次世代映像技術てんこもり 「技研公開2011」に行って来た
2011.05.29/Sun/12:15:46
![]() | 2011年5月26日(木)~5/29(日)の日程で、東京都世田谷区にあす「NHK放送技術研究所(NHK技研)」の一般公開がありました。 普段は一般の者が技研内部に入ることはできませんが、この一般公開日には館内に入り、日ごろの研究内容を展示を見ることができます。また実際に研究に従事している説明員から詳しい説明を聞くこともできるという貴重な機会でした。 |
【技研公開とは】
NHKの本拠は渋谷ですが、東京都世田谷区砧にはNHKの研究拠点、NHK放送技術研究所が存在します。

立地場所はの世田谷通り沿いなので、人通りがあり、クルマも行き交うそれなりににぎやかな場所ですが、渋谷区神南と比べると趣が違います。
敷地周辺にはこのような遊歩道が整備され、環境に配慮した建築となっています。

その「NHK技研」は1947年より例年、毎年一回、研究成果を一般に公開する「技研公開」を行っています。今回は81周年目となる非常に由緒正しいイベントです。研究発表とは言っても映像関係の展示やイベントが多いので、一般の人にもこの技研公開は人気のイベントとなっています。
ご参考: NHK技研公開公式HP
【館内の様子】
早速入ってみます。特に事前登録や予約などは必要ありませんでした。館内の撮影は原則OKで、撮影禁止の展示には個別に注意書きが表示されています。今年の開催は、5/26(木)~5/29(日)午前10:00~午後4:00。節電に配慮し、今年は終了時刻が早めに設定されていました。

私が入ったのは午前10:05頃だったのすが、最初の展示(「進化し続けるデジタル放送」)のゾーンには、すでにこのように人だかりができていました。

【テーマ】
テーマは大別して以下のように分かれています。
<デジタル放送・放送通信連携>
・進化し続けるデジタル放送
・Hybridcast
・放送とソーシャルネットワークの融合teleda
・テレビ視聴インタフェースUTANの提案
・PSP型ライブ映像配信技術
・次世代CAS技術
・デジタル放送受信相談コーナー
<スーパーハイビジョン>
・次世代TV スーパーハイビジョン
・家庭で楽しむスーパーハイビジョン
・スーパーハイビジョン単板撮像装置
・次世代衛星放送に向けた大容量伝送技術
・次世代地上放送に向けた大容量伝送技術
・スーパーハイビジョンシアター
・22.2マルチチャンネル音響再生技術
・スーパーハイビジョン用広ダイナミックレンジプロジェクター
・新型スーパーハイビジョンプロジェクター
<人にやさしい放送>
・用例翻訳による手話CG
・視覚障害者向けデジタル放送受信機
・やさしい日本語によるニュースサービス
<高度コンテンツ制作>
・コネクティッド・スタジオ
・撮影情報を利用した映像制作
・移動中継用MIMO受信システム
・3次元ミリ波イメージング技術
・ミリ波モバイルカメラ
・超解像技術を利用した画像復元型符号化
・番組映像検索システム
・現場で活躍するエコな番組制作設備
・リアルアピアランスモニター
・気象通報自動読み上げシステム
<NES>
・NHK技術の活用と実用化開発の紹介
<放送博物館>
・放送博物館コーナー
<次世代デバイス>
・電荷蓄積型シリコンマイク
・冷陰極管HARP撮像板
・磁気記録デバイスの高速化技術
・プラズマディスプレイの省電力技術
・フレキシブル有機ELディスプレイ
<震災関連>
・非常災害時に役立つ放送技術と東日本大震災等での活用例
<体験型展示>
<ポスター展示>
館内は、1F,B1階、7Fが公開されています。
入り口は1Fで、メインテーマ的色彩のデジタル放送の進化の展示、スーパーハイビジョンシアターなど。7Fは「食堂」なので、今回は行きませんでした。

