に偽色が発生しないため、ローパスフィルターが不要で、解像力、色再現性のどちらの面でも、通常のイメージセンサーよりも有利だと言われています。

(Foveon X3 の原理図: SIGMA HPより)
【画質について】
このように、光と影、そして色を捉えることが非常に得意なカメラです。

撮影データ | |
---|---|
項目 | データ |
日時 | 2012.2.18 9:02 |
カメラ | SIGMA DP2X |
撮影モード | 絞り優先AE |
ホワイトバランス | オート |
露出 | 1/640 sec (F/2.8) |
感度 | ISO 100 |
露出補正 | ±0 |
オリジナルサイズ | 2640x1760 |
画質 | Fine |
通常のコンデジの CANON IXY Digital 800IS との比較を行ってみましょう。
まずはこちら、花キャベツの屋外写真です。(写真をクリックすると拡大写真が見られます)
![]() | ![]() |
(CANON IXY digital 800IS) | (SIGMA DP2X) |
このくらいの距離での撮影では、特に解像度の差は出てきません。色見はホワイトバランスの関係か、DP2X の方が赤みがかかっています。また 800IS の方が色が鮮やかで、DP2X の方がおとなしめです。フォーカス前後のボケ味については違いが顕著です。800IS では写真全体にフォーカスがあっていますが、DP2X の方は被写体前後がしっかりぼけています。プランターの前の石の表面や、左側の花キャベツの後ろの背景の土の表面を見れば違いがよくわかります。
次は道路。直線道路の遠方描写の写真です。
![]() | ![]() |
(CANON IXY digital 800IS) | (SIGMA DP2X) |
この写真、ぱっと見は、あまり優劣は見られません。DP2X の方が若干コントラストが高く、露出がアンダー気味かと思う位です。しかし、この写真の中央部の遠くの電柱の部分を切り出してみると以下のようになります。
![]() | ![]() |
(CANON IXY digital 800IS) | (SIGMA DP2X) |
道路右側に連なる電信柱の遠方の描写に注目してください。DP2X の方が細部がしっかりと描かれていて、「情報量」が明らかに違うことがわかります。この差の理由に関しては私個人の考えでは、「光学系の精巧さ」の違いだと考えています。DP2X では、大きなイメージセンサーと、そのイメージセンサーとのマッチングを考慮した専用設計の固定焦点レンズが組み合わせされています。このコンビネーションによって、光学系の精度が非常に高く保たれ、品位の高い映像が得られたのではないかと考えています。遠方の「信号」の部分を見ても、違いが良く分かります。
この SIGMA DP2X、形はコンデジですが、中身はしっかりした写真を撮りたい人向けの本格派カメラだと言えそうです。
【関連ページ】
SIGMA DP2x ファームウェア・アップデート
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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
カテゴリ: デジモノ
タグ:
コンパクトデジカメ
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