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こだわりモノを中心としたレビューブログ。商品評価、感想など

最近はやりの携帯マグを考察する

2011.02.05/Sat/22:27:58

IMG_6675.jpg最近、小型の魔法瓶(携帯マグ)の人気が高まっています。その保温性能について検証してみました。
【携帯マグとは】

携帯マグとは 200ml ~ 500ml 程度、比較的小容量のステンレス製携帯型魔法瓶のことです。最近の節約志向を反映して、このカテゴリーの商品市場が大きくなっています。近所のホームセンターやスーパーマーケットでは、携帯マグコーナーがあって、いろいろな商品が陳列されるようになってきています。

【ステンレス製マグの成り立ち】

その昔、魔法瓶は真空層を持つ2重ガラスの内容器で作られていました。したがって、当時の魔法瓶は落とすと割れてしまうもので、魔法瓶を外に持ち出すことはできませんでした。当然、その当時の子供の遠足用の水筒は、金属製、もしくは樹脂製の単純な物で、保温性、保冷性は極めて低いものでした。

1978年、工業ガスメーカーの日本酸素が初めてステンレス製の保温ポットを開発しました。

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(初のステンレス製保温ポット「アクト・ステンレスポット」)

この商品は値段が高くて、当初はバイクツーリング用などの特殊用途として販路を広げてゆきましたが、1982年、価格を安くした第2世代「シャトルミニ」が発売され、爆発的なヒットになりました。

history05_05.jpg
(大ヒット商品シャトル・ミニ)

そのような歴史を経て、ステンレス製魔法瓶は外に持ち出される存在として定着しました。現在の子供が使う水筒は、ほぼ例外なくステンレス製の保温ポットになっています。

【携帯マグの人気向上】

日本の経済の低迷は国民の外食行動に大きく影響を与えました。最近言われていることは、中途半端な外食費の切り詰めです。経費のかかる外食はなるべく控え、「おうちごはん」派が多くなりました。外食をする場合は、おうちご飯に匹敵するくらい低価格なお店か、本当においしいものが食べられる実力派のレストランに客足が向くようになりました。

その結果、一般的なファミレスを代表とする味と価格が中途半端な存在は客足が遠のき、経営的に厳しい状況になりました。

そんな中、経費の切り詰めは飲料にも及んでいて、今までは自販機で飲料を買っていた層が、「マイボトル」に温かい(もしくは冷たい)飲料を入れて職場や学校に持って行く構図が増えてきたということなのです。携帯用ステンレスボトルの商品価格帯は大体 2,000円前後。この価格であれば、120円の缶コーヒーを1日に3本飲んでいる人から見れば、約1週間で回収できてしまう価格です。

生ぬるい缶コーヒーを飲むより、携帯マグを購入して夕方まであつあつのコーヒーを堪能することを選択した人々が増えているということなのです。

そのような動きを察知したステンレスボトルメーカーが、会社や学校へ持って行くのに適切な商品企画を行い、家からカバンに入れて持って行くのに適した携帯マグが多く開発され、市場がさらに伸びているというのが最近の流れとなっています。

【保温性能】

携帯用ステンレスボトルの人気は、その保温性能の向上にも依拠していると聞きました。では実際に最新の携帯マグの保温性能はどうなのか、数年前の子供用保温水筒と比べてみることにしました。

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まず比較対象のターゲットはこれ、Themos の JMY-501。最新型の 500mlの容量の黒のスリムボトルです。

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飲み口はこのように樹脂製です。フタはワンタッチはね上げ式で、飲みやすくなっています。

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中ぶたを取るとこのように開口部は広めで、内部の清掃が容易であると共に、冷たいものを入れるときに氷を入れやすくなっています。

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仕様表示について見てみましょう。95℃のお湯を入れて、室温20℃の場合、6時間後に66℃以上に保つ保温能力があると書いてあります。

IMG_6684.jpg

比較対象としては、3年前位に購入した Tiger と Thermos の 600ml クラスの子供用保温水筒です。まずこれ。Tiger のサハラ・ステンレスボトル。ウルトラマンバージョンです。

IMG_6680.jpg

中ぶたは大きく、開口部は広めです。

IMG_6681.jpg

性能表示です。室温20℃の時、95℃のお湯を入れて、6時間後に76℃以上を保つことができると書いてあります。

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3つ目はこちら、Thermos の 600ml タイプ。ドラえもんバージョンです。

IMG_6676.jpg

この商品は中ぶたの大きさが小さめで、その結果開口部も絞られて小さくなっています。

IMG_6679.jpg

保温性能は、6時間後に 75℃以上で、Tiger のものよりも1℃低めの数値になっています。

IMG_6683.jpg

さて、実際に熱湯を入れて保温性能を比較してみます。沸騰したお湯を3つのポットに入れます。沸騰後のお湯でしたが、ポットに入れるとポット自体の温度が 20℃程度だったため若干温度が下がり94.6℃となりました。

IMG_6691.jpg

室温は 21.6℃。大体メーカーの仕様設定条件に近い室温です。

IMG_6689.jpg

この状況で、3つの保温ポットを31時間まで放置し、途中で温度を測ってグラフ化したのが以下のグラフです。

TempGraph.png
(水温計測結果)

この実測結果はメーカーの公称値を超えていて、メーカーの表示は信頼できることもわかりました。保温力の順序としては、「Thermos 0.6L」>「Tiger 0.6L」>「Thermos 0.5L」という結果になりました。6時間後の保温力の公称値は、tiger(0.6L) 76℃、Thermos(0.6L) 75℃、Thermos(0.5L) 66℃ということなので、Tiger よりも Thermos の方が保守的な基準で数値を公表していることがうかがわれます。

また、どの3つも6時間以内は熱湯を70℃程度に保つ能力があることがわかります。

【まとめ】

今回の実験は、ここ数年で携帯マグの保温性能が進化したのではないかという巷の噂を検証して見たかったというのが目的です。結果としては、最新型の携帯マグが数年前のものに対して飛躍的な保温能力の向上を見せているかというとNOということになります。さすがにステンレスポットが開発されてから30年余り。基本性能はすでに熟成されているのでしょう。

今回の実験でわかったことをまとめると、大体以下の点だと思われます。

  • 数年前の製品と比べて、最新型が飛躍的に保温性能が向上しているわけではない
  • メーカーによる仕様表示の数値は信頼できるが、メーカー間で若干の上下がある
  • 容量の大きなボトルの方が、容量の小さいものよりも概ね保温性能は高い
  • フタの口径が小さいボトルの方が保温性能は高め
  • スリム・携帯型のボトルは比較的保温性能が低め


とはいえ、スリム携帯型でも6時間後まで70℃をキープしてくれる性能を持っています。これは生ぬるい缶コーヒーとは全く次元が違います。会社に持っていって、仕事中に飲むような使い方の場合、この程度の保温力で十二分だと思われます。あとは、携帯性・使い勝手・デザイン・価格などが差別化のポイントとなってくることでしょう。

何せ1、2週間で元が取れるものです。売れ行きが良いのはうなづける気がします。



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最後までごらんいただきまして、どうもありがとうございました。

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カテゴリ: DIY・便利グッズ
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