プラグインハイブリッドの燃費について
2009.12.15/Tue/23:22:41
【プラグインハイブリッドカーとは】
今までのハイブリッドカーは、モーターとバッテリーがあるものの、バッテリーの充電はエンジンで行っていました。したがって、必ず「ガソリン」が必要でした。ところが、「プラグインハイブリッド(PHV)」は充電池を直接電源から充電できるようにしたものです。
この時点で、このクルマはガソリンを全く入れなくても走るクルマになります。もともとハイブリッドカーは電気自動車とガソリンエンジン車のいいとこ取りだったのですが、もう一段電気自動車に近づいたことになります。
ただし今回発表されたPHVプリウス、値段は500万円を超えるらしく、当初は法人向けにリースとして納入されるらしいです。個人向けとしては数年後に期待です。
【プラグインハイブリッドカーの燃費は?】
プラグインハイブリッドの特徴は、ガソリンを入れなくても走れることなので、極論を言えばガソリンを入れなくとも充電さえし続ければ永遠に走り続けることができます。その基準で言えば、燃費は∞(無限大)です。ところが、トヨタはPHVプリウスの燃費データを 57.0km/l と公表しています。PHVプリウスのEVモード(電池で走るモード)の最長航続距離は、23.4km です。近所に買い物に行くだけであれば電気自動車として活用可能ですが、一度に走る距離がこの数値を超える場合は必ずガソリンが必要になってきます。ガソリン消費率を表す「燃費」は23.4kmを超えて走る場合に意義を持ちます。
表 PHVプリウスの環境性能
*1 充電電力使用時燃料消費率(プラグイン燃費値)
・ 外部充電による電力を併用した走行時の燃料消費率
*2 プラグインハイブリッド燃料消費率
・ 外部充電による電力で走行した燃料消費率と、外部充電による電力を消費した後にハイブリッドで走行した燃料消費率とを複合して算定された、平均的な燃料消費率
*3 充電電力使用時走行距離
・ 外部充電による電力を併用して走行可能な距離
*4 EV走行換算距離
・ 外部充電による電力のみを使用した走行に相当する距離
*5 プリウス プラグインハイブリッドの場合、「充電電力使用時走行距離」と「EV走行換算距離」は一致する。
(出所:トヨタ ニュースリリース)
【燃費測定基準】
燃費の測定基準は複数あります。最も良い数値が出やすいのは 60km/h 定値走行燃費。60km/hで一定速度の走行状態でリッターあたり何キロ走るかというものですが、これは実燃費とはかけ離れた数値が出るためあまり目安にはなりません。
現在は 10・15(テン・フィフティーン)モードの燃費基準です。これは10パターン、15パターンの走行状態を設定し、10パターンを3回、15パターンを1回走行し、その燃費を測定するものです。(くわしくはこちら)
ここで、57.0km の燃費は、10・15モードよりも新しいJC08モードという燃費測定方法に沿ったものだそうです。このJC08という燃費測定基準は、さらに自動車の利用実態に即したもので、燃費の数値自体は10・15モードよりも10~15%低くなってしまう、より厳しい基準です。しかしこれは運輸省の省令のため、自動車会社は、今後この基準に則った燃費表示を行う必要があります。(詳しくはここ)
PHVプリウスは、このJC08モードでの燃費表示でリッター57kmを達成しているわけです。また、近所(片道10km以内)に行って帰ってくるだけなら、ガソリンを全く消費しないようにすることもできます。
今後、電気自動車が普及すると、この「リッター何キロ」という基準もなくなることでしょう。その場合は深夜電力換算で、100円で何キロなどという基準になるのでしょうか。
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最後までご覧いただき、どうもありがとうございます。
今までのハイブリッドカーは、モーターとバッテリーがあるものの、バッテリーの充電はエンジンで行っていました。したがって、必ず「ガソリン」が必要でした。ところが、「プラグインハイブリッド(PHV)」は充電池を直接電源から充電できるようにしたものです。
この時点で、このクルマはガソリンを全く入れなくても走るクルマになります。もともとハイブリッドカーは電気自動車とガソリンエンジン車のいいとこ取りだったのですが、もう一段電気自動車に近づいたことになります。
ただし今回発表されたPHVプリウス、値段は500万円を超えるらしく、当初は法人向けにリースとして納入されるらしいです。個人向けとしては数年後に期待です。
【プラグインハイブリッドカーの燃費は?】
プラグインハイブリッドの特徴は、ガソリンを入れなくても走れることなので、極論を言えばガソリンを入れなくとも充電さえし続ければ永遠に走り続けることができます。その基準で言えば、燃費は∞(無限大)です。ところが、トヨタはPHVプリウスの燃費データを 57.0km/l と公表しています。PHVプリウスのEVモード(電池で走るモード)の最長航続距離は、23.4km です。近所に買い物に行くだけであれば電気自動車として活用可能ですが、一度に走る距離がこの数値を超える場合は必ずガソリンが必要になってきます。ガソリン消費率を表す「燃費」は23.4kmを超えて走る場合に意義を持ちます。
表 PHVプリウスの環境性能
平成17年基準排出ガス低減レベル | 75%低減レベル | |
①充電電力使用時燃料消費率 (プラグイン燃費値) *1 | km/L | - (専ら外部充電による電力により走行) |
②ハイブリッド燃料消費率 | km/L | 30.6(CO2排出量 76g/km) |
③プラグインハイブリッド燃料消費率 *2 | km/L | 57.0(CO2排出量 41g/km) |
④充電電力使用時走行距離 *3、*5 | km | 23.4 |
⑤電力消費率 | km/kWh | 6.57 |
⑥EV走行換算距離 *4、*5 | km | 23.4 |
⑦一充電消費電力量 | kWh | 3.56 |
2015年度燃費基準 | 達成レベル |
*1 充電電力使用時燃料消費率(プラグイン燃費値)
・ 外部充電による電力を併用した走行時の燃料消費率
*2 プラグインハイブリッド燃料消費率
・ 外部充電による電力で走行した燃料消費率と、外部充電による電力を消費した後にハイブリッドで走行した燃料消費率とを複合して算定された、平均的な燃料消費率
*3 充電電力使用時走行距離
・ 外部充電による電力を併用して走行可能な距離
*4 EV走行換算距離
・ 外部充電による電力のみを使用した走行に相当する距離
*5 プリウス プラグインハイブリッドの場合、「充電電力使用時走行距離」と「EV走行換算距離」は一致する。
(出所:トヨタ ニュースリリース)
【燃費測定基準】
燃費の測定基準は複数あります。最も良い数値が出やすいのは 60km/h 定値走行燃費。60km/hで一定速度の走行状態でリッターあたり何キロ走るかというものですが、これは実燃費とはかけ離れた数値が出るためあまり目安にはなりません。
現在は 10・15(テン・フィフティーン)モードの燃費基準です。これは10パターン、15パターンの走行状態を設定し、10パターンを3回、15パターンを1回走行し、その燃費を測定するものです。(くわしくはこちら)
ここで、57.0km の燃費は、10・15モードよりも新しいJC08モードという燃費測定方法に沿ったものだそうです。このJC08という燃費測定基準は、さらに自動車の利用実態に即したもので、燃費の数値自体は10・15モードよりも10~15%低くなってしまう、より厳しい基準です。しかしこれは運輸省の省令のため、自動車会社は、今後この基準に則った燃費表示を行う必要があります。(詳しくはここ)
PHVプリウスは、このJC08モードでの燃費表示でリッター57kmを達成しているわけです。また、近所(片道10km以内)に行って帰ってくるだけなら、ガソリンを全く消費しないようにすることもできます。
今後、電気自動車が普及すると、この「リッター何キロ」という基準もなくなることでしょう。その場合は深夜電力換算で、100円で何キロなどという基準になるのでしょうか。
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最後までご覧いただき、どうもありがとうございます。
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カテゴリ: クルマ・バイク
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