自転車ヘッド部のメンテナンス
2010.09.04/Sat/00:49:13
【自転車の回転部分】
自転車には大きく分けて次の5か所の回転部分があり、それぞれにベアリングが使われています。
ベアリング部には定期的なグリースアップ(メンテナンス)が必要となりますが、ヘッド部のメンテナンスを頻繁に行う人は少数派だと思われます。その理由は、ヘッド部以外は全て自転車の推進力に直結するものであるのに対して、ヘッド部は少々の回転ロスがあってもちょっとハンドルが重くなる程度のことで、大きな支障にならないからです。
【ヘッド部のメンテナンス】
最近自転車を漕ぐ動きに合わせて、ハンドルの付け根付近からきしみ音が出るようになり、気になっていました。思えば購入してから一度もヘッド部をメンテナンスしてなかったので、メンテナンスを行うことを決心しました。
ヘッド部とは、自転車のフレームとハンドルとが結合しているこの部分のことです。

この部分を取り外すためには、まずハンドルポストを引き抜く必要があります。ハンドルポストの固定ボルトは、ハンドル折りたたみ部のこの部分にあります。6mm の六角レンチ(アーレンキー)のボルトです。

ここを緩めるとハンドルポストを引き抜くことができます。このようにハンドルポストの先端部には、ボルトに直結したくさび状の金具があり、この金具がハンドルポストに食い込んで広げることでハンドルポストとフロントフォーク部を固定しています。

この後、ヘッド部の上の部分にある各種ナットを取り外します。グリースがまだ残ってはいましたが、錆びや汚れで劣化しています。分解して正解でした。

上側ワン部のベアリングの状況です。清掃とグリスアップが必要です。

フロントフォークを引き抜いた時の下側ワンの玉押し部です。ここを見ると、ほとんど油が切れていて、乾燥状態になっています。

ベアリングを取り外し、上側ワン、下側ワンをデグリーサーを使って、きれいに清掃します。

(上側ワン:清掃前)

(上側ワン:清掃後)

(下側ワン:清掃前)

(下側ワン:清掃後)
ベアリングと各種ナット類もこのようにきれいに清掃します。

これで、元に戻すことができます。下側ワンにグリスを塗りこみ、ベアリングを入れ、さらにグリスを盛りつけます。

上側も同じようにたっぷりとグリスアップします。

下側からフロントフォーク部を差し込み、上側からは玉押しナットで挟み込みます。このとき、上側のナットを締め込過ぎるとベアリングが回らなくなり、ハンドルが重くなってしまいますので、ハンドルにガタが出ずにスムーズに動かせるちょうどよい具合のレベルを探る必要があります。

最後にハンドルポストを差し込んでボルトを締めて完成です。ハンドルが抜けたりずれたりしないよう、センターをきっちり決めた上で既定のトルクでしっかり締めこむ必要があります。

【メンテ後の感想】
メンテ後は、ハンドルの動きが滑らかになりましたが、それよりも良かったことは、自転車を漕ぐたびに発生していた「ギシギシ」というハンドル付近のきしみ音が全く消えたことです。予想していた以上の効果がありました。
面白いもので、自転車というものは適切に手を入れてあげると、その努力に応えてくれる存在です。このメンテで、現状のこの自転車の走行時のきしみ音はほとんどなくなり、チェーン駆動の際のわずかな「チチチチ」という音だけになりました。適切なメンテは確実に静音化に寄与し、駆動効率も上がります。
【関連記事】
スターメー・アーチャー AWタイプ 内装3段変速機のメンテナンス
折りたたみ自転車前輪ハブのメンテナンス
ペダルのベアリングのメンテナンス
自転車ヘッド部のメンテナンス
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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
自転車には大きく分けて次の5か所の回転部分があり、それぞれにベアリングが使われています。
- 前輪ハブ
- 後輪ハブ
- ボトム・ブラケット
- ペダル
- フロント・ヘッド
ベアリング部には定期的なグリースアップ(メンテナンス)が必要となりますが、ヘッド部のメンテナンスを頻繁に行う人は少数派だと思われます。その理由は、ヘッド部以外は全て自転車の推進力に直結するものであるのに対して、ヘッド部は少々の回転ロスがあってもちょっとハンドルが重くなる程度のことで、大きな支障にならないからです。
【ヘッド部のメンテナンス】
最近自転車を漕ぐ動きに合わせて、ハンドルの付け根付近からきしみ音が出るようになり、気になっていました。思えば購入してから一度もヘッド部をメンテナンスしてなかったので、メンテナンスを行うことを決心しました。
ヘッド部とは、自転車のフレームとハンドルとが結合しているこの部分のことです。

この部分を取り外すためには、まずハンドルポストを引き抜く必要があります。ハンドルポストの固定ボルトは、ハンドル折りたたみ部のこの部分にあります。6mm の六角レンチ(アーレンキー)のボルトです。

ここを緩めるとハンドルポストを引き抜くことができます。このようにハンドルポストの先端部には、ボルトに直結したくさび状の金具があり、この金具がハンドルポストに食い込んで広げることでハンドルポストとフロントフォーク部を固定しています。

この後、ヘッド部の上の部分にある各種ナットを取り外します。グリースがまだ残ってはいましたが、錆びや汚れで劣化しています。分解して正解でした。

上側ワン部のベアリングの状況です。清掃とグリスアップが必要です。

フロントフォークを引き抜いた時の下側ワンの玉押し部です。ここを見ると、ほとんど油が切れていて、乾燥状態になっています。

ベアリングを取り外し、上側ワン、下側ワンをデグリーサーを使って、きれいに清掃します。

(上側ワン:清掃前)

(上側ワン:清掃後)

(下側ワン:清掃前)

(下側ワン:清掃後)
ベアリングと各種ナット類もこのようにきれいに清掃します。

これで、元に戻すことができます。下側ワンにグリスを塗りこみ、ベアリングを入れ、さらにグリスを盛りつけます。

上側も同じようにたっぷりとグリスアップします。

下側からフロントフォーク部を差し込み、上側からは玉押しナットで挟み込みます。このとき、上側のナットを締め込過ぎるとベアリングが回らなくなり、ハンドルが重くなってしまいますので、ハンドルにガタが出ずにスムーズに動かせるちょうどよい具合のレベルを探る必要があります。

最後にハンドルポストを差し込んでボルトを締めて完成です。ハンドルが抜けたりずれたりしないよう、センターをきっちり決めた上で既定のトルクでしっかり締めこむ必要があります。

【メンテ後の感想】
メンテ後は、ハンドルの動きが滑らかになりましたが、それよりも良かったことは、自転車を漕ぐたびに発生していた「ギシギシ」というハンドル付近のきしみ音が全く消えたことです。予想していた以上の効果がありました。
面白いもので、自転車というものは適切に手を入れてあげると、その努力に応えてくれる存在です。このメンテで、現状のこの自転車の走行時のきしみ音はほとんどなくなり、チェーン駆動の際のわずかな「チチチチ」という音だけになりました。適切なメンテは確実に静音化に寄与し、駆動効率も上がります。
【関連記事】
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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
カテゴリ: 自転車・アウトドア
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