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「田園型事故」の怖さについて

2012.07.28/Sat/13:44:39

IMG_9437.jpg「田園型事故」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは郊外をドライブする場合にぜひとも気をつけたい事故の形態です。

【人間の目の特性について】

人間の眼には面白い特徴があります。

  • 左右の視野は両眼合わせると約180~200度。これは広いようだが、馬やカエル、魚などはほぼ全周囲をカバーしており、動物としては狭い範囲に属する
  • 後方視野はない(ゼロ)
  • 両眼が前方に向いているため、立体視の能力に秀でる
  • 視力は良いが、実際に1.5程度の視力を発揮するのは全視野のうち、限られた中央の部分のみ(中心窩)。その中心部を外れた周辺視野の視力は著しく低い
  • 点滅や動く物体に敏感に反応(特に周辺視野)

上記のうち、中心視力や左右の視野範囲などは、目の位置や構造に左右されますが、解像度の高い中心部分の映像が視野全体に広がっているように認識したり、周辺視野で動くものや点滅光に敏感であるという特質は、眼から情報を脳が受け取り、その処理段階での脳で培われた特質だと思います。

上記特徴は、人間が生き残ってきた成り立ちにも関係します。人間は長い歴史の中で、外敵から身を守る術は、その高度に発達した知力を用いることだということを会得したため、広い範囲や後ろを見渡せるよりも、近くのものが鮮明に見える能力や物体を立体的に把握する能力を伸ばしました(つまり道具を作ったり、物事を高度に把握、探求できる能力)。ただし、動くものに敏感に反応するような特性は、不意に飛び出してくる外敵をすばやく発見・対処するために培われた、人間の野性的特質の名残なのでしょう。

さて、今回のタイトルに関わる人間の眼の特性は「人間の目は点滅する光、動くものに関しては敏感に反応する」というものです。この特性は逆に「動かないものに関しては人間の眼による認識力は低下する」ということになります。

【田園型事故とは】

「田園型事故」とはその人間の視覚認識の弱点に起因した事故のことです。下のような交差点を考えてみます。

20120728.png
(図1: 田園型事故が多発する交差点の例)

ある交差点にクルマAとクルマBが近付いている状況です。この交差点には信号はなく、交差する道幅にも大きな違いはありません。道路交通法上、信号や一時停止の標識がない交差点では、道幅の広い道路に優先権があり、道幅の狭い道路を通行しているクルマは優先道路の交通を妨害してはいけないことになっています。

この時、クルマAを運転しているドライバーの立場に立って考えてみると、人間の視覚上前方遠くで交差する道路の幅は自分が走行している道路の幅よりも狭く見える筈です。また交差点には信号や標識はありません。そのためクルマAのドライバーは、特に危険がない限り前方の交差点をスピードを落とさずに通過しようと考える可能性が高くなります。

上記の論理はクルマBを運転しているドライバーにも当てはまります。その結果、クルマAとクルマBは交差点で衝突してしまいます。これが典型的な「田園型事故」のケースです。

【なぜ田園型事故が起こるのか】

上記のような田園型事故が起こる理由は、道路の優先権を誤認したこともありますが、それが根本的な理由ではありません。側方から近付くクルマの存在に双方のドライバーが気づかなかったというのが主たる要因です。

通常、横から来るクルマの存在に気づいていれば、大抵のドライバーは気をつけて交差点に近づくはずです。ところがこのような場所で事故が多発するのは、人間の視覚的特性により、側方から来るクルマの存在に「気付かない」ことが多いのです。

それはなぜでしょうか。冒頭で述べた人間の眼の特性「動くものには敏感に反応するが、動かないものには鈍感」というものに密接にかかわっています。

先ほどの図で考えてみましょう。クルマAのからクルマBへ直線を引き、交差点を頂点に加えた三角形を書いてみます。

20120728-2.png
(図2:クルマAからみたクルマBの方向)

次に時間が経過し、両方のクルマが交差点にさらに近づいた状況の図を書いてみます。

20120728-3.png
(図3:両方のクルマが交差点にさらに近付いた状況)

ここで、「交差点」、「クルマA」、「クルマB」を頂点に持つ三角形の形に注目すると、その形はほぼ「相似形」となります。したがって、クルマAのドライバーから見た場合、クルマBは、見た目動かずに「同じ方角にずっと見える」ことになります。あえて言えば、クルマAとクルマBとの距離は刻々と縮まるので、クルマBを気にして見ることができたならば、クルマBがだんだん大きくなるように見えるはずです。

先に述べたとおり、人間の眼の特性として、「動くもの」は敏感に捉えることができますが、風景のように変化がない映像に関しては、人間の視覚認知は鈍感になります。

クルマAのドライバーはクルマBの映像を風景のように見過ごし、深刻な危険が迫っていることを認知できないのです。その結果...

20120728-4.png

ドライバーにとっては、突然クルマが現れたように感じたかもしれませんが、2台のクルマは見える方角をお互い同じに保ちながら、刻々と接近してきたのです。気付いた時にはすでに遅く、交差点で衝突してしまいます。これが「田園型事故」の発生メカニズムです。この事故は両者のスピードが乗っている場合が多く、大事故になる可能性が高い危険なタイプの事故です。

【田園型事故を防ぐには】

このような事故を防ぐためには、交差点に近づくなどのタイミングで「こまめに首を振って左右を直視する」ことが有効です。図1におけるクルマBとて、交差点方向を見ずに、クルマBの方向を見ている状況では「クルマB」を認知が敏感な中心視野で見つけることができるからです。

最近では大抵の交差点には一時停止や信号などの衝突を防ぐための対策が施されていますが、郊外の農道など、クルマの通る頻度が少ない交差点は、「田園型事故」が発生しやすい状態になっていることがありますし、この「田園型事故」は交通量の少ない交差点で、特に起きる事故です。

IMG_9437.jpg

交通量の少ない郊外の道路を走る場合、よく気を付けましょう。

【関連ページ】
なぜ人間の子供はかわいいのか
コリジョンコース現象(wikipedia)
コリジョンコース(YouTube)

最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございました。



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カテゴリ: クルマ
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