B1階は、その他さまざまな展示が行われていました。

【ピックアップ - スーパーハイビジョン】
今回の展示において最も人気を集めていたのが「スーパーハイビジョン」に関する展示です。現在の薄型テレビの規格「フルハイビジョン」の解像度は 1920x1080。この規格のテレビはすでにかなり家庭に行きわたっていて、数年来にその発展形として「4K」と呼ばれる 4098×2160 のテレビがそろそろ一般家庭市場に投入されようかという状況です。
スーパーハイビジョンは、4Kという規格をさらに超えた 7680x4320(例)という解像度を持ったテレビのことで、大画面で画面に近づいても画素の存在が気になりづらく、従来のテレビと比べて圧倒的な臨場感・没入感が得られる次世代テレビです。

2012年のロンドン五輪、2016年のリオ五輪をマイルストーンにして、家庭への普及を促進すべく、ロードマップが組まれています。それによると 2020年に衛生試験放送を始める予定とあります。

NHKも各メーカーと連携して開発を進めていて、各社からスーパーハイビジョンの試作品が提供されています。この写真はシャープが開発した試作品。近くからの撮影が禁止されていたので、この距離からの撮影にとどめました。

サンプルソースとしては、アメリカの議事堂図書館、ねぶた祭り等の高品位映像が上映されていました。画素が細かいため、ディスプレイの近くから鑑賞しても画像のアラがでません。したがって、眼前いっぱいに画像が広がり、臨場感は抜群です。この絵を見てしまうと、現在の薄型高画質テレビでも霞んでしまいそうでした。
スペックは以下の通り。価格はまだ付いていませんが、今仮に売価を付けるとしたら大変な価格になるのでしょう。

そのスーパーハイビジョンを撮影するスタジオカメラがこれ。フル解像度型で、画素ずらしなどの方策を利用せずに正攻法でスーパーハイビジョンの映像を撮影するカメラです。現在のカメラとそん色ない位のサイズに収まっています。

それに対して、携帯性やコストを重視した単板型のハイビジョンカメラの最新試作品がこれ。

(単板型スーパーハイビジョン撮影カメラ)

(単板型スーパーハイビジョン撮影カメラの原理)
これが、最新型の単板式カメラと2世代前の同種カメラの大きさの比較。担当者の話によると、大きいほうの重さが約20kg、それに対して最新型のカメラは約5kgと大幅に小型軽量化が達成されているとのこと。

また、来場者のすべてが最大展示である「スーパーハイビジョンシアター」を体感していました。

内部の撮影はできませんでした。スクリーンは 10m x 5.6m の大型サイズ、音響も映像に負けないよう、BOSE の直径30cm、長さ7-8m のバズーカ型のすばらしいものが設置されていました。

その他、22.2チャンネルマルチ音響、高ダイナミックレンジスーパーハイビジョンプロジェクター、新型(低価格)スーパーハイビジョンプロジェクターなど、スーパーハイビジョン関連の展示が今年は非常に多かったのが印象的でした。

(高品位スーパーハイビジョンプロジェクターの説明)

(22.2マルチ音響のデモ)

(新型スーパーハイビジョンプロジェクター)
【ピックアップ - インテグラル立体テレビ】
次世代立体テレビの研究として、面白かったのがインテグラル立体テレビの展示でした。これは、3Dメガネの要らないテレビで、走査線8000本級のハイビジョンテレビの1画面を画素分割し、300もの別角度から同時に見た画面を埋め込んで、単なる立体視だけでなく、視点を移動した際の物体の配置による見え方の違いなどの立体感も体感できるようにした特殊な立体テレビです。

人間の目の位置、見る位置が変わることで、その300枚の埋め込み画面のどれかが左右の眼のそれぞれに見られるよう、光学的な仕組みを施すことで裸眼で3Dを見られるようにするものです。埋め込まれている画像が右目用、左目用の2枚の絵だけでなく、見る位置を変化させた画像も含まれるので、視聴者が頭を動かすことで、違う視点からの映像が見られるという特長を持っています。

走査線8000本級の高精細フォーマットを利用しても、このインテグラル化をすると、1枚の高精細画面を300枚もの別角度の画面に分割しなければならないため、視聴者の見る最終的な画像の解像度は、およそ 320x160 程度になってしまうとのこと。画面が高精細化することは、裸眼立体テレビの実用化、高画質化にも寄与するということが良く理解できました。
【ピックアップ - 3次元ミリ波イメージング技術】
「ミリ波」と呼ばれる電波を利用して、カーテンの裏側など、可視光では見えない場所の物体を見る技術です。展示では、2体のマネキンを奥行きを違えてカーテンの後ろに立たせ、それをミリ波イメージングカメラによって、映像化していました。

