管理人運営YouTube

PR

カテゴリ

プロフィール

最新記事

注目の商品

Facebookページ

本サイトの広告について

レビューマジック

こだわりモノを中心としたレビューブログ。商品評価、感想など

「夢を打ち上げる人びと~密着・ロケット発射100日間~」を見て

2010.11.19/Fri/09:04:46

prog_101118_hvsp.jpg
(画像をクリックするとNHK BSオンラインのページに飛びます)
昨日(11/18)に放送された NHK のハイビジョン特集「夢を打ち上げる人びと~密着・ロケット発射100日間~」を見ました。
【HiVision特集 夢を打ち上げる人びと~密着・ロケット発射100日間~】

NHK BS-hi のチャンネルで11月18日(木)午後10:00~11:30 に放送された番組です。9/11 に準天頂衛星初号機「みちびき」を搭載して打ち上げ成功した、日本の主力ロケット「H-IIA」の打ち上げ舞台裏を紹介しています。

【感想】

<今までに無い切り口>

ロケット打ち上げ成功という報道は、どちらかというとロケットが搭載している機材の成功にフォーカスが当てられがちです。例えば、はやぶさであればはやぶさという無人探査機、HTVであればHTV自体、衛星であれば衛星のミッションの成功・失敗に大抵の報道の力点が置かれます。

それは、実際しょうがないことで、ミッションの目的にフォーカスを当てると自然にロケットの搭載物やその搭載物が送ってくるデータやアクションにフォーカスが当たることになるからです。コンピューターの世界で例えて言うと、ロケット搭載物は「アプリケーション」、ロケット自体は「OS」ということになるでしょうか。

今回のトピックは「OS」である H-IIAロケット自体にフォーカスが当てられています。とかくOSはうまく動いて当たり前として縁の下の力持ち的な存在とされがちですが、OSがうまく動かないとその先にあるミッションは必ず失敗します。ロケット打ち上げ技術の確立は、日本の宇宙開発の根底を支える大事な技術なのです。その意味で、とかく「上モノ」にフォーカスが当たりがちなロケット打ち上げにおいて、「ロケットそのもの」にフォーカスを当てたこの企画はNHKならではだと感心しました。

<登場する人物>

感じたことは「ロケットを打ち上げるには、様々な人が高い使命感を以って働き、ミス無く本番までを乗り越えることが本当に大事だ」ということです。番組では、エンジンを溶接する人、港から陸揚げされたロケット本体を大型トレーラーに乗せて種子島宇宙センターまで運ぶ運転手、ロケットをトレーラーから吊り上げて組み立て台に立てるクレーン操作士、分割されたロケットを組み立てる人々、組み立てたロケットの動作確認を分厚いマニュアルのとおりに丸2日間かけて行う確認テスト技師など、普段は全くメディアでは紹介されない人々を紹介します。携わる全ての人々は「無事にロケットを発射成功させる」、この明確な目標を達成すべく、自分たちの仕事を精一杯こなしてゆきます。その姿が印象的でした。

番組が進むに連れ、ロケットの発射の責任を直接担う発射指令関係のメンバーが登場してきます。H-IIA の製造は三菱重工業が全面的に行っており、この番組で最後にスポットが当たるのは、三菱重工業 名古屋航空宇宙システム製作所 打上げ執行責任者 前村 孝志さんです(三菱重工業HPでの紹介はココ)。ロケットの打ち上げまでの全責任は前村さんが負うことになります。彼の発言(私の記憶による)では、「不安要素は徹底的に取り除いておく必要がある。ここ17回、連続して発射に成功し、現在のスタッフの大部分は失敗を知らない。ずっと成功し続け、気の緩みがある状況に陥ると打ち上げは失敗する。私の役目は失敗の経験を生かして、失敗を知らないスタッフの気を引き締めること」と言っていたのが印象的でした。

<フィナーレ>

実際の打ち上げは、確か数分前に「最終打ち上げシーケンス」というボタンを人間が押すことで確定し、その後は手順が正確に行われるよう、コンピューターが自動的にカウントダウンしていました。したがって、緊急停止ボタンを押さない限りは、ロケット発射が自動的に行われ「発射ボタン」を押すという作業はもはやありません。でも発射のカウントダウンがコンピューターボイスで読み上げられる管制室の緊迫した雰囲気は十分伝わってきました。

2010年9月11日午後8時17分、H-ⅡAロケットは無事に発射され、その約28分後、「みちびき」を無事に分離して役目を終えました。ロケット打ち上げ担当の仕事は、内部の衛星を分離するまでです。「衛星分離」の報告で管制室のスタッフは初めて歓声を上げてお互いに握手していました。

実はここでミッションが終わったわけではなく、衛星分離の瞬間に指揮命令系統がJAXA の「みちびき」のチームに移っていたはずですが、番組はここで終わりです。でも前述したとおり、ロケット打ち上げというのは全ての宇宙ビジネスの前提になる大事な仕事です。ここにハイライト当ててくれたのは物事を広く紹介する意味でとても良いことだと思いました。



【関連ページ】
夢を打ち上げる人びと~密着・ロケット発射100日間~
はやぶさ関連コンテンツ
JAXA H-IIA ロケット紹介ページ
JAXA H-IIB ロケット紹介ページ
JAXA 準天頂衛星初号機 みちびき特設サイト
三菱重工業「H-IIAロケット打上げ輸送サービス」

-----
最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
関連記事
カテゴリ: テクノロジー
tb: 0 |  cm: 0
go page top

 

この記事に対するコメント

go page top

 

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

go page top

 

トラックバック

承認制としています。無関係なものは承認されない場合があります。
トラックバックURL
→https://ace.reviewmagic.jp/tb.php/320-45f2aeef
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
go page top