AcerPower 2000 の内蔵電池交換
2009.12.07/Mon/19:10:27
![]() | AcerPower 2000。日本エイサーが発売していた小型PCです。そのPCのCMOS内容を保持するための内蔵電池が切れてしまいました。電池を替えれば良いとたかをくくっていましたが、このPCの内蔵電池は特殊なものであることが判明。何とか交換しましたので備忘録も兼ねて交換の経過を報告します。 |
【AcerPower 2000 の内蔵電池】
AcerPower 2000。Acer のブックタイプの小型パソコンです。小型なのに静音設計。Intel の Core2Duo も搭載可能で 3.5インチHDDを搭載しているためディスクアクセスも速く、さくさく動きます。内部の拡張性はありませんが、ゲームなどをやらない限りは必要十分なPCです。

(AcerPower 2000)
2年位前に買いましたが、最近電源を入れると日付が2006年1月1日に戻ってしまう現象が現れました。「これは内蔵電池が消耗したな」と考え、電池を交換することにしました。
そこで筐体を開け、電池を探したところ、こんな電池が小型3Pコネクターでマザーボードに接続されていました。

(AcerPower 2000 の内蔵電池)
この電池は、「リード線付きバックアップ電池」と呼ばれ、PCメーカー向けに電池メーカーが特別製作して卸している特殊な品物です。製品上に型番が付いており、「Newsun CR2032-CL3 3V」と書かれています。ネーミングからして、コイン型リチウム電池 CR2032 にリード線とコネクタが半田付けされ、金属部をラップして絶縁させた商品だと思われます。
このような商品、日本で入手可能なのでしょうか?早速検索エンジンで調べてみると、日本では全くヒットしません。かろうじて中国の製造メーカーやアリババ(BtoB取引サイト)で同じ製品を見つけたくらいです。おそらく日本エイサーのサービスセンターに問い合わせれば入手可能でしょうが、日数やコストがかかりそうです。
そこで、今回は秋葉原に出向いて何とかしようと考えました。
【リチウム電池について】
まず思いつくのが、ちまたで入手可能なリチウム電池に、このコネクターのリード線を直接はんだ付けしてしまうという方法です。ところがこれは大変危険です。リチウム電池は発熱・発火しやすい製品です。ハンダゴテの熱を加え、電池内部のプラスチックの絶縁膜を溶かしてしまうと、発煙・発火のリスクが大変高くなります。そのため、このようなリード線付きの CR2032 を入手するのが一番なのですが、秋葉原でも同一製品を見つけることはできませんでした。
したがって、電池ホルダーを別途購入し、それにリード線を半田付けする方式を採ることにしました。そこで秋葉原の千石電商で買ってきたのが、下記の CR2032 用電池ホルダー、「TAKACHI BCR20V4」。160円でした。下記写真では、すでにリード線を半田付けしてしまっていますが、元はリード線は付いていません。

部品を良く見ると「PANASONIC」の文字が...。恐らく Panasonic 製品の基盤に組み込む部品をこの会社は作っているのでしょう。

まずリード線を入手します。この 3P コネクターが特殊なため、リード線はコネクタ付きで、この既存の電池から取り外します。3P なので、赤、黒、白のリード線がコネクタから出ています。恐らく赤は+、黒は-に接続されていると想像できますが、白のリード線がどうなっているのか、ばらしてみないとわかりません。

そこで割ってみると、このリード線は赤は単独でプラス、黒と白は束ねられてマイナスへと電池に接続されていることがわかりました。下記の写真はリード線を外してしまったあとの、電池に付けられた金属タブの様子。
次にリード線を調達した電池ホルダーに半田付けします。
半田付けが終わり、接続・固定を確認したら、電池を入れます。

次に、電工用ビニールテープで部品を絶縁します。

このようにぐるぐると巻いて、金属部分を全て隠し、マザーボードの金属部品に接触してもショートしないようにします。

マザーボードでの 3Pコネクターの接続部分はここ。

コネクターをつなげた後、電池を当たり障りのない場所に固定します。今回はコネクターのすぐ近くのIC(BIOS-ROM?)の真上にしました。

あとは、本体を定位置に戻し、USBケーブルやACアダプタープラグ、ディスプレイケーブルを接続し、

PCの起動を確認し、BIOS設定で日時等を設定すればOKです。

材料費、電池代も含め 200円。Acer のサービスに出すよりは安く上がったのではないでしょうか。あっ、秋葉原までの往復電車代が追加費用か...。でも秋葉原には「行きたかったから行った」ということにして原価には含めないことにしよう。
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最後までご覧いただき、どうもありがとうございます。
AcerPower 2000。Acer のブックタイプの小型パソコンです。小型なのに静音設計。Intel の Core2Duo も搭載可能で 3.5インチHDDを搭載しているためディスクアクセスも速く、さくさく動きます。内部の拡張性はありませんが、ゲームなどをやらない限りは必要十分なPCです。

(AcerPower 2000)
2年位前に買いましたが、最近電源を入れると日付が2006年1月1日に戻ってしまう現象が現れました。「これは内蔵電池が消耗したな」と考え、電池を交換することにしました。
そこで筐体を開け、電池を探したところ、こんな電池が小型3Pコネクターでマザーボードに接続されていました。

(AcerPower 2000 の内蔵電池)
この電池は、「リード線付きバックアップ電池」と呼ばれ、PCメーカー向けに電池メーカーが特別製作して卸している特殊な品物です。製品上に型番が付いており、「Newsun CR2032-CL3 3V」と書かれています。ネーミングからして、コイン型リチウム電池 CR2032 にリード線とコネクタが半田付けされ、金属部をラップして絶縁させた商品だと思われます。
このような商品、日本で入手可能なのでしょうか?早速検索エンジンで調べてみると、日本では全くヒットしません。かろうじて中国の製造メーカーやアリババ(BtoB取引サイト)で同じ製品を見つけたくらいです。おそらく日本エイサーのサービスセンターに問い合わせれば入手可能でしょうが、日数やコストがかかりそうです。
そこで、今回は秋葉原に出向いて何とかしようと考えました。
【リチウム電池について】
まず思いつくのが、ちまたで入手可能なリチウム電池に、このコネクターのリード線を直接はんだ付けしてしまうという方法です。ところがこれは大変危険です。リチウム電池は発熱・発火しやすい製品です。ハンダゴテの熱を加え、電池内部のプラスチックの絶縁膜を溶かしてしまうと、発煙・発火のリスクが大変高くなります。そのため、このようなリード線付きの CR2032 を入手するのが一番なのですが、秋葉原でも同一製品を見つけることはできませんでした。
したがって、電池ホルダーを別途購入し、それにリード線を半田付けする方式を採ることにしました。そこで秋葉原の千石電商で買ってきたのが、下記の CR2032 用電池ホルダー、「TAKACHI BCR20V4」。160円でした。下記写真では、すでにリード線を半田付けしてしまっていますが、元はリード線は付いていません。

部品を良く見ると「PANASONIC」の文字が...。恐らく Panasonic 製品の基盤に組み込む部品をこの会社は作っているのでしょう。

まずリード線を入手します。この 3P コネクターが特殊なため、リード線はコネクタ付きで、この既存の電池から取り外します。3P なので、赤、黒、白のリード線がコネクタから出ています。恐らく赤は+、黒は-に接続されていると想像できますが、白のリード線がどうなっているのか、ばらしてみないとわかりません。

そこで割ってみると、このリード線は赤は単独でプラス、黒と白は束ねられてマイナスへと電池に接続されていることがわかりました。下記の写真はリード線を外してしまったあとの、電池に付けられた金属タブの様子。
![]() | ![]() |
(CR2032 プラス側) | (CR2032 マイナス側) |
次にリード線を調達した電池ホルダーに半田付けします。
![]() | ![]() |
(電池ホルダーに半田付け:表側) | (電池ホルダーに半田付け:裏側) |
半田付けが終わり、接続・固定を確認したら、電池を入れます。

次に、電工用ビニールテープで部品を絶縁します。

このようにぐるぐると巻いて、金属部分を全て隠し、マザーボードの金属部品に接触してもショートしないようにします。

マザーボードでの 3Pコネクターの接続部分はここ。

コネクターをつなげた後、電池を当たり障りのない場所に固定します。今回はコネクターのすぐ近くのIC(BIOS-ROM?)の真上にしました。

あとは、本体を定位置に戻し、USBケーブルやACアダプタープラグ、ディスプレイケーブルを接続し、

PCの起動を確認し、BIOS設定で日時等を設定すればOKです。

材料費、電池代も含め 200円。Acer のサービスに出すよりは安く上がったのではないでしょうか。あっ、秋葉原までの往復電車代が追加費用か...。でも秋葉原には「行きたかったから行った」ということにして原価には含めないことにしよう。
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最後までご覧いただき、どうもありがとうございます。
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カテゴリ: パソコン・インターネット
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