(3次元ミリ波イメージング技術のデモ)
原理はこちら。ベニヤ板やプラスチックボードなど、固いものがあると遮蔽されてビジュアル化できなくなってしまうとのこと。

(3次元ミリ波イメージング技術の原理)
ミリ波レーダーは、自動車の衝突防止やクルーズコントロールなどに応用されていますね。
【ピックアップ - LEDライティングの実用化】
テレビ向けライティング設備は、電源車が必要なほど、高消費電力なものでした。ところが、最近は LED 照明が実用化し、電源確保が不便な場合などは、低消費電力の LED 照明が利用されつつあるということでした。


諸元を見ると、明るさや演色は同等なのに、消費電力はハロゲンランプのおよそ5~7分の1程度になっています。

【ピックアップ - ウルトラハイスピードカメラ】
1秒間に撮影できるコマ数が恐ろしく大きいハイスピードカメラの実演展示です。コマ数が大きくなると、シャボン玉やゴム風船が割れる様子、銃の弾丸が標的に当たる様子などをスローモーションで鮮明に見ることができます。
下記の映像では、銃弾が防弾チョッキに利用される布に当たる様子を裏側から撮影したもので、実に1秒間に155000コマを撮影しています。通常の映像は秒間30コマなので、約5167倍の高速度撮影映像ということになります。
この展示では、サッカーボールを希望者に蹴ってもらって、そのボールが蹴られる様子をプレイバックしてくれる「体験展示」を行っていて、子供づれに大人気の展示でした。

【まとめ】
7階の食堂には行きませんでしたが、全展示を見て、大体2時間程度。それほど大規模な展示ではありませんが、内容は非常に面白く、興味深いものばかりでした。今回紹介できなかった展示の中にも興味深いものが多くありました。NHKの研究は受信料で成り立っているのだと思いますが、日本の映像技術を最先端に保つために、このような基礎研究を行うことについては、私は賛成です。いつか実用に供され、日本の経済活性化に役立つ研究であれば、短期的な利益に翻弄されないNHKのような組織がこのような基礎研究を行うことは良いことだと思います。
-----
最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
NHKの本拠は渋谷ですが、東京都世田谷区砧にはNHKの研究拠点、NHK放送技術研究所が存在します。

立地場所はの世田谷通り沿いなので、人通りがあり、クルマも行き交うそれなりににぎやかな場所ですが、渋谷区神南と比べると趣が違います。
敷地周辺にはこのような遊歩道が整備され、環境に配慮した建築となっています。

その「NHK技研」は1947年より例年、毎年一回、研究成果を一般に公開する「技研公開」を行っています。今回は81周年目となる非常に由緒正しいイベントです。研究発表とは言っても映像関係の展示やイベントが多いので、一般の人にもこの技研公開は人気のイベントとなっています。
ご参考: NHK技研公開公式HP
【館内の様子】
早速入ってみます。特に事前登録や予約などは必要ありませんでした。館内の撮影は原則OKで、撮影禁止の展示には個別に注意書きが表示されています。今年の開催は、5/26(木)~5/29(日)午前10:00~午後4:00。節電に配慮し、今年は終了時刻が早めに設定されていました。

私が入ったのは午前10:05頃だったのすが、最初の展示(「進化し続けるデジタル放送」)のゾーンには、すでにこのように人だかりができていました。

【テーマ】
テーマは大別して以下のように分かれています。
<デジタル放送・放送通信連携>
・進化し続けるデジタル放送
・Hybridcast
・放送とソーシャルネットワークの融合teleda
・テレビ視聴インタフェースUTANの提案
・PSP型ライブ映像配信技術
・次世代CAS技術
・デジタル放送受信相談コーナー
<スーパーハイビジョン>
・次世代TV スーパーハイビジョン
・家庭で楽しむスーパーハイビジョン
・スーパーハイビジョン単板撮像装置
・次世代衛星放送に向けた大容量伝送技術
・次世代地上放送に向けた大容量伝送技術
・スーパーハイビジョンシアター
・22.2マルチチャンネル音響再生技術
・スーパーハイビジョン用広ダイナミックレンジプロジェクター
・新型スーパーハイビジョンプロジェクター
<人にやさしい放送>
・用例翻訳による手話CG
・視覚障害者向けデジタル放送受信機
・やさしい日本語によるニュースサービス
<高度コンテンツ制作>
・コネクティッド・スタジオ
・撮影情報を利用した映像制作
・移動中継用MIMO受信システム
・3次元ミリ波イメージング技術
・ミリ波モバイルカメラ
・超解像技術を利用した画像復元型符号化
・番組映像検索システム
・現場で活躍するエコな番組制作設備
・リアルアピアランスモニター
・気象通報自動読み上げシステム
<NES>
・NHK技術の活用と実用化開発の紹介
<放送博物館>
・放送博物館コーナー
<次世代デバイス>
・電荷蓄積型シリコンマイク
・冷陰極管HARP撮像板
・磁気記録デバイスの高速化技術
・プラズマディスプレイの省電力技術
・フレキシブル有機ELディスプレイ
<震災関連>
・非常災害時に役立つ放送技術と東日本大震災等での活用例
<体験型展示>
<ポスター展示>
館内は、1F,B1階、7Fが公開されています。
入り口は1Fで、メインテーマ的色彩のデジタル放送の進化の展示、スーパーハイビジョンシアターなど。7Fは「食堂」なので、今回は行きませんでした。

B1階は、その他さまざまな展示が行われていました。

【ピックアップ - スーパーハイビジョン】
今回の展示において最も人気を集めていたのが「スーパーハイビジョン」に関する展示です。現在の薄型テレビの規格「フルハイビジョン」の解像度は 1920x1080。この規格のテレビはすでにかなり家庭に行きわたっていて、数年来にその発展形として「4K」と呼ばれる 4098×2160 のテレビがそろそろ一般家庭市場に投入されようかという状況です。
スーパーハイビジョンは、4Kという規格をさらに超えた 7680x4320(例)という解像度を持ったテレビのことで、大画面で画面に近づいても画素の存在が気になりづらく、従来のテレビと比べて圧倒的な臨場感・没入感が得られる次世代テレビです。

2012年のロンドン五輪、2016年のリオ五輪をマイルストーンにして、家庭への普及を促進すべく、ロードマップが組まれています。それによると 2020年に衛生試験放送を始める予定とあります。

NHKも各メーカーと連携して開発を進めていて、各社からスーパーハイビジョンの試作品が提供されています。この写真はシャープが開発した試作品。近くからの撮影が禁止されていたので、この距離からの撮影にとどめました。

サンプルソースとしては、アメリカの議事堂図書館、ねぶた祭り等の高品位映像が上映されていました。画素が細かいため、ディスプレイの近くから鑑賞しても画像のアラがでません。したがって、眼前いっぱいに画像が広がり、臨場感は抜群です。この絵を見てしまうと、現在の薄型高画質テレビでも霞んでしまいそうでした。
スペックは以下の通り。価格はまだ付いていませんが、今仮に売価を付けるとしたら大変な価格になるのでしょう。

そのスーパーハイビジョンを撮影するスタジオカメラがこれ。フル解像度型で、画素ずらしなどの方策を利用せずに正攻法でスーパーハイビジョンの映像を撮影するカメラです。現在のカメラとそん色ない位のサイズに収まっています。

それに対して、携帯性やコストを重視した単板型のハイビジョンカメラの最新試作品がこれ。

(単板型スーパーハイビジョン撮影カメラ)

(単板型スーパーハイビジョン撮影カメラの原理)
これが、最新型の単板式カメラと2世代前の同種カメラの大きさの比較。担当者の話によると、大きいほうの重さが約20kg、それに対して最新型のカメラは約5kgと大幅に小型軽量化が達成されているとのこと。

また、来場者のすべてが最大展示である「スーパーハイビジョンシアター」を体感していました。

内部の撮影はできませんでした。スクリーンは 10m x 5.6m の大型サイズ、音響も映像に負けないよう、BOSE の直径30cm、長さ7-8m のバズーカ型のすばらしいものが設置されていました。

その他、22.2チャンネルマルチ音響、高ダイナミックレンジスーパーハイビジョンプロジェクター、新型(低価格)スーパーハイビジョンプロジェクターなど、スーパーハイビジョン関連の展示が今年は非常に多かったのが印象的でした。

(高品位スーパーハイビジョンプロジェクターの説明)

(22.2マルチ音響のデモ)

(新型スーパーハイビジョンプロジェクター)
【ピックアップ - インテグラル立体テレビ】
次世代立体テレビの研究として、面白かったのがインテグラル立体テレビの展示でした。これは、3Dメガネの要らないテレビで、走査線8000本級のハイビジョンテレビの1画面を画素分割し、300もの別角度から同時に見た画面を埋め込んで、単なる立体視だけでなく、視点を移動した際の物体の配置による見え方の違いなどの立体感も体感できるようにした特殊な立体テレビです。

人間の目の位置、見る位置が変わることで、その300枚の埋め込み画面のどれかが左右の眼のそれぞれに見られるよう、光学的な仕組みを施すことで裸眼で3Dを見られるようにするものです。埋め込まれている画像が右目用、左目用の2枚の絵だけでなく、見る位置を変化させた画像も含まれるので、視聴者が頭を動かすことで、違う視点からの映像が見られるという特長を持っています。

走査線8000本級の高精細フォーマットを利用しても、このインテグラル化をすると、1枚の高精細画面を300枚もの別角度の画面に分割しなければならないため、視聴者の見る最終的な画像の解像度は、およそ 320x160 程度になってしまうとのこと。画面が高精細化することは、裸眼立体テレビの実用化、高画質化にも寄与するということが良く理解できました。
【ピックアップ - 3次元ミリ波イメージング技術】
「ミリ波」と呼ばれる電波を利用して、カーテンの裏側など、可視光では見えない場所の物体を見る技術です。展示では、2体のマネキンを奥行きを違えてカーテンの後ろに立たせ、それをミリ波イメージングカメラによって、映像化していました。

(3次元ミリ波イメージング技術のデモ)
原理はこちら。ベニヤ板やプラスチックボードなど、固いものがあると遮蔽されてビジュアル化できなくなってしまうとのこと。

(3次元ミリ波イメージング技術の原理)
ミリ波レーダーは、自動車の衝突防止やクルーズコントロールなどに応用されていますね。
【ピックアップ - LEDライティングの実用化】
テレビ向けライティング設備は、電源車が必要なほど、高消費電力なものでした。ところが、最近は LED 照明が実用化し、電源確保が不便な場合などは、低消費電力の LED 照明が利用されつつあるということでした。


諸元を見ると、明るさや演色は同等なのに、消費電力はハロゲンランプのおよそ5~7分の1程度になっています。

【ピックアップ - ウルトラハイスピードカメラ】
1秒間に撮影できるコマ数が恐ろしく大きいハイスピードカメラの実演展示です。コマ数が大きくなると、シャボン玉やゴム風船が割れる様子、銃の弾丸が標的に当たる様子などをスローモーションで鮮明に見ることができます。
下記の映像では、銃弾が防弾チョッキに利用される布に当たる様子を裏側から撮影したもので、実に1秒間に155000コマを撮影しています。通常の映像は秒間30コマなので、約5167倍の高速度撮影映像ということになります。
この展示では、サッカーボールを希望者に蹴ってもらって、そのボールが蹴られる様子をプレイバックしてくれる「体験展示」を行っていて、子供づれに大人気の展示でした。

【まとめ】
7階の食堂には行きませんでしたが、全展示を見て、大体2時間程度。それほど大規模な展示ではありませんが、内容は非常に面白く、興味深いものばかりでした。今回紹介できなかった展示の中にも興味深いものが多くありました。NHKの研究は受信料で成り立っているのだと思いますが、日本の映像技術を最先端に保つために、このような基礎研究を行うことについては、私は賛成です。いつか実用に供され、日本の経済活性化に役立つ研究であれば、短期的な利益に翻弄されないNHKのような組織がこのような基礎研究を行うことは良いことだと思います。
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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
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カテゴリ: テクノロジー
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