デュアルチャネル・メモリの効果を見る
2010.05.23/Sun/09:49:33
![]() | 先日、Celeron E3300 ベースの格安PCを Windows XP ベースで構築しました。自宅のメインマシンとして利用していますが、メモリ 1GB はアプリを複数起動しながら使うのはちょっと厳しめでした。今回は2GBに増設した経過を報告します。 |
これが現在のメインマシンです。

マザーボードは FOXCONN G41MXE。少々マイナーなメーカーで、 FOXCONN はどちらかと言えば電子部品用のコネクター等で名の知れたメーカーです。

メモリーは最新型の DDR3 に対応しています。

CPU はコストパフォーマンスに定評のある E3300。ベンチマークでも、一世代前の Core2Duo を凌駕しています。
【メモリ増設】
非常に快適に使っているのですが、メモリを 1GB にしたのが最近問題となりました。ブラウジングしながら各種ユーティリティーを開き、さらに PhotoShop などを開いて画像を編集したりしていると、すぐにメモリの消費量が 1GB を越えてしまうのです。
そこで、メモリスロットが1個分空いているので、1GB 分を増設して 2GB にすることにしました。

ただし、安易に増設をすることは避けたいところです。このマザーボードのチップセット Intel G41 はデュアル・チャネル・メモリーに対応しています。これは、同規格のメモリーが2枚メモリー・スロットに装着されていると、メモリアクセスを各スロットのメモリーに同時に行い、アクセス速度を高速化する技術です。デュアル・チャネル・アクセスの恩恵を得るためには現在利用中のメモリーモジュールと同じ型のメモリーを増設する必要があるわけです。
そのため、既存のメモリーモジュールを調べます。見てみると...。


Kingston の RBU1333D3U9SR8/1G ということが分かりました。通常、メモリーは規格までの指定で購入するもので、型番まで含めた形で、販売広告や商品情報を出している店はほとんどありません。したがって、このメモリーモジュールを型番指定で新規購入するのは、相当難しいことが判明しました。
何とかインターネットで中古品を検索し、通販で購入することができました。
【増設!】
増設してみました。

電源を入れてみます。この後、PCが起動するか、BIOS 上でメモリが認識されるか、緊張の一瞬でしたが、無事に認識されました。

ちゃんとデュアル・チャネルになっているかどうかも調べてみました。Speccy というシステム情報表示ソフトで見たところ、問題なく Dual Channel になっていることが確認できました。

【増設の効果】
さて、増設の効果について見てみましょう。
最もよくわかる効果は「メモリ消費量が1GBを超えても、ディスクスワップなどによる体感速度が落ちない」という当たり前のことですね。今回解消したかった一番の問題点なので、これは満足です。
あとは、Dual Channel のメモリ・アクセス速度の改善効果なのですが、これは、人間が体感できるほどの差はもたらさないようです。したがって、ベンチマークソフトに頼って比較することにします。
<HD bench 3.40 beta 6>
あまり、昨今は「旬」ではなくなったベンチマークソフトですが、Windows 3.1 の頃からある Windows の動作環境全般を評価する国産フリーソフトです。
メモリアクセスの項目だけを実行し、比較してみます。
搭載メモリ | 1GB(Single Channel) | 2GB(Dual Channel) |
---|---|---|
Memory Read | 187698 | 192767 |
Memory Write | 97416 | 121036 |
Memory R/W | 198757 | 244735 |
メモリ読み込みで約1割、メモリ書き込みで2割の大きな改善が見られました。
<SiSoftware Sandra>
PC の総合的ベンチマークで、特にメモリ関係のテストでよく引き合いに出される Sandra というベンチマークでメモリ周りのテストを行ってみました。
すると下記のようになりました。
(1GB: Single Channel の場合)論理/チップセット メモリーバンク
バンク 0 : 1GB DIMM DDR3 6-6-6-15 3-21-7-5 1T
チップセットへの統合 : 有効 (対応)
グラフィックス共有メモリー : 32MB
チャンネル : 1
メモリー バス スピード : 2x 400MHz (800MHz)
動作倍率 : 2x
ビット幅 : 64-ビット
最大のメモリーバス帯域幅 : 6.25GB/秒
メモリーモジュール
メモリーモジュール : Kingston RBU1333D3U9SR81G 1GB DIMM DDR3 PC3-10700U DDR3-1334 (9-9-9-25 4-34-10-5)
(1GB: Single Channel の場合)論理/チップセット メモリーバンク
バンク 0 : 1GB DIMM DDR3 6-6-6-15 3-21-7-5 1T
バンク 4 : 1GB DIMM DDR2 6-6-6-15 3-21-7-5 1T
チップセットへの統合 : 有効 (対応)
グラフィックス共有メモリー : 32MB
チャンネル : 2
メモリー バス スピード : 2x 400MHz (800MHz)
動作倍率 : 2x
ビット幅 : 64-ビット
最大のメモリーバス帯域幅 : 12.5GB/秒
メモリーモジュール
メモリーモジュール : Kingston RBU1333D3U9SR81G 1GB DIMM DDR3 PC3-10700U DDR3-1334 (9-9-9-25 4-34-10-5)
メモリーモジュール : Kingston RBU1333D3U9SR81G 1GB DIMM DDR3 PC3-10700U DDR3-1334 (9-9-9-25 4-34-10-5)
搭載メモリ | 1GB(Single Channel) | 2GB(Dual Channel) |
---|---|---|
メモリ帯域 | 4.3GB/秒 | 4.46GB/秒 |
レイテンシ | 123ns | 117ns |
キャッシュ・メモリ間転送速度 | 16GB/秒 | 17.57GB/秒 |
【最後に】
かつて、他のPCで原因不明のブルー・スクリーンが時々生じる障害が発生し、OS の再インストールや不要な拡張ボードやデバイスの除去、Chipset ユーティリティーソフトの差し替えなど、いろいろな作業を行っても、その不安定さが改善しませんでした。
いろいろやった結果、その原因はメモリにあることがようやくわかりました。その PC では 1GB x 2 と256MB x 2 という、違う規格のメモリを同じマザーボードに装着していました。2枚ずつ対応するメモリスロットに装着していたので、問題はないだろうと思いこんでいましたが、これが問題でした。システムがメモリを消費し始め、2GB を超えたとき、別の種類のメモリにアクセスすることになりますが、この瞬間にシステムがフリーズし、ブルースクリーンになることが分かりました。
ともかく、安定したPCを構築するためには、メモリモジュールは「すべて」同一のものにする必要があると痛感しました。そのため、今回のメモリ増設もしつこいほど同じ型番のメモリにこだわりました。
こだわった結果、システムの安定性は崩さずにメモリ周りのパフォーマンスアップが得られました。手間はかかりましたが、結果は満足すべきものでした。
また、この PC で利用した Intel Celeron E3300 は「羊の皮をかぶった狼」です。通常利用でも、ちょっと前の Core2Duo を打ち負かしますし、クロックアップ耐性も大変高いと聞いています。安上がりに高速なPCを組むのには、うってつけの CPU だと思います。
インテル Boxed Intel Celeron E3300 2.50GHz 1M LGA775 BX80571E3300
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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。